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経営管理とR&D活動

—日韓インタビュー調査を元にした実証分析—

2014年3月13日
宮川努*1
枝村一磨*2
Kim YoungGak*3
Jung Hosung*4

要旨

本稿は、2008年、2011−12年に日韓両国で実施された経営管理に関するインタビュー調査をもとに、両国の組織管理、人的資源管理などを比較するとともに、こうした経営管理が、研究開発行動にどのような関係にあるのかを考察した。インタビュー調査の結果から得られた経営スコアを見ると、日本の経営スコアは、全体的に韓国の経営スコアを上回っているものの、韓国の2回目のスコアが1回目のスコアを上回ったため、第2回調査における日韓のスコア差は縮小している。このインタビュー調査を使って、経営スコアと研究開発行動の関係を実証的に検証すると、日韓ともにおおむね経営スコアの高い企業では、研究開発が行われていることが確認できた。特に組織管理に関しては、経営スコアと研究開発支出の間に有意な関係が見られた。個別の質問項目と研究開発行動との関係を見ると、日本では組織目標の達成度の検証、権限移譲、IT化などが研究開発活動と関わりがあるのに対し、韓国では人材確保や人材育成が研究開発活動と関係があることがわかる。

本稿は、2013年11月28日に開かれた、東京大学金融教育研究センター・日本銀行調査統計局第5回共催コンファレンス「グローバル化と日本経済の対応力」で報告された論文を改訂したものである。改訂にあたっては、討論者の伊藤恵子専修大学教授、座長の深尾京司一橋大学経済研究所教授他、コンファレンス参加者からの貴重なコメントに感謝したい。また分析に重要な役割を果たしたインタビュー調査の実施にあたっては、経済産業研究所上席研究員・大阪大学の尾崎雅彦氏、日本経済研究センター主任研究員の可部繁三郎氏の献身的な協力を得たことにも感謝したい。さらに、Tobit推計に関する疑似決定係数の計算方法については、赤司健太郎学習院大学准教授から貴重な助言をいただいた。なお本論文の見解は、研究者個人のものであり、筆者達が所属する組織の見解を反映したものではない。論文中の誤りもすべて筆者達の責任である。

  1. *1学習院大学 E-mail : tsutomu.miyagawa@gakushuin.ac.jp
  2. *2科学技術政策研究所 E-mail : edakazu@gmail.com
  3. *3専修大学 E-mail : younggakkim@gmail.com
  4. *4三星経済研究所 E-mail : hosungj.jung@samsung.com

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