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ウェーブレットによる経済分析*

2003年 3月
鎌田康一郎
稲田将一

日本銀行から

日本銀行調査統計局ワーキングペーパーシリーズは、調査統計局スタッフおよび外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではありません。

なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、論文の執筆者までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (cwp03j02.pdf 344KB) から入手できます。

要旨

 本稿は、近年、応用科学の分野で注目を浴びつつあるウェーブレット解析のエコノミスト向け入門書である。ここでは、ウェーブレット変換を一種の線形フィルタリングと解釈し、その基礎概念と活用法を解説する。加えて、消費者物価と家計消費に関する実証例を紹介する。消費者物価については、短期的なインフレ率の変動は輸入物価、中期的な変動は需給ギャップによって説明されるという具合に、変動周期によってインフレを規定する要因が異なることが分かった。また、家計消費については、所得の増加が持続する期間が長いほど、消費の所得弾力性が上昇するという恒常所得仮説を強く支持する結果が得られた。

  • 本稿の作成過程で、日本銀行調査統計局の多くのスタッフから有益なコメントを頂戴した。この場を借りて、深く感謝の意を表したい。もちろん、あり得べき誤りは筆者に属する。なお、本論文の内容や意見は筆者個人に属するものであり、日本銀行および調査統計局の公式見解を示すものではない。