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日本における財政赤字削減ルールの動学分析

2018年3月12日
二神孝一*1
小西邦彦*2

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本稿は公共資本と内生的な労働供給を考慮した内生成長モデルを構築し、日本経済における財政再建政策の厚生分析を行った。本稿では政府債務GDP比率と財政赤字GDP比率を新たな目標に引き下げていくという2種類の財政再建政策を考え、以下の結果を得た。政府消費と公共投資への支出を削減することによって政府債務と財政赤字を引き下げていくルールはどちらも家計の厚生を改善させる。財政再建のスピードを速めれば厚生はより大きく改善する。さらに、政府債務GDP比率もしくは財政赤字GDP比率の目標水準を低下させることによって更なる厚生改善が見込める。本稿では政府消費と公共投資への支出削減による財政再建だけでなく、税率の上昇と政府から家計への所得移転の低下を伴う財政再建政策の厚生分析に関する議論も行った。

JEL分類番号
E62; H54; H60

  1. *1大阪大学経済学研究科 E-mail: futagami@econ.osaka-u.ac.jp
  2. *2京都大学経済研究所 E-mail: k.konishi.econ@gmail.com

日本銀行から

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