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企業物価指数(2005年基準)の概要

2009年12月
日本銀行調査統計局

作成部署、作成周期、公表時期等

作成部署:調査統計局物価統計担当

作成周期:月次

公表時期:速報値…原則として、翌月の第8営業日。ただし、定期遡及訂正月(4、10月)は第9営業日(注)
確報値…翌月分の速報公表日。

  • 計数の遡及訂正を年2回(4、10月:3、9月速報公表時)、定期的に実施(対象は原則として、過去1年半分)。

公表方法 :インターネット・ホームページ、日本銀行本店情報ルーム(月〜金、8:50〜17:00)

刊行物等 :「物価指数季報」「金融経済統計月報」「日本銀行統計」

データ始期:統計作成開始時期…1887年1月
2005年基準接続指数のデータ始期…1960年1月(類別以上ないし、それに準ずる上位の系列)
戦前基準指数(基準時1934〜36年=1)のデータ始期…1900年10月

1. 調査対象

  • 企業間で取引される財の価格
  • 調査先数(2007年7月時点)
    国内企業物価指数:1,866先(参考指数「新聞・雑誌・書籍」の調査先を含むベース)、輸出物価指数:561先、輸入物価指数:646先
  • 調査価格数(2007年7月時点)
    国内企業物価指数:5,505(参考指数「新聞・雑誌・書籍」の調査価格を含むベース)、輸出物価指数:1,155、輸入物価指数:1,551

2. 統計内容

(1)概要、目的・機能

企業物価指数は、企業間で取引される財に関する物価の変動を、測定するものである。その主な目的は、企業間で取引される財に関する価格の集約を通じて、財の需給動向を把握し、景気動向ひいては金融政策を判断するための材料を提供することにある。また、生産額などの金額計数から価格要因を除去して数量の変動を抽出する(実質化する)際のデフレーターとしての機能のほか、企業間での個々の商取引における値決めの参考指標としての機能も有している。

(2)指数体系、分類編成、ウエイト

基本分類指数は、「日本標準産業分類」等を参考にしつつ、一部、財の属性に応じ、採用品目を独自に分類したもので、国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成される。このほかに、統計の連続性やユーザーの利便性、分析ニーズ等を考慮して、基本分類指数を組み替えたり、加工作成した参考指数がある。指数作成には、固定基準ラスパイレス指数算式を採用している(参考指数「連鎖方式による国内企業物価指数」を除く)。なお、2005年基準より、基本分類指数の国内企業物価指数、参考指数の需要段階別・用途別指数、連鎖方式による国内企業物価指数、消費税を除く国内企業物価指数については、夏季電力料金調整後の指数についても、参考値として作成・公表している。

基本分類指数

国内企業物価指数

国内市場向けの国内生産品を対象とし、主として生産者出荷段階、一部を卸売出荷段階で調査している。ウエイト算定に際しては、原則として、基準年(2005年)における経済産業省「工業統計表」(品目編)の製造品出荷額から、財務省「貿易統計」の輸出額を差し引いた国内向け出荷額を用い、上記に依れない場合(非工業製品など)は、他の官庁・業界統計などを適宜、使用している。2005年基準は、5大類別と22類別で構成。指数は、消費税を含むベースで作成している。

輸出・輸入物価指数

輸出物価指数は輸出品が本邦から積み出される段階の価格を、輸入物価指数は輸入品が本邦へ入着する段階の価格を調査しており、円ベース、契約通貨ベースの双方の指数を作成。ウエイト算定に際しては、基準年(2005年)における財務省「貿易統計」の輸出・輸入額を使用している。2005年基準は、輸出物価指数8類別、輸入物価指数11類別で構成。

参考指数

需要段階別・用途別指数

基本分類指数を商品の需要段階や用途に着目した分類に組み替えて集計したもの。価格波及プロセスの把握など、物価動向の多面的な分析に利用される。消費税を含まないベースで作成している。

連鎖方式による国内企業物価指数

国内企業物価指数を対象に、連鎖基準ラスパイレス指数算式で計算したもの。ウエイトを毎年更新し、1年ごと(毎年12月)に指数水準を100にリセットした指数を、基準年以降、掛け合わせて作成している。指数は、消費税を含むベースで作成している。

消費税を除く国内企業物価指数

国内企業物価指数について、税率変更の影響を排除してみられるよう、消費税を除いたベースで作成したもの。

戦前基準指数

長期の時系列データを用い分析するユーザー・ニーズを考慮し、戦前基準指数の分類編成に組み替えた指数を接続したもの。

新聞・雑誌・書籍(2009年9月指数より作成中止)

2000年基準の国内企業物価指数における類別「その他工業製品」−商品群「新聞・雑誌・書籍」に属していた6品目(「日刊新聞」、「非日刊新聞」、「週刊誌」、「月刊誌」、「一般書籍」、「教科書」)が、「日本標準産業分類」で財ではなくサービスとして定義されたことに伴い、2005年基準企業向けサービス価格指数へ移行するまでの期間、継続作成していたもの。消費税を含むベース、消費税を含まないベースの双方の指数を作成。

