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企業の受注情報の貸出業務への活用可能性の検討—受注情報を用いた企業評価というFinTech的試みと事例研究—

2016年9月29日
山中卓*

要旨

金融機関が取引先企業の事業の実態を把握する際に有用であると考えられているにもかかわらず、これまで必ずしも十分に活用されてこなかった情報として受注情報がある。受注情報の活用が進んでこなかった一因として、その具体的な活用方法と活用の効果が必ずしも明確になっていないことが挙げられる。そのような背景の下、本稿では受注情報の金融における活用可能性、特に貸出業務における受注情報の具体的な活用方法について検討を行う。1つ目の活用方法として、POファイナンスを取り上げる。POファイナンスは受注情報を裏付けとした貸出手法であり、商流ファイナンスの一手法として知られている。POファイナンスによって、優良な取引先をもつ企業は自社単独の評価よりも高い評価の下で貸出を受けられる。2つ目の活用方法として、貸出先の信用リスク評価・モニタリングを取り上げる。受注は企業のキャッシュフローの源泉であり、逐次更新される受注情報に基づいて企業評価を行うことで、経営状況をタイムリーに反映した貸出先モニタリングが可能になる。財務情報による信用評価と受注情報による高頻度の信用モニタリングを組み合わせることで、低コストかつタイムリーに貸出先企業の経営状況を把握することができ、さらに貸出先企業に対して即時性の高い経営支援を行うことも可能になると考えられる。

キーワード:
受注情報、商流ファイナンス、信用リスク評価、金融EDI、FinTech

  • 日本銀行金融機構局金融高度化センター E-mail : suguru.yamanaka@boj.or.jp

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