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企業物価指数(2005年基準)のFAQ

2008年3月

目次

利用上の注意事項

FAQの構成

物価指数のFAQの構成は、以下の通りとなっています。このページには、「2. 企業物価指数のFAQ」の質問一覧および回答一覧を掲載しています。

  1. 物価指数全般のFAQ
  2. 企業物価指数のFAQ
  3. 企業向けサービス価格指数のFAQ
  4. 製造業部門別投入・産出物価指数のFAQ

なお、物価指数全般のFAQのページでは、全てのFAQの質問一覧をご覧いただけます。

企業物価指数(2005年基準)に関するその他の解説

企業物価指数(2005年基準)に関しては、FAQのほかに、以下の解説があります。

質問一覧(企業物価指数(2005年基準))

こちらには、「企業物価指数(2005年基準)のFAQ」の質問を掲載しています。質問をクリックすると、質問に対する回答が表示されます。

企業物価指数の概要に関するもの、他の統計との関連性についてのもの

企業物価指数の作成方法に関するもの

基準改定、新旧指数の相違に関するもの

回答一覧(企業物価指数(2005年基準))

2-1. 企業物価指数とは、どのような物価指数ですか。

企業物価指数(CGPI:Corporate Goods Price Index)は、企業間で取引される財に関する物価の変動を測定するものです。したがって、生産者から家計に直接販売される商品を除いた財全般を、対象範囲としています(ただし、土地・建物など取引額が推計できない商品や、中古品などは対象から除いています)。これらの対象商品について、生産者出荷段階を中心に、企業間で取引される価格を調査しています。

企業物価指数は、日本銀行が1887年1月基準以降、継続的に作成している物価指数です(1897年に東京卸売物価指数という名称で公表を開始)。当時、日本銀行が自ら物価指数を作成することとした主たる目的は、日清戦争を契機とした物価の高騰が大きな社会問題となる中で、主要な財の需給動向を敏感に反映する取引価格を卸商から収集し、これを集約した物価指数を作成することを通じて、通貨価値を測定することにありました。その後、景気分析の材料やデフレーターとしてのニーズなどに応えつつ、統計精度の向上を図りながら、継続的に作成してきています。この間、1952年基準改定時に東京卸売物価指数から卸売物価指数へ、2000年基準改定時に卸売物価指数から企業物価指数へと統計名称を変更しています。

2-2. 企業物価指数は、どのように利用されていますか。

企業物価指数は、(a)景気動向を測る上での経済指標、(b)デフレーター、(c)企業間の値決めの際の参考指標などとして、主に、以下のように利用されていると考えられます。

(a)景気動向を測る上での経済指標

国内企業物価指数の総平均指数は、国内で生産した国内需要家向けの商品(財)について、企業間取引の価格動向を集約しています。個々の品目は、極力、商品の需給動向を敏感に反映するよう設計しているほか、速報値計数を翌月上旬に発表しているなど速報性も高いことから、景気動向ひいては金融政策を判断する上での経済指標の一つとして重視されています。
また、輸出物価指数は、例えば、海外市場での需給動向や、為替相場の変動を踏まえた企業の価格戦略の一端がうかがえます。
輸入物価指数については、資源輸入国であるわが国の輸入インフレ圧力を測ることが出来ます。
このほか、参考指数の需要段階別・用途別指数の需要段階別(素原材料、中間財、最終財)指数は、価格波及プロセスの把握など物価動向の多面的な分析に活用されたり、用途別指数のうち消費財指数は、消費者物価指数(総務省作成)と対比して見られることが多いです。

(b)デフレーター

個々の品目や商品群などの指数は、『国民経済計算』(内閣府経済社会総合研究所作成)や『鉱工業生産指数』(経済産業省作成)において、デフレーター(金額計数から価格要因を除去して数量の変動を抽出するための基礎データ)として、広く利用されています。

(c)値決めの際の参考指標

一部の民間企業の間では、商取引等における値決めの際の参考指標として利用されています。

2-3. 消費者物価指数、商品市況指数(日経商品指数、日本銀行国際商品指数など)、貿易統計の価格指数とはどう違うのですか。

これらの各指数は企業物価指数とは指数作成方法などが異なるため、対象範囲など、各指数の定義を確認した上で、利用ニーズに合わせ、使い分けることが必要です。

表 企業物価指数
  企業物価指数
国内企業物価指数 輸出物価指数、輸入物価指数
対象範囲 企業間で取引される商品(財)
国内で生産した国内需要家向けの商品(財) 輸出入品(財)
価格調査段階 企業間取引の中で、各財の需給関係が最も集約的に反映される段階(主に生産者出荷段階であるが、卸売出荷段階を含む) 輸出入の水際段階
価格調査方法 品質が一定の商品の価格を継続的に調査
指数算式 ラスパイレス算式
表  消費者物価指数、商品市況指数、貿易統計の価格指数
  消費者物価指数
(総務省作成)
貿易統計の価格指数
(財務省作成)
商品市況指数
(日経商品指数)
商品市況指数
(日本銀行国際
商品指数)
対象範囲 家計が購入する商品
(財・サービス)
輸出入品(財) 商品市場などで取引され、相場が需給関係に敏感に反応して変動する市況商品(財) 主要な国際市況商品
価格調査段階 小売段階 輸出入の水際段階 市場取引段階 市場取引段階
価格調査方法 品質が一定の商品の価格を継続的に調査 対象商品の平均単価 対象商品の平均単価 対象商品の平均単価
指数算式 ラスパイレス算式 フィッシャー算式 幾何平均算式 ラスパイレス算式

