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企業の戦略的補完性と非対称な価格設定行動

2019年3月29日
古賀麻衣子*1
吉野功一*2
坂田智哉*3

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

本分析では、日本企業の大規模なサーベイデータ(短観)にもとづき、企業の価格設定行動において戦略的補完性が存在することを示した。具体的には、企業の価格設定は、競合他社の価格動向に影響を受けることがわかった。また、その影響は、企業が価格を下げる時に大きくはたらき、いわゆる屈折需要曲線の理論的な予見と一致していることが確認された。このほか、企業に価格支配力があると、他社価格の影響を相対的に受けづらいことや、企業が不確実性に直面していると、需要動向が価格調整に与える影響が弱まるとの事実も明らかになった。

JEL分類番号
D22, D84, E31, E32

キーワード
価格設定行動、企業サーベイデータ、需要の不確実性、戦略的補完性

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : maiko.koga@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : kouichi.yoshino@boj.or.jp
  3. *3日本銀行調査統計局 E-mail : tomoya.sakata@boj.or.jp

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