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「マネタリーサーベイ」の解説

English

2019年10月
日本銀行調査統計局

概要

日本銀行では、マネーストック統計の関連統計として「マネタリーサーベイ」を作成している。

マネーストック統計は、非金融法人、個人等が保有している現金や預金などの「通貨」を集計したものである。これは、非金融法人や個人等にとっての資産であると同時に、金融機関にとっての負債の一部である。このため、それら金融機関のバランスシートで見ると、マネーストックの変動は、必然的に、貸出や証券投資などの資産、あるいは現金、預金以外の負債の変動を伴うこととなる。

マネタリーサーベイは、上記のような関係に着目して、マネーストック統計のうちのM3の変動を、金融機関等の資産・負債の変化と関連付けて捉えることを目的として作成されている統計である。具体的には、マネタリーサーベイは、現金通貨を発行する中央銀行と、預金通貨、準通貨、CDを発行する預金取扱機関の諸勘定を、統合・調整したバランスシート(月末残高)である。本統計では、M3が負債として表示される一方で、IMFが採用している国際基準に基づき、対外資産あるいは国内信用(政府向け、その他金融機関向け、地方公共団体向け、その他部門向けの内訳が存在)といった区分で資産が表示されている。したがって、負債であるM3の変動をこれらの資産の変動に関連付けて把握することが可能となる。

本統計で想定されている金融機関のバランスシートの項目は、基本的には、資金循環統計の計数を基に作成しており、対象となる部門も資金循環統計と一致させている。ただし、マネタリーサーベイ統計作成の目的に沿う形で資金循環統計からさらに組み替えや控除等による推計を行っているほか、資金循環統計は四半期計数であるため、他の基礎資料も用いて月次計数を推計している。そこで、本稿では項目の定義、計数の作成方法などを中心に解説する。

なお、本稿は、2008年6月のマネー統計見直し後の新ベースの統計について解説している。

照会先

調査統計局経済統計課金融統計グループ

E-mail : post.rsd5@boj.or.jp