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「長期停滞」論を巡る最近の議論:「履歴効果」を中心に

2017年3月21日
金融研究所 中野章洋、加藤涼

要旨

先般の金融危機後、多くの先進諸国の経済成長経路が従前のトレンドに復していない中、1930年代に提唱された「長期停滞」論が再び注目を集めている。現代版の長期停滞論は、長期にわたって総需要が総供給を下回る事象を説明するうえで、低い自然利子率のもとで名目金利の実効下限制約が金融政策の有効性を低下させるとのチャネルを重視する。その意味で、過去の議論の単なるリバイバルとは異なる側面を有している。さらに最近では、金融危機のような大規模な負の総需要ショックが、研究開発投資や人的資本投資等の減少を通じて、総供給面にも長期的な悪影響を及ぼす「履歴効果」に着目し、総需要の弱さと潜在成長率(自然利子率)の低下が併存する形で長期停滞を解釈する議論もみられている。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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