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中国の企業部門における生産性と経済成長 ―上場企業データを用いた検証―

2018年9月21日
飯田智之*1
庄子可那子*2
米山俊一*3

要旨

本稿では、経済成長の持続性を検討することを念頭に、中国の企業部門のTFP(Total Factor Productivity)に焦点を当てた分析を行う。これまでの中国の経済成長は、ハイペースなTFP成長と資本蓄積に牽引されていた。もっとも、一般的に経済成長の持続可能性は資本蓄積ではなくTFP成長の動向に依存すると考えられている。そのため、本稿では中国のTFP成長について、上場企業データを用いた分析によって、その先行きを展望することを試みた。分析の結果、中国経済のTFP成長を促進する重要な経路として、(1)TFP水準の低い国有企業の相対的な規模の縮小、(2)国際的にも高い競争力をもつ新興企業の創業の持続、(3)TFP水準の低い企業によるフロンティア企業へのキャッチアップ、(4)R&D活動によるイノベーション効果の4つが認められた。これらのチャネルは、当面、継続的に中国経済の成長を下支えする方向に作用するものと考えられる。

キーワード
中国、TFP、キャッチアップ、R&D

本稿の執筆に当たっては、一上響、大谷聡、加藤涼、須合智広、中田勝紀、中村康治、福本智之、吉羽要直の各氏および日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂戴した。記して感謝したい。ただし、本稿に示される内容や意見は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。また、ありうべき誤りは全て筆者らに帰する。

  1. *1日本銀行国際局 E-mail : tomoyuki.iida@boj.or.jp
  2. *2日本銀行国際局 E-mail : kanako.shouji@boj.or.jp
  3. *3日本銀行国際局 E-mail : shunichi.yoneyama@boj.or.jp

日本銀行から

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