(3)指数の基準時およびウエイト算定年次

指数の基準時およびウエイト算定年次は2005年。

(4)採用品目

品目の採用基準

国内企業物価指数・・・基準年(2005年)における「ウエイト対象総取引額」(国内で生産した国内需要家向けの財の出荷総額)の1万分の1(232億円)以上の取引シェアを有していること。
輸出・輸入物価指数・・・基準年(2005年)における「ウエイト対象総取引額」(財の輸出総額・輸入総額)の1万分の5(輸出:300億円、輸入:266億円)以上の取引シェアを有していること。

採用品目数

国内企業物価指数で857品目、輸出物価指数で213品目、輸入物価指数で268品目を採用。

(5)調査価格

調査価格とは、同一条件の下で継続的に商品の価格を調査するために設定する、企業物価指数の調査単位。調査価格の設定に際しては、(a)当該品目の需給を敏感に反映する代表的な価格であること、(b)品質、取引条件を固定した上で、純粋な価格の変化のみを捉えること、の2点を特に重視している。

調査先の価格情報を秘匿する観点から、品目指数の算出に当たっては、原則、複数調査先による3調査価格以上を使用している。

調査段階

国内企業物価指数では、商品の流通段階のうち、各商品の需給関係が最も集約的に反映される段階の価格を調査している。価格調査段階の選定基準は、次のとおり。

  1. (a)生産者の価格決定への影響力が強い、または、生産者から小売店ないし最終需要者への直売形態が一般的である場合は、生産者出荷段階の価格を採用。
  2. (b)卸売が自ら在庫を持ち、積極的に需給調整機能を果たしている場合は、卸売出荷段階の価格を採用。
  3. (c)生産者出荷段階、卸売出荷段階のどちらでも需給を反映する価格が調査可能な場合は、生産者出荷段階の価格を優先し、採用。

国内企業物価指数全体における生産者出荷段階の比率はウエイトベースで8割を超えている(2007年7月時点)。
 輸出物価指数では輸出品が本邦から積み出される段階(原則としてFOB建て)、輸入物価指数では輸入品が本邦へ入着する段階(原則としてCIF建て)の価格を調査。

調査時点

原則として、契約成立時。

価格調査方法

原則として、毎月の代表的な価格を翌月初に書面で調査。円ベース指数の作成に当たり、契約通貨が外貨建ての調査価格は、調査時点における銀行の対顧客電信直物相場(月中平均、仲値)を用い、円価格に換算のうえ、指数化。

欠測価格の取扱い

統計公表までに報告がない場合や、成約がない場合等の「欠測価格」は、原則として、前月から不変(横這い)として扱う。契約通貨が外貨建ての調査価格では、円価格の換算に当たり、欠測価格にも当月の為替相場を反映させる。

平均価格の採用

個別性が極めて強い商品(多品種少量生産の商品や、オーダーメイド型の商品)および、価格設定が多様化している商品(個別交渉による値引きが多様化している商品や、特売頻度や特売価格の変更により価格調整している商品)を対象に、品質一定の条件を損なわない範囲で「平均価格」を採用している。平均価格を採用するに当たっては、平均価格の必要性や得失、調査先からのヒヤリング情報などを参考に、調査価格ごとに慎重に適否を判断している。

仮価格の利用

契約期間が四半期や半期など複数月にわたり、かつ当該期間中の取引価格が契約期間に入った後(ないしは契約期間終了後)に決定される「価格後決め商品」については、ある程度の精度を持つ「仮価格(価格が正式に決定するまでの間、実際の取引に使用される暫定的な決済価格)」が入手できる場合は、取引価格が決定するまでの間、これを利用して指数を作成し、定期的な遡及訂正時に決着価格ベースの指数に置き換えている。

外部データの採用

農林水産物や非鉄金属などの一部品目では、精度が高く、継続的に利用可能な他機関統計や外部のデータベースを調査価格として採用1

  1. 輸出物価指数「銅地金」、輸入物価指数「銅地金」、「ニッケル地金」、「すず地金」、「アルミニウム地金」は、次のような留意事項の下で、日本銀行がLMEより許諾を得て、そのデータを用いている:The LME has no involvement with and accepts no responsibility for the product or any part of the CGPI, its suitability as an investment or its future performance.

