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直接投資における間接出資先の取扱いについて *1

2004年 9月
和田麻衣子*2

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

以下には[要旨]を掲載しています。全文は、こちら(wp04j13.pdf 67KB) から入手できます。

  1. *1 本稿の作成にあたっては、日本銀行国際局および調査統計局の関係者から、大変有益な助言を得た。この場を借りて感謝の意を表したい。ただし、本稿で述べられている見解は筆者個人に帰するものであり、日本銀行あるいは日本銀行国際局または調査統計局の公式見解を示すものではない。
  2. *2日本銀行 国際局国際収支統計担当 (E-mail: maiko.wada@boj.or.jp)

(要旨)

  • IMF国際収支マニュアル第5版(Balance of Payments Manual, fifth edition:以下、BPM5)の定義では、国際収支統計(Balance of Payments:以下、BOP)および国際投資ポジション(International Investment Position:同、IIP)における直接投資には、直接出資先のみならず、一定のルールに基いて間接出資先をも含む扱い(包括的直接投資ネットワーク<Fully Consolidated System:以下、FCS>と呼称)となっている。
  • もっとも、FCSベースで正確にデータを収集することは実務的に困難であり、わが国を初めとして、大半の国・地域がFCSを採用していない。このため、間接出資先をどこまで計上対象とするかについては国毎に区々となっており、その結果として、(1)統計の国際比較が難しい、(2)間接出資先を十分にカバーしていない場合には、統計デ−タが、企業の直接投資行動の実態を適切に反映していない、という重要な問題が生じている。
  • 現在、IMFを中心に、関係国際機関や各国統計作成当局の間で、BPM5の改訂作業が行われている。当該改訂作業における論点は多岐に亘るが、直接投資におけるFCSの取扱いの見直しも重要な論点となっており、現行のFCSを見直し、直接投資企業チェーンを、企業活動の実態を反映するという統計の目的を損なわない範囲で簡素化する方向で議論されている。
  • また、わが国同様、FCSを採用していない大陸欧州主要国においても、統計作成に係るデータ収集制度の見直しや見直しに向けた検討を行っており、先行き、当該諸国の直接投資統計で把握できる直接投資企業の範囲が拡大するものと思われる。
  • こうした実情を踏まえると、わが国においても、できるだけ早期に間接出資先を直接投資企業に含めた計上方法の導入を検討することが適切である 。このため、報告負担には十分に配慮しつつ、間接出資先のデータを入手し、得られたデータを直接投資統計に反映することの実行可能性、その具体的方法について検討を進めて行くべきである。