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決済インフラを巡る国際的な潮流とわが国への含意

2012年5月11日
決済機構局 武田憲久、武井愛、二宮拓人

要旨

世界各国では、金融市場のグローバル化と金融危機の教訓を踏まえながら、決済インフラの強化・拡充が進んでいる。米国では、金融危機の経験を踏まえ、レポ取引の決済インフラの改善が進められている。欧州では、域内の金融市場統合と決済の安全性向上の観点から、証券決済インフラのITプラットフォームの統合が進められている。アジアでは、域内金融市場の発展を見据えて、クロスボーダーの証券取引を円滑に決済する仕組みについて検討が行われている。また、既存の国際的な民間決済インフラでは、対象サービスの拡大や強化に取り組んでいる。こうした国際的な潮流を踏まえると、わが国においても、金融経済のグローバル化を支えるため、クロスボーダーの決済インフラの効率性や危機時における安定性を一段と向上させる取組みが重要と考えられる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行決済機構局 武田直己 (代表03-3279-1111 内線2967)までお知らせください。