調査価格の変更および品質調整方法

調査価格について、当該商品の代表性喪失、取引条件の変更、調査先の変更などが生じた場合、速やかに調査価格の変更を行う。この際、新旧調査価格における品質の変化に相当する価格差を除いた純粋な価格変動分のみを指数に反映し、新旧の調査価格指数を接続する。品質調整方法としては、直接比較法、単価比較法、コスト評価法、オーバーラップ法、ヘドニック法の5つを、現在、用いている。ヘドニック法は、商品の特性と価格の関係を計測した回帰式を用いて新旧商品の品質の変化率を求め、実際の表面価格変化との乖離分を値上げ(ないし値下げ)とみなす計量分析的な品質調整方法。商品サイクルが短く、技術進歩に伴う品質の向上が著しいIT関連商品のうち6商品(サーバ、パーソナルコンピュータ、印刷装置、デジタルカメラ、ビデオカメラ、複写機)に適用している(2009年12月時点)。

品質調整方法
表 品質調整方法
名称 内容
直接比較法 新旧調査価格の品質が本質的に同一で、両者の品質差を無視し得るものと判断し処理する方法。
単価比較法 新旧商品は数量や容量こそ異なるが、新旧調査価格の品質は本質的に同一とみなされる場合において、新旧商品の単価比を価格比とみなし、価格指数を接続する方法。
オーバーラップ法 同一条件の下で、一定期間、並行販売された2つの商品の価格比が安定している場合、同一時点における新旧調査価格の価格差を品質差とみなし、価格指数を接続する方法。
コスト評価法 調査先企業からヒヤリングした新旧調査価格の品質変化に要したコストを、両調査価格の品質差に対応する価格差とみなし、新旧調査価格の価格差の残り部分を「純粋な価格変動」(=物価の変動)として処理する方法。
ヘドニック法2 商品間の価格差の一部は、これら商品の有する共通の諸特性によって測られる品質差に起因していると考え、商品の諸特性の変化から「品質変化に見合う価格変動」部分を回帰方程式により定量的に推定し、残り部分を「純粋な価格変動」として処理する方法。
  1. 2他の品質調整方法の適用が困難である、ないしは十分な品質調整が行えない場合において、特性を定量的に示すデータが継続的に入手可能であることを前提に、適用を検討している。ヘドニック推計式は、技術革新が速く商品サイクルが短いことに鑑み、少なくとも年に一回の頻度で再推計を行っている。

(6)指数算式

(イ)固定基準ラスパイレス指数算式

各時点ごとに各種商品の価格をまず指数化し、その価格指数を基準時に固定した金額ウエイトにより加重算術平均する「固定基準ラスパイレス指数算式」を用いている(参考指数「連鎖方式による国内企業物価指数」を除く)。

品目指数の算出

調査価格ごとに、当月の報告価格(「比較時価格」)をそれぞれの「基準時価格」(基準年平均=100.0 に相当する価格)で除して個別の調査価格指数を算出する。この調査価格指数に各々の調査価格ウエイトを乗じ(調査価格の加重指数)、当該品目に属する全調査価格の加重指数の合計(品目加重指数)を当該品目のウエイトで除することにより、品目指数を算出している。

上位段階の指数の算出

総平均、大類別、小類別、商品群といった上位段階についても、品目指数と同様の集計方法により、当該分類に属する全調査価格の加重指数の合計を当該分類のウエイトで除することにより、指数を算出している。

(ロ)連鎖基準ラスパイレス指数算式

参考指数「連鎖方式による国内企業物価指数」では、品目より上位段階の指数計算に「連鎖基準ラスパイレス指数(連鎖基準算術平均)算式」を用いている。

品目指数の算出

個別の調査価格指数(比較時価格/基準時価格)を各々の調査価格のウエイトを用いて加重幾何平均することにより、品目指数を算出している。

上位段階の指数の算出

下式により、上位段階の指数の前年12月を基準とした変化率を算出。この変化率を、連鎖基準ラスパイレス指数算式に従い、各分類の基準年12月の指数に、毎年、掛け合わせていくことにより、指数を算出。

(7)指数の公表

原則として、速報値を翌月の第8営業日に公表(ただし、後述の定期遡及訂正月は第9営業日に公表)。翌々月の公表日に確報値を公表。

指数を非公表とする品目

複数調査先から3調査価格以上を調査できなかった品目については、価格情報を秘匿するため、指数公表に調査先からの同意が得られた場合を除いて、同一商品群に属する別の1品目と共に非公表とし、これを“x”と表示している。

指数の訂正

計数の遡及訂正(定期遡及訂正)を年2回(4、10月:3、9月速報公表時)、実施(対象は原則として、過去1年半分)。なお、指数公表後に、総平均指数に影響が及ぶなどの大きな変動が生じた場合には、定期遡及訂正とは別に、判明した直後の公表月に訂正を実施。

(8)接続指数

2005年基準接続指数

基本分類指数、参考指数の類別以上、ないしはそれに準ずる上位の指数系列について作成。各系列の統計始期については、2005年基準企業物価指数(CGPI)の解説の別紙2、3を参照。

戦前基準指数

基本分類指数および需要段階別・用途別指数について、1960年基準の分類編成(基本分類、用途別分類)に組み替え、1934〜1936年=1として作成。各系列の統計始期については、2005年基準企業物価指数(CGPI)の解説の別紙3参照。

3. 2005年基準に関する資料