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株式の政策保有が銀行の資本調達コストに及ぼす影響

2016年12月26日
池田慧*1

要旨

本稿では、本邦国際統一基準行の2006年から2015年までのパネルデータを用いて、銀行による株式の政策保有が自らの株主資本コストに与える影響について、CAPM理論に従って分析を行った。分析の結果、株式の政策保有は、株主資本コストを押し上げている可能性が確認された。これは、株式の政策保有は、銀行の株価リターンのボラティリティ上昇や、銀行の株価リターンと市場ポートフォリオのリターンとの相関を高めることで、CAPMのβに上昇圧力を生じさせるためと考えられる。本邦銀行の株主資本コストは、米国銀行に比べて高いことが指摘されているが、本分析の推計式を用いて試算すると、政策株式の保有比率を米国銀行並みに削減する場合には、株主資本コストの日米間格差が相応に縮小するとの結果が得られた。

本稿の作成過程では、一上響、小野有人(中央大学)、北村冨行、木村武、小牧義弘、長野哲平、福田善之、三尾仁志の各氏から有益なコメントを頂いた。記して感謝の意を表したい。ただし、あり得べき誤りは筆者に属する。また本稿に示される内容や意見は、筆者個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行金融機構局 E-mail : kei.ikeda@boj.or.jp

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