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価格弾力性の異質性を考慮したフィリップス曲線の推計

2006年7月
代田 豊一郎*1

概要

 本稿は、経済主体間の需要価格弾力性に異質性を導入してニューケインジアン型のフィリップス曲線(NKPC)を導出し、わが国のデータを用いて実証分析を行った。分析結果によれば、(1)異質性を考慮したモデルは説明力が高く、標準的なNKPCは棄却される、(2)景気循環を通じた需要コンポーネントの変化に応じて、経済全体の価格の需要弾力性が変化し、望ましいマークアップ率がカウンターシクリカルに変動することが分かった。

キーワード:
ニューケインジアン型フィリップス曲線、異質性、需要の価格弾力性、マークアップ率

JEL Classification:
E31, E32

本稿の作成にあたっては、阿部修人助教授(一橋大学)、中嶋智之助教授(京都大学)、鎌田康一郎氏(日本銀行企画局)、調査統計局セミナー参加者、および日本銀行スタッフから多くの有益な示唆を得た。記して感謝したい。なお、論文の内容、意見、およびありうべき誤りは、筆者個人に属し、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局経済分析担当 E-mail: toyoichirou.shirota@boj.or.jp

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