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価格比較サイトのビッグデータと機械学習手法を用いた物価指数の試算:品質調整方法の比較分析と妥当性の検証

2018年7月4日
安部展弘1
篠崎公昭2

要旨

本稿では、価格比較サイト「価格.com」が格納している電気機器・情報通信機器のビッグデータに対し、機械学習手法を用いて販売終了製品とその後継製品を高い精度でペアリングする手法を適用することで、主要20品目の品質調整済み物価指数を試験的に作成した。その際、適用する品質調整方法の違いが指数に及ぼす影響を比較分析することで、その妥当性を検証した。分析の結果、日本銀行が近年提案した品質調整方法の一つである「オンライン価格調整法」を適用した物価指数は、精度の高い「ヘドニック法」を適用した指数とも概ね一致するうえ、作成コストが低く、費用対効果に優れていることが示された。また、ビッグデータを用いて物価指数を作成する際によく利用される「マッチド・モデル法」を適用した指数は、家電製品のモデルチェンジに伴って実施されることの多い製品の実質値上げ(値戻し)の影響を適切に捕捉できず、指数に顕著な下方バイアスをもたらすことが判明した。こうした結果を踏まえると、物価指数の作成にあたり、適切な品質調整手法を選択することの重要性が改めて示唆される。

キーワード
物価指数、品質調整手法、ヘドニック・アプローチ、サポートベクターマシン

JEL分類番号
C43、C45、E31

本稿のドラフトは、2018年5月にスイス・ジュネーブで開催されたUNECE-ILO共催「CPI専門家グループ会合」(Meeting of the Group of Experts on Consumer Price Indices)において報告された。本稿の作成過程では、同会合の出席者のほか、大久保友博氏(日本銀行短期リサーチスタッフ<当時>)および日本銀行の多くのスタッフから貴重なコメントを頂戴した。記して感謝したい。ただし、あり得べき誤りはすべて筆者らに帰する。なお、本稿中の意見・解釈にあたる部分は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行および調査統計局の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : nobuhiro.abe@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : kimiaki.shinozaki@boj.or.jp

日本銀行から

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