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価格設定の協調とゼロ金利制約:グローバルゲームを用いた分析

2016年8月8日
片桐満*

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本稿では、2期間一般均衡モデルを構築し、独占的競争下での価格競争を協調ゲームとして描写する。本稿のモデルには、インフレ率の水準が異なる複数の均衡(正もしくはゼロ)が存在するが、グローバルゲームに基づく均衡選択を用いると、自然利子率が高い経済、すなわち生産性の期待成長率が高い経済では、インフレ率がプラスとなる均衡が選択され易いことが示される。政策分析からは、生産性の期待成長率が低下したとしても、目標インフレ率の引き上げや名目金利の下限引き下げ等、金融政策対応によって、インフレ率がゼロとなる均衡の実現を防止できる可能性が示唆された。

  • 日本銀行調査統計局(現・国際通貨基金) E-mail : mkatagiri@imf.org

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