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長短スプレッドに含まれる期待要因の抽出と政府債務残高の影響の整理

2000年10月12日
磯貝孝

日本銀行から

日本銀行国際局ワーキングペーパーシリーズは、国際局スタッフによる調査・研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは国際局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに対するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せください。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (iwp00j04.pdf 324KB) から入手できます。

(要旨)

  • G7諸国のパネルデータを用いて、長短スプレッドをGDP成長率の変化予想とインフレ率の変化予想(期待要因)および政府債務残高GDP比率(プレミアム要因)の各要因に分解することを試みた。推計の結果、景気やインフレの期待要素は何がしか含まれているものと評価でき、長短スプレッドの先行指標性は必ずしも否定されないことが示された。
  • また、政府債務残高GDP比率についても、80年代後半以降、国債金利に対するプレミアムの変化を通じて長短スプレッドに有意に影響しているとの結果が得られた。長短スプレッドの先行指標性に関する議論を行う場合は、プレミアム要因として政府債務残の影響も明示的に考慮する必要が確認された。

以上