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GDPギャップ計測の課題と新たな方向性

2001年 9月
宮川努
真木和彦

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (cwp01j15.pdf 187KB) から入手できます。

(要旨)

 近年、物価変化率との相関や金融政策ルールの観点からGDPギャップに対する重要性が増している。本稿では、データの作成方法に付加的な試みを加えることで、GDPギャップがどのように変わるかを検証する。具体的には、SNAの改訂に基づいた資本ストックの再推計、過剰資本ストックの推計、投資調整費用を除いたTFPの計測を行った上で、トービンのqや経済的に最適な資本ストックを用いたものなど幾種類かの手法によるGDPギャップの計測を行う。そして得られたGDPギャップを用いて、他の景気指標との相関や技術進歩を考慮したフィリップス曲線の推計を試みる。

 分析の結果からは、経済的に最適な資本ストックから推計された過剰設備は短観の設備DIと高い相関性を示すこと、TFPの上昇率はほとんどの方式において90年代に低下が見られ、また投資調整費用を考慮するとより低下幅が大きくなること、計測したGDPギャップの多くは短観の業況DIとの相関が高くなること等が得られた。また、フィリップス曲線の計測からみると、90年代後半のGDPギャップは物価下落を加速する要因となっていない。

Key words :
93SNA、純資本ストック、過剰設備、トービンのq、TFP、調整費用、成長会計、生産関数、GDPギャップ、短観DI

JEL Classification :
O47、E23、D24