2-4. 企業物価指数は、かつて公表されていた卸売物価指数とは何が違うのですか。

日本銀行では、1952年基準(1954年12月公表)以来、卸売物価指数を作成してきましたが、2000年基準(2002年12月公表)から統計名称を企業物価指数へと変更しました。これは、2000年基準改定時に、デフレーターとしての機能向上を図ることを目的として、「需給関係を敏感に反映する価格を調査する」という指数作成上の原則に反しない範囲で、価格調査段階の選定基準を一部変更した結果、卸売出荷段階を調査対象とする調査価格の比率(ウエイトベース)が2割を下回る程度に低下したことから、統計名称を実態に合わせて変更したものです。
なお、2000年基準改定を機に、統計精度の向上のため価格調査方法や指数作成方法の見直しを行っていますが、指数の定義や主たる作成方法について変更はないため、企業物価指数は、従来の卸売物価指数と連続してご利用頂くことが可能です。

2-5. 企業物価指数では、どのような指数が公表されていますか。

2005年基準企業物価指数では、以下の指数を公表しています。

表 2005年基準企業物価指数
基本分類指数(詳細は項目2-6参照)
国内企業物価指数
  • 国内で生産した国内需要家向けの財を対象とし、主として生産者出荷段階、一部を卸売出荷段階で調査。
  • 指数は、消費税を含むベースで作成。
  • 参考として、「夏季電力料金調整後」の指数なども作成。
輸出物価指数
  • 輸出品を対象とし、本邦から積み出される段階(原則としてFOB建て)で調査。
  • 指数は、円ベースと契約通貨ベースを作成。消費税を含まない。
輸入物価指数
  • 輸入品を対象とし、本邦へ入着する段階(原則としてCIF建て)で調査。
  • 指数は、円ベースと契約通貨ベースを作成。消費税を含まない。
参考指数 ~基本分類指数を組み替えたり、加工作成した指数~
需要段階別・用途別指数
(詳細は項目2-10参照)
  • 価格波及プロセスの把握などの分析ニーズに向けて、経済の循環過程における需要段階(素原材料、最終財など)や用途(建設用材料、資本財、消費財など)に応じて分類した指数。
  • 指数は、消費税を含まないベースで作成。
  • 参考として、「夏季電力料金調整後」の指数も作成。
連鎖方式による国内企業物価指数
(詳細は項目2-11参照)
  • 基本分類指数が依拠する「固定基準ラスパイレス指数算式」が有する特性を補完するため、「連鎖基準ラスパイレス指数算式」により作成した国内企業物価指数。
  • 指数は、消費税を含むベースで作成。
  • 参考として、「夏季電力料金調整後」の指数も作成。
消費税を除く国内企業物価指数
(詳細は項目1-6参照)
  • 消費税を除いたベースで作成した国内企業物価指数。
  • 参考として、「夏季電力料金調整後」の指数も作成。
戦前基準指数
(詳細は項目2-15参照)
  • 長期の時系列データを用いた分析ニーズに向けて、戦前基準指数の分類編成に組み替えた新基準指数を接続して作成した指数。
新聞・雑誌・書籍
(詳細は項目2-39参照)
  • 2000年基準国内企業物価指数の類別「その他工業製品」—商品群「新聞・雑誌・書籍」に属していた6品目(「日刊新聞」、「非日刊新聞」、「週刊誌」、「月刊誌」、「一般書籍」、「教科書」)に相当する指数。
  • 指数は、消費税を含むベースと消費税を除いたベースを作成。

2-6. 基本分類指数の「国内企業物価指数」、「輸出物価指数」、「輸入物価指数」とはどのような指数なのですか。

基本分類指数は、企業物価指数の基本となる指数系列であり、対象範囲などが異なる「国内企業物価指数」、「輸出物価指数」、「輸入物価指数」の3物価指数から構成されます。
基本分類指数では、『日本標準産業分類』等を参考にしつつ、一部、商品の属性(材料、用途、機能など)に応じ、採用品目を独自に分類しています。

表 基本分類指数の「国内企業物価指数」、「輸出物価指数」、「輸入物価指数」
  国内企業物価指数 輸出物価指数 輸入物価指数
対象範囲 国内で生産した国内需要家向けの商品 輸出品 輸入品
価格調査段階 企業間取引の中で、各財の需給関係が最も集約的に反映される段階
(主に生産者出荷段階であるが、卸売出荷段階を含む)
本邦から積み出される段階
(原則としてFOB建て)
本邦へ入着する段階
(原則としてCIF建て)

