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物価変動とその中での経済主体の行動変化

2015年12月4日
宇野洋輔*1
西岡慎一*2
原尚子*3

要旨

本稿は、コンファレンス「物価変動とその中での経済主体の行動変化」(東京大学金融教育研究センターと日本銀行調査統計局の共催コンファレンス第6回)の導入論文である。本コンファレンスでは、長期にわたるデフレが終息し、基調としてマイルドなインフレへと転換しつつあるわが国物価の現状を踏まえて、まず、物価変動の背景やそれに関する論点について整理する。特に、経済主体の予想形成と企業の価格設定行動が物価変動とどのような関わりを持つかについて論点を整理する。次に、物価の変動に伴い企業や家計がどのように経済行動を変え得るかについて論点整理を行う。具体的には、まず、賃金面に焦点を当て、今後の実質賃金の動向を考えていく上で重要となり得るポイントを挙げる。また、インフレ局面への転換が、これまでの現預金を中心とした家計の慎重な投資行動をどの程度変え得るのかについても論点として提示する。

本稿は、東京大学金融教育研究センターと日本銀行調査統計局の共催コンファレンス第6回「物価変動とその中での経済主体の行動変化」(2015年11月26日開催)の導入セッションにて報告された。
本稿の作成にあたっては、佐藤礼奈、永沼早央梨、平木一浩の各氏から計表作成で助力いただいた。また、青木浩介氏(東京大学)と日本銀行のスタッフから有益なコメントをいただいた。残された誤りは全て筆者に帰する。なお、本稿中の意見・解釈にあたる部分は筆者達によるものであり、本稿で示されている見解は、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : yousuke.uno@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : shinichi.nishioka@boj.or.jp
  3. *3日本銀行調査統計局 E-mail : naoko.hara@boj.or.jp

日本銀行から

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