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地域銀行の中期経営計画の特徴点

2018年12月26日
金融機構局 樋渡洸子、高橋悠輔、土屋宰貴

要旨

本稿では、地域銀行の中期経営計画(中計)を概観し、経営方針の特徴を整理している。特徴点の第一は、地域銀行のうち、計数目標としてコア業務純益を設定する先が減少し、当期純利益やROEを掲げる先が増えている。基礎的収益力が低下する中で、前中計でコア業務純益が目標未達となったことや、株主をより意識している様子が垣間見える。第二として、貸出は引き続き高めの目標設定となっており、中でもミドルリスク企業向けの積極方針が目立っている。第三は、収益確保に向け、非金利収入の強化や経営効率化を志向している。これら目標設定面での傾向は、中計記載のキーワードの出現状況とも整合的である。地域銀行は、策定した中計をステークホルダーとの対話に活用しつつ、強みを活かした銀行経営を推進していくことが期待される。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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