なお、基本分類指数の分類編成やウエイトに関しては、「2005年基準企業物価指数(CGPI)基本分類指数 品目・分類編成・ウエイト一覧」をご参照ください。

2-7. 企業物価指数の総平均指数から何がわかりますか。総平均指数をみる際に注意する点はありますか。

企業物価指数の総平均指数は、わが国全体の企業の直面する商品(財)の価格の集計値であり、いわば、企業間で取引される財全般の物価動向を把握できると考えられます。
もっとも、企業物価指数の総平均指数については、平均的な企業が直面する商品(財)の組み合わせを固定したものではく、この点、消費者物価指数の総平均指数が「平均的な家計が直面する商品(財・サービス)の組み合わせを固定した上で、これに要する費用が物価の変動によってどのように変化するかを指数値で示したもの」と定義されるのに対し、理論的な定義付けには曖昧な面があります。
また、定期的(年2回)に計数の遡及訂正が実施されることに、ご注意ください(詳細は項目1-10参照)。
消費者物価指数やGDPデフレーターなどと対比させて利用する際には、国内企業物価指数の総平均指数のほか、参考指数である「需要段階別・用途別指数」の「消費財指数」などを、併せて利用することが望ましいと考えられます(詳細は項目2-10参照)。

2-8. 企業物価指数では、季節調整値を作成・公表していますか。

企業物価指数の中には、比較的はっきりした季節変動を示す品目がみられます。例えば、国内企業物価指数では、夏季電力割増料金が適用される小類別「電力」の品目や、出回り初期には高めに設定した価格を出回り終期にセールなどで値下げする小類別「衣類」の品目などが該当します。しかし、こうした品目は全体からみればごく僅かで、総平均指数では、明確な季節性は観察されていません。このため、企業物価指数では、季節調整済指数を作成・公表していません。
ただし、夏季電力割増料金については、総平均指数への影響が相応にあるため、これを調整した「夏季電力料金調整後」の指数を2005年基準より公表しています(項目2-9参照)。
なお、季節調整のプログラム(X-12-ARIMA)については、米国商務省センサス局のホームページから入手することが出来ますので、分析ニーズに応じ、ユーザーでも季節調整を行うことが可能です。

2-9. 「夏季電力料金調整後」の指数とは、どのような指数なのですか。

わが国の場合、電力会社の多くが夏場の電力需要の抑制を図るために、7~9月の期間、業務用電力に割増料金を適用します。従って、小類別「電力」や「総平均指数」の前月比は、他の条件を一定とした場合、7月はプラスに、10月は逆にマイナスとなります。このため、ユーザーの皆様からは、こうした定例の季節要因を除いたベースでの指数作成の要望が寄せられていました。そこで、2005年基準では、参考系列として以下の指数系列について、夏季の電力割増料金を控除した「夏季電力料金調整後」の指数を、作成・公表することにしました。これにより、夏場においても、関連する指数の変動を連続して捉えることが可能となります。

表 
基本分類指数 国内企業物価指数 総平均、類別「電力・都市ガス・水道」、小類別「電力」
参考指数 需要段階別・用途別指数 国内需要財、中間財、国内需要財(国内品)、中間財(国内品)
連鎖方式による国内企業物価指数 総平均、類別「電力・都市ガス・水道」、小類別「電力」
消費税を除く国内企業物価指数 総平均、類別「電力・都市ガス・水道」、小類別「電力」

なお、参考系列として提供する「夏季電力料金調整後」の指数の多くは、基準年=100となりませんので、ご注意ください。これは、割増料金が適用される時期以外(10月から翌年6月まで)の指数水準を、本系列である夏季電力料金を含むベース(注)の指数水準と一致させる扱いにしているためです。本系列と参考系列の水準を7~9月時以外は一致させることで、「夏季割増」という料金体系が、より直感的に理解されるよう配意したものです。ちなみに、国内企業物価指数の小類別「電力」(夏季電力料金調整後)の基準年(=2005年)の平均は、98.6となっています。

  • 7~9月期に、実際に企業が直面する電力料金には、割増料金が適用されていますので、本系列はあくまでも割増料金適用ベースとすべきものと考えています。

ただ、こうした扱いは「連鎖方式による国内企業物価指数」では、行っておらず、「夏季電力料金調整後」の指数は、便宜上、基準年=100として作成・公表しています。これは、連鎖方式による指数計算方式が、1年ごと(毎年12月)に指数水準を100にリセットした指数を、基準年以降、掛け合わせて作成することを想起すれば、容易に理解できます。

