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わが国生命保険会社のバランスシート構造と国債投資

2012年11月13日
金融機構局 菅和聖、倉知善行、福田善之*、西岡慎一

  • 現国際局

要旨

生命保険会社(生保)では長期保有を目的とした国債投資が多い。とりわけ、最近では生保の超長期国債保有が大きく増加しており、同市場における生保の存在感が高まっている。生保では、将来の保険金支払いが負債の多くを占めており、保険金支払いまでの期間(負債デュレーション)が長い。このため、資産運用における投資期間(資産デュレーション)もその支払いに備えて長期となる。さらに、負債デュレーションは全体として緩やかに長期化しており、資産デュレーションを上回る状況が続いている。資産デュレーションを引き上げ、このミスマッチを解消することも生保の積極的な超長期国債投資の背景となっている。ただし、今後の人口動態は、負債デュレーションを短期化させる可能性があるため、生保の超長期国債に対する需要もこれに合わせて変化していく可能性がある。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融機構局 西岡慎一(shinichi.nishioka@boj.or.jp)までお知らせください。