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国債流通市場と発行市場のリンケージ強化

主要5ヶ国の制度比較と実証分析

2001年 7月27日
副島豊 *1
花尻哲郎 *2
嶋谷毅 *3

日本銀行から

日本銀行金融市場局ワーキングペーパーシリーズは、金融市場局スタッフ等による調査・研究成果をとりまとめたもので、金融市場参加者、学界、研究機関などの関連する方々から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融市場局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに対するお問合せは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kwp01j02.pdf 401KB) から入手できます。

  1. *1日本銀行 金融市場局 金融市場課 E-mail:yutaka.soejima@boj.or.jp
    (現 調査統計局 経済調査課)
  2. *2日本銀行 金融市場局 金融市場課 E-mail:tetsurou.hanajiri@boj.or.jp
  3. *3日本銀行 金融市場局 金融市場課 E-mail:takeshi.shimatani@boj.or.jp

(要旨)

 本稿は、国債の流通市場と発行市場のリンケージという視点から、近年におけるG5諸国での国債発行制度の変遷を概観するとともに、各種発行制度が発行効率性に及ぼす影響を定量的に検証することを試みる。近年、主要国の国債発行市場では、発行前取引市場(When-Issued市場)、リオープン制度、ダッチ方式による入札、全額公募入札制度、プライマリー・ディーラー制度などが導入されつつある。これらの制度は、いずれも流通市場と発行市場のリンケージを強化し、発行価格に関する不確実性を低下させることによって、発行効率性の向上を狙ったものとして理解することができる。本稿では、(1)発行価格と発行直後の流通価格とのギャップ、(2)発行直後の流動性という2つの指標から発行効率性を計測し、各種制度の市場機能面での解釈を踏まえた考察を行なっている。