2-10. 参考指数の「需要段階別・用途別指数」とは、どのような指数なのですか。

参考指数「需要段階別・用途別指数」は、価格波及プロセスの把握など物価動向を多面的に分析するため、経済の循環過程における需要段階(素原材料、最終財など)や用途(建設用材料、資本財、消費財など)に応じて、基本分類指数を組み替えた指数です。なお、指数は、消費税を含まないベースで作成しています。
やや詳しくみると、需要段階別・用途別指数は、国内向け(内需)か輸出向け(外需)かによって分類した「国内需要財」(国内品+輸入品)と「輸出品」から構成されています。このうち、「国内需要財」については、生産活動のため使用・消費されるもののうち、第1次産業で生産された未加工のものを「素原材料」、加工過程を経たものを「中間財」に、最終需要に充てられるものを「最終財」として需要段階別に分類しています。さらに、需要段階毎に、それぞれ設定した用途別分類に応じて、細分類しています(例えば「建設用材料」「資本財」など)。一方、「輸出品」については、国内での用途に準じた用途別にのみ分類しています。
需要段階別・用途別指数では、素原材料(例えば原油)の価格動向と、中間財(例えばナフサ)、最終財(例えばプラスチック製日用品)の価格動向を比べることによって、素原材料から最終財への価格に対する波及効果を分析することが可能です。
また、消費者物価指数との関係では、指数動向を対比してみる際、基本分類指数の総平均指数より対象範囲が近い「需要段階別・用途別指数」の「消費財」指数を使用することが、より適当です(下図のグレー部分)。ただし、国内需要財に含まれる輸入品は、輸入物価指数を使用しており、本邦へ入着する段階の価格を円価格に換算したものであるため、輸入品の国内販価の価格動向とは一致しないことには、ご留意ください。

需要段階別・用途別指数(国内需要財)の分類編成

需要段階別・用途別指数の分類編成やウエイトに関しては「2005年基準企業物価指数 (CGPI) 需要段階別・用途別指数 品目・分類編成・ウエイト一覧」を、ご参照ください。

2-11. 参考指数の「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)とは、どのような指数なのですか。また、基本分類指数の「国内企業物価指数」(ラスパイレス指数)との違いは何ですか。

基本分類指数の「国内企業物価指数」は、固定基準ラスパイレス指数算式により作成しています(ラスパイレス指数)。
ラスパイレス指数の特性としては、基準時以外のウエイトデータ収集が不要であることや、毎月の指数計算が比較的容易であることに加え、経済統計で重視される速報性に富んでいることなど、多くのメリットがあります。その一方で、ウエイトを基準時に固定しているため、(a)基準時から時間が経過するにつれ、各商品のウエイトと実際の取引シェアが乖離するほか、(b)個々の商品の総平均指数への影響度は、その商品の指数にウエイトを乗じた「加重指数」の大きさで決まってくるため、ある商品の指数水準が大幅に低下(上昇)した場合、同商品の価格変動が総平均指数に与える影響度が低下(上昇)する、というデメリットがあります。
企業物価指数では、他の政府統計と同様に、指数の基準年およびウエイトの算定年次を更新する基準改定を5年ごととしているため、上述のデメリットに加え、これに伴い基準改定時に新旧基準指数の間で段差が生じます。
こうしたラスパイレス指数の特性を補完するために、企業物価指数では、参考指数として、「連鎖方式による国内企業物価指数」(連鎖指数)を作成しています。連鎖指数は、品目以上に連鎖基準ラスパイレス指数算式を採用しており、毎年ウエイトを更新し、1年ごと(毎年12月)に指数水準を100にリセットした指数を、基準年以降、掛け合わせることによって作成しています。言い換えれば、連鎖指数を用いれば、基準時以降のウエイトの変化を指数に反映することができるほか、指数水準の違いにより、総平均指数への影響度が変わるというラスパイレス指数のデメリットを回避できます。ただし、連鎖指数にも、指数の動きが上下変動を繰り返すような場合において、指数水準をリセットすることにより、より上位の分類の集計値がラスパイレス指数で算出した指数を上回るという、一般的に「ドリフト」と呼ばれるデメリットがあります。なお、連鎖指数の毎年のウエイト更新作業にかかる負担がかなり大きいほか、参照できるウエイトデータに制約があるため、現行の連鎖指数では、一部、簡略化した方法により、ウエイト算定を行っています。
連鎖指数に関する詳細な資料は、「『連鎖方式による国内企業物価指数』の公表 —『連鎖指数』導入の意義とその特徴点—」、「連鎖方式による国内企業物価指数 」(日銀レビュー)をご参照ください。

2-12. 企業物価指数の公表時期やデータの入手方法、照会先について教えてください。

項目1-8をご参照ください。

2-13. 時系列データにxという表示がありますが、これはどういう意味ですか。

日本銀行で作成している物価指数は、企業間で取引される商品(財)の価格調査に基づいており、企業からご報告頂く個別の価格は、厳密に秘匿する必要があります。具体的にみると、品目指数の作成にあたり、品目を構成する調査価格は、複数調査先による3調査価格以上とすることを、原則としています。これを満たさない品目については、品目指数を公表することに調査先からの同意を得られない場合、品目指数を非公表としています(一次秘匿)。また、品目指数を非公表の扱いとする場合は、非公表品目の属する上位分類(商品群など)にある他の1品目の指数も、併せて非公表の扱いとしています(二次秘匿)(項目1-3参照)。こうした価格情報の秘匿措置は、「統計法」および「日本銀行法」でも求められています。なお、この結果、指数を非公表の扱いとする品目については、"x"と表示することにしています。
非公表の扱いにしている品目については、「調査価格の性質一覧」をご参照ください。

