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最近の中国住宅市場の動向について

2012年4月20日
国際局 中谷亮太、松永美幸、長野哲平

要旨

中国の住宅市場をみると、2009年から10年にかけて活況を呈したが、このところ住宅価格は緩やかに下落し、住宅投資も減速している。こうした動きは、それ自体としては、景気の持続性を確保する上で望ましい動きとして捉えることが出来る。一方で、これまでの住宅・不動産ブームを受けて、潜在的な住宅在庫が増加し、不動産ディベロッパー向け信用が拡大している点には注意する必要がある。こうした信用拡大は、リスクの所在が不明瞭であることもあって、先行きの住宅市場の安定にとってリスクとなり得る。もっとも、強い住宅買い替え需要や都市化の進展、家計所得の高い伸びといった、住宅市場を巡る良好なファンダメンタルズを前提とすると、当面は、住宅市場で大規模な調整が発生する可能性は低いと考えられる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行国際局 長野哲平(teppei.nagano@boj.or.jp)までお知らせください。