中国の産業構造と近年の変化:
1997-2005年の産業連関表を用いた分析
2009年6月
上山 聡子*
佐々木 仁**
全文ダウンロード(PDF) 全文は英語のみの公表です。
要旨
本稿では、1997年から2005年の産業連関表を用いて、中国の産業構造の特徴と近年の変化について分析を行った。生産誘発分析によると、素材・機械部門では、近年輸入比率が上昇するとともに国内への生産誘発度が低下しており、中国経済は、中間財を輸入して最終財を輸出する「世界の工場」としての役割を一層明確化していることが確認された。また、高成長に伴う資源・エネルギー需要の拡大を背景に、中国国内で資源確保の動きも活発化していることも明らかとなった。次に、中国経済の外需依存度を算出したところ、それは2002年以降急速な高まりをみせており、背景には、2001年のWTO加盟を契機に、モノやサービスを含めた幅広い分野の自由化を進めたことが指摘可能である。最後に、労働投入誘発分析によると、農業部門の労働投入誘発度が圧倒的に高いほか、労働集約型産業とそれ以外で労働投入誘発度に大きなばらつきがみられることがわかった。また、近年は、多くの産業の労働投入誘発度は低下しており、背景には、農村から都市部への労働力人口の移動や工業部門を中心とする資本装備率の高まりに伴う労働生産性の改善が指摘できる。
| * | 日本銀行国際局 E-mail: satoko.ueyama@boj.or.jp |
| ** | 日本銀行国際局 E-mail: hitoshi.sasaki@boj.or.jp |
日本銀行から
日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局までご相談下さい。転載・複製を行う場合は、出所を明記して下さい。