2-14. どういう場合に過去の計数の訂正を行っているのですか。また、何を見ればわかりますか。

項目1-10をご参照ください。

2-15. 企業物価指数の動きを長期的な時系列で眺めたい場合は、どうすればよいですか。

企業物価指数の長期時系列データには、「2005年基準接続指数」と「戦前基準指数」の2種類があります。ただし、これらの指数は、採用品目や品目ウエイト、品質調整方法などの違いにより性格が異なる各基準の指数を機械的に接続したものであることに、ご留意ください。
「2005年基準接続指数」については、項目1-12をご参照ください。
「戦前基準指数」とは、2005年基準の基本分類指数および需要段階別・用途別指数の国内需要財指数を戦前基準指数の分類編成(基本分類12類別、特殊分類<用途別>5分類)に組替え、2005年1月以降の指数を2004年12月までの戦前基準指数に接続したもので、1934~1936(昭和9~11)年の年平均を1とした指数です。

2-16. 指数の作成方法について教えてください。

項目1-2をご参照ください。

2-17. 企業物価指数のウエイト算定には、どのような統計を使用しているのですか。

企業物価指数は「企業間で取引される商品(財)」を対象としていますので、そのウエイトには企業間取引額を使用することが適当です。しかし、こうしたニーズに合致する統計は現状見当たらないため、企業物価指数のウエイト算定では、基本的に『工業統計表』(品目編、経済産業省作成)の製造品出荷額や、『貿易統計』(財務省作成)の輸出入額をベースに日本銀行が推計しています。また、非工業製品の出荷額の推計や、『工業統計表』(品目編)や『貿易統計』のコード区分を細分化する必要がある場合には、他の官庁統計や業界統計等を使用しています。『工業統計表』(品目編)、『貿易統計』以外でウエイト算定に使用している他統計の詳細は、「ウエイト計算資料」をご覧ください。
したがって、上記のデータによって推計した各商品の取引額は、実際の企業間取引額より過大(または過小)となっている可能性があります。例えば、『工業統計表』(品目編)の製造品出荷額は、「その事業所の所有する原材料によって製造されたもの(原材料を他に支給して製造させたものを含む)を当該事業所から出荷した場合」を対象としていることから、同一企業の他の事業所へ引き渡したものの出荷額など、企業間で取引されない製造品の出荷額が計上される場合があります。しかしながら、該当する金額を確認できないため、控除していません。このほか、『工業統計表』(品目編)の平成17年調査結果では、製造品出荷額に「転売品」が一部含まれていたとして、製造品出荷額に占める転売比率が公表されました。ただし、公表された比率が一部の事業所からの聴き取り調査に基づくものであり、全容が未詳とのことであったため、2005年基準のウエイト算定に当たっては、転売品分の調整についても実施していません。また、『貿易統計』の輸出入額についても、個人が輸出入した商品などが混在している場合がありますが、該当額が不明なため、控除していません。

2-18. 企業物価指数で採用している品目は、どのように決めているのですか。

品目を採用する際には、次のような点を総合的に検討した上で、決めています。具体的には、

  1. (a)ウエイト計算に当たって信頼性のある取引額(ウエイトデータ)が利用可能であること、
  2. (b)(a)の取引額が品目の採用基準額を上回っていること、
  3. (c)品質一定の下での継続的な価格調査が可能なこと、
  4. (d)デフレーターとしてのニーズや、全体の指数精度の維持、カバレッジの拡大、消費者物価指数など他統計とのバランス、等です。

(b)の採用基準額は、重要度の高い商品を選定する上での一つの目安として設定しているもので、原則として、ウエイト算定年次(2005年)におけるウエイト対象総取引額をベースに設定しています。
ただし、ウエイト算定年次における取引額が採用基準額に満たない商品であっても、先行き取引額の増加が見込まれる場合や品目分類編成上のバランス等から必要な場合は採用基準額に近い商品は単一品目として、同種の商品をまとめた商品グループとしてみれば採用基準額に達する場合は集合品目(例えば、国内企業物価指数の「衛生材料」は医療用ガーゼ、包帯、脱脂綿、その他の集合品目)として、弾力的に採用しています。
一方、取引額が採用基準額以上の商品であっても、例えば、オーダーメイド性が極めて高い商品など品質一定の下での継続的な価格調査が困難な商品や、年によって取引額の変動が激しい商品などは、品目として採用していません。
なお、2005年基準指数における採用基準額、採用品目数は、次のとおりです。

採用基準額

採用品目数

  • 参考指数は、「新聞・雑誌・書籍」(2005年基準国内企業物価指数)、「生鮮食品」(2000年基準輸入物価指数)に該当します。

2-19. 企業物価指数の「調査価格」とは、何ですか。また、どのように設定されているのですか。

「調査価格」とは、同一条件の下で継続的に価格を調査するために設定している調査単位で、商品だけではなく、価格に影響を及ぼし得る諸条件を含め設定しています(このため、消費者物価指数で用いられる「調査銘柄」より幅広い概念と考えられます)。
具体的には、調査価格の設定に際しては、原則として、次のような諸条件についても固定しています。

(a)商品の固定

ウエイトデータが依拠する『工業統計表』などを参考に定義される品目範囲に該当する商品で、当該品目の価格動向を代表させるのに相応しい商品を選定しています。
素材、性能、規格等のほか、容量も、調査開始に当たって、あらかじめ固定します。

