調査・研究

ホーム > 調査・研究 > ワーキングペーパー・日銀レビュー・日銀リサーチラボ > 日本銀行ワーキングペーパーシリーズ 2001年 > 物価変動の転換点予測について

物価変動の転換点予測について*1

2001年10月
粕谷宗久
真木和彦

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(概要)を掲載しています。全文は、こちら (cwp01j20.pdf 521KB) から入手できます。

概要

 金融政策の上でインフレ率の予測が多くの関心を集めているが、とりわけ物価変動の転換点は、政策発動のタイミングとの関係が深く重要と思われる。しかしながら、これまで、物価変動の転換点は、景気変動の転換点の予測で代用されてきたことが多く、物価変動に注目した転換点予測の研究は殆どない。ここでは、景気の転換点分析に用いられるいくつかのアプローチの応用による物価(CPI(除く生鮮食品))変動の転換点の識別とその予測を試みた。また、その際、景気転換点予測のためのスペシフィケーションを物価変動の転換点予測に用いた場合の予測のパフォーマンスとの比較も行った。実証結果によれば、各アプローチともある程度の限界を抱えているとはいえ、日本のCPI(除く生鮮食品)変化率は、いくつかの先行変数といくつかのアプローチの利用によってある程度予測できることが示された。また、物価変動転換点用モデルによる物価変動の転換点予測は、幾つかの局面で明らかに景気転換点用モデルによる物価変動の転換点予測より良好なパフォーマンスを示し、物価変動の転換点を景気転換点とは別個に予測する意義も認められた。

  1. *1本稿は、日本銀行調査統計局で開催されたインフレ予測誤差の分析に関するワークショップ(2000年9月開催)の議論を基に行われた分析を発展させたものである。本稿の作成の過程で、東京大学福田慎一氏、大阪大学本多佑三氏、ドイツ証券松岡幹裕氏、東京都立大学渡部敏明氏、日本銀行内の方々から有益な助言・コメントをいただいた。また大阪大学本多佑三氏、ドイツ証券松岡幹裕氏に関連論文の提供を受けた。有永恵美氏には、研究上の補助をしていただいた。記して感謝したい。また、本稿に示された意見、見解は、筆者個人のものであり、筆者の属する日本銀行あるいは日本銀行調査統計局のものではない。