(b)取引先の固定

同一商品であっても、例えば、顧客との関係の濃淡などによって取引先ごとに価格が異なる場合があるため、通常、(a)を固定した後、継続的な取引が期待される中で、もっとも取引金額や取引数量が多い取引先に固定することを原則としています。ただし、取引先によって、価格が大きく異なる可能性がある場合には、一部の取引先に偏ることがないよう配慮しています。

(c)取引条件の固定

同一商品・取引先固定であっても、例えば、商品の取引条件が工場渡しか持込渡しかによって、価格が異なる場合があるため、受渡し条件(工場渡し、指定地渡し、持込渡しなど)を固定します。
輸出物価指数、輸入物価指数では、インコタームズ(Incoterms、取引条件の解釈に関する国際規則)、例えば、CIF(cost, insurance & freight、保険料運賃込み)やFOB(free on board、本船渡し)などを固定します(内訳については項目2-28参照)。

(d)取引数量の固定

同一商品・取引先固定・取引条件固定であっても、例えば、一定以上の数量の取引を条件に価格を割安に設定することなどにより(所謂「ボリュームディスカウント」、「非線形価格設定」)、月々の取引数量の変化によって、価格が変動することがあります。こうした変動を物価変動とみなすことは、厳密には適切でないと考えており、取引数量を固定するようにしています。

(e)為替条件の固定

(a)~(d)のほか、取引する際の契約通貨も固定しています(契約通貨比率については項目2-29参照)。

このほか、どのような価格(実際の取引価格、モデル価格など)を調査するか等も調査価格ごとに決めています(項目2-20参照)。

2-20. 企業物価指数では、どのような価格を企業から調査しているのですか。

企業物価指数では、原則として、契約成立時点における実際の取引価格を調査しています。
ただし、契約成立時点における価格調査が困難な商品については、出荷時点や本邦入着時点の価格を調査しています(例えば、輸入物価指数の品目「原油」については、当初、日本向けとして契約された原油が最終的には第三国へ輸送されたり、逆に当初は第三国向けとして契約されたものが日本に輸送されるといったケースがあることを考慮して、契約成立時点ではなく本邦入着時点での価格を調査しています)。
また、実際の取引価格の価格調査が困難な場合は、取引の実態を極力反映するよう、標準価格、平均価格、モデル価格などを調査しています。具体的にみると、次のとおりです。

表 実際の取引価格、標準価格、平均価格、モデル価格
調査価格の種類 内容 具体例
実際の取引価格
  • 商品を特定し、取引条件・取引先などを固定した実際の取引価格(月中平均や月中最頻値など)。
  • 価格後決め商品の一部では、仮価格を採用(項目2-23参照)。
小型乗用車A(品番特定)、販売子会社B社向けの工場出荷価格
標準価格
  • 商品を特定し、実際の取引において目安とされる標準的な価格(標準的な建値、仕切価格、定価×掛目、料金表価格など)。
オーディオC(品番指定)、主要販売先D社向けの仕切価格
平均価格
項目2-22参照)
  • 品質一定の条件を損なわない範囲で、商品あるいは取引先や取引条件の異なる複数の実際の取引価格を加重ないし単純平均した価格。
冷凍食品E、
量販店全店向け出荷価格
モデル価格
  • 代表的な取引(商品、数量、取引条件)を仮定し、その取引について調査した価格。
小口都市ガス(用途、熱量、月間使用料を一定としたモデル料金)

なお、国内企業物価指数における品目ごとの調査価格の種類については、「2005年基準国内企業物価指数(国内企業物価指数)調査価格の性質一覧」をご参照ください。

2-21. 官庁や業界団体等が作成している統計は利用しないのですか。

項目1-5をご参照ください。
なお、外部データを採用している品目と外部データ内容については、「外部データ一覧」をご参照ください。

2-22. 平均価格は、どのような場合に採用しているのですか。

企業物価指数では、項目1-4でみたように、品質変化の影響を除いた純粋な価格変動を把握するため、「調査価格」を設定した上で(項目2-19参照)、値引きなどを含めた実際の取引価格を調査することを原則としています。
しかし、例えば、資本財などでは規格化された商品が少なく個別性が強い(オーダーメイド型)商品が多いほか、多品種少量生産の進展に加え企業の価格設定・戦略が多様化しているなど、わが国の取引慣行や商品は多様化し、価格設定も複雑化しています。これに伴い、従来型の「調査価格」設定では実勢価格の動向を捕捉することが困難と考えられる次のような商品を調査する場合、品質一定の条件を損なわない範囲で「調査価格」設定の固定条件を緩めた「平均価格」を採用しています。

表 従来型の「調査価格」設定では実勢価格の動向を捕捉することが困難な商品
商品の類型 該当商品の例
商品の個別性が極めて強い商品
  • 多品種少量生産の商品
衣料品、紙製品(壁紙・ふすま紙)など
  • オーダーメイド型の商品
半導体製造装置、工作機械など
価格設定が多様化している商品
  • 取引先ごとの個別交渉による値引きが多様化している商品
建築用資材、電子部品など
  • 取引条件(数量など)ごとに価格を細かく設定している商品
プラスチック製品、石油製品など
  • 特売頻度や、特売価格の変更により価格調整している商品
食料品など

もっとも、「平均価格」を採用した場合、企業から報告頂く価格に、月々でみれば、単月の振れ(ノイズ)が生じることがあります。例えば、商品自体は特定できているが、取引先を固定していないケースでは、商品Aの量販店B社向けへの出荷価格がX円/個、量販店C社向けがX+5円/個であったようなケースで、取引先を固定しない価格調査を採用すると、ある月に量販店B社向けの出荷数量が増えた場合には、企業からご報告頂く価格が下落するように、月々の販売数量の変動に伴う価格変動が物価指数に混在する惧れがあります。
このため、「平均価格」の採用に際して、定量的なルールは設けてはいませんが、平均価格の必要性や得失、企業のヒヤリング情報などを参考に、慎重に適否を判断しています。また、「平均価格」を採用した後も、指数動向が実勢価格を捕捉しているかを定期的に確認し、単月の振れの影響が大きく、実勢価格の動向が捕捉できていないと判断した場合には、標準価格などに変更する対応も実施しています。

なお、品目毎の平均価格の採用状況については、「2005年基準企業物価指数(CGPI)調査価格の性質一覧」をご参照ください。

2-23. 仮価格とは何ですか。

一部の石油化学製品などでは、例えば、「4~6月分の出荷価格が6月に決まる(正式な価格が後決めされる)」といった商慣行が一般的な場合があります。このように、契約期間が四半期または半期など複数月に渡り、かつ、当該期間中の取引価格が契約期間に入った後や契約期間終了後に決定される商品については、企業物価指数では「価格後決め商品」として扱っています。このうち、例えば、エチレンなど、正式な価格が決定するまでの間、実際の取引に使用される暫定的な決済価格が入手できる場合は、企業物価指数では「仮価格」と称し、正式な価格が決定するまでの間、これを利用して指数を作成しています。「仮価格」は、決着価格を見越して決定される客観的な価格で、かつ、実際にその価格で暫定的な決済が実施されていることを確認した上で、採用しています。このため、見積価格や決済を伴わない仮置き価格などは、該当しません。
なお、仮価格を採用している品目については、「調査価格の性質一覧」をご参照ください。

2-24. 消費財などでは商品の世代交代が頻繁に生じていますが、新商品の価格は調査されているのですか。また、調査対象としている商品の内容やその変更状況を教えてください。

品目未満の調査価格については、指数精度の確保、すなわち、品目の代表性を確保することを目的として、その時々の経済・産業構造の変化を踏まえた構成に柔軟に調整するようにしています。
こうした観点から、企業物価指数では、新しい商品が登場し、それがこれまで調査してきた商品に代わる主力商品に成長してきた段階で、速やかに調査価格の調査対象商品を変更することとしています。例えば、品目「カラーテレビ」(国内企業物価指数)では、2000年基準の開始時点では調査商品の過半がブラウン管テレビでしたが、その後、液晶やプラズマといった薄型テレビへ調査対象商品を切り替えています。
こうした一例を含め、詳しくは、調査価格の変更実績については「調査価格の変更実績」を、調査対象商品については「調査対象商品一覧」をご参照ください。
一方、従来の商品と大きく異なった新しい種類の商品が登場し、既存の品目範囲では捉えきれない場合は、5年毎の基準改定の際、新たな品目を設けて、指数に取り込むようにしています。具体的には、前述したようなデジタル家電の普及に伴う需要増加を背景に、「クッキングヒーター」(国内企業物価指数)などが、2005年基準から新規品目として採用されています。

2-25. 新旧対象商品を変更する際に、新旧商品に質的な差がある場合、両者の価格差を、企業物価指数上でどのように処理しているのですか。

項目1-4をご参照ください。
なお、実際にどのような品質調整を実施したかについては「調査価格の変更実績」、品質調整効果の試算値については「品質調整効果」をご参照ください。

2-26. ヘドニック法はどのような商品を対象に適用しているのですか。また、ヘドニック法を用いることによって、値下がりを実態以上に指数に反映してしまうことはありませんか。

企業物価指数では、新旧調査価格の品質調整(項目1-4参照)を実施する際、コスト評価法やオーバーラップ法を中心に適用していますが、「商品の変更時に複数の特性が変化し、個々の特性の変化に対応するコスト評価が難しい」、「商品サイクルが短く新旧商品が市場で同時期に出回ることがほとんどないため、オーバーラップ法の適用が難しい」といったIT関連商品に対し、順次ヘドニック法を適用してきています。具体的には、次のような商品に適用しています。
実際に使用しているヘドニック推計式の内容は、「ヘドニック法の適用実績」をご参照ください。

ヘドニック法の適用状況

  • 表中のDは国内企業物価指数、Eは輸出物価指数、Iは輸入物価指数を示しています。

ヘドニック法の適用拡大に慎重な立場からは、過剰な品質調整が品目指数の下方バイアスをもたらしている、との指摘が寄せられています。これに対しては、次のように考えています。
品質調整に用いているヘドニック推計式は、ある時点において市場に出回っている商品の特性と価格情報から、統計的に有意と判定されて得られた推計式ですので、他の品質調整方法に比べ、ある意味、客観性を有しています。また、ヘドニック法による品質調整によって、パーソナルコンピュータなどの指数が表面価格の動きに比べ大きく下落してきたことは事実ですが、この間の品質向上分が、他の品質調整方法に比べて過大評価されているとは、必ずしも言えないと考えています。一方、推計に用いるデータが得られないため、ヘドニック推計式に含めることが出来ないような特性があること、技術革新の速度が速いためヘドニック推計式のパラメータが陳腐化してしまう可能性があることなど、ヘドニック法にも一定の限界があることには留意が必要です。
日本銀行では、ヘドニック法の適用に際して、適用拡大を志向している訳ではなく、あくまで指数精度の向上に資するか否かという観点から検討し、同時に、実務面を含めた諸コストを考慮のうえ、適用の可否を総合判断しているというのが実態です。

2-27. 企業物価指数では、どのような流通段階の企業から価格を調査しているのですか。

国内企業物価指数では、商品の流通段階のうち、各商品の需給関係が最も集約的に反映される段階の価格を調査しています。具体的には、次のような点を基準に、商品毎に価格を調査する流通段階を決定しています。

  • 生産者とは、自ら商品を生産する企業と考えています。これは、『日本標準産業分類』の大分類「製造業」の定義を参考としたものです。
    このため、例えば、子会社に商品の生産を委託している親会社や、商品としての機能が完成した製品を受け入れ、自社のブランド価値のみを付与する企業(所謂「OEM」といった生産形態を採用している企業)などは、卸売に分類しています。

なお、現状では、国内企業物価指数における生産者出荷段階の比率は、ウエイトベースで8割を超えています。
詳しくは、「2005年基準国内企業物価指数(国内企業物価指数)価格調査段階一覧」をご参照ください。

2-28. 輸出入物価指数における貿易取引条件(FOBやCIF)に関する考え方を、教えてください。

項目2-62-19でみたように、輸出物価指数(輸入物価指数)は、本邦から輸出する(本邦へ輸入する)水際段階での価格を調査するため、原則として、輸出物価指数では、FOB(free on board、本船渡し)、輸入物価指数では、CIF(cost, insurance & freight、保険料運賃込み)での価格を調査するようにしています。ただし、このような原則を設けつつも、企業間での商慣行や実務作業の負担等を理由に、輸出物価指数でCIF、輸入物価指数でFOBでの価格を企業が報告する場合は、それを尊重しています。
現状では、輸出物価指数の場合、FOBで報告されている調査価格は約7割、また、輸入物価指数の場合は、CIF(およびCFR)で報告されている調査価格は約6割となっています。
なお、類別ごとの内訳については、「 輸出入物価指数の貿易取引条件の内訳」をご参照ください。

2-29. 輸出入物価指数における契約通貨別の構成比は、どのようになっていますか。

現状では、輸出物価指数の場合、円建てが約3割、外貨建てが約7割(米ドル建てが約5割)、また、輸入物価指数の場合、円建てが約2割、外貨建てが約8割(米ドル建てが約7割)となっています。
類別ごとの内訳については、「輸出入物価指数の契約通貨別構成比」をご参照ください。

2-30. 企業から回答が得られない場合や、調査時点で取引・契約がない場合は、どのような扱いをしていますか。

項目1-7をご参照ください。

2-31. 消費税等の間接税は、指数を作成する上でどのように扱われていますか。

項目1-6をご参照ください。

2-32. 円ベースの指数を作成する際にどのような為替相場を用いているのですか。

円ベースの指数を作成する際には、契約通貨建て価格を銀行の対顧客電信直物相場(仲値)の月間平均値により、調査価格ごとに円価格に換算のうえ、指数化しています。したがって、例えば、企業において独自の社内為替レートを採用している場合などは、取引実態とは異なる為替変動が反映される可能性は残ります。
また、円価格に換算する際は、契約の有無にかかわらず、その月の為替相場の動きを一律に反映させるかたちで、円換算を行っております。したがって、その月に契約がなく、契約通貨建て価格<指数>が横這いの時でも、為替相場が変化すれば、円建て価格<指数>は変動するため、輸出入物価指数、需要段階別・用途別指数などをご利用になる際には、この点も認識した上で、ご利用ください。

2-33. 2000年基準企業物価指数と2005年基準企業物価指数では、何が違うのですか。

2007年11月速報公表時より、企業物価指数は、2000年基準から2005年基準へ移行しました。主な変更点は、次のとおりです。

  1. (a)指数の基準年およびウエイトの算定年次を2000年から2005年に更新
  2. (b)品目分類編成の見直し(採用品目の変更とそれに伴う調査価格の変更など)(項目2-34参照)
  3. (c)参考系列および参考指数の改廃(項目2-352-362-372-382-39参照)
  4. (d)品目「複写機」へのヘドニック法の適用
  5. (e)一部品目に他機関統計や外部データベースを採用(項目1-5参照)

詳しくは、「2005年基準・企業物価指数の指数体系および品目分類編成について」、「2005年基準企業物価指数の改定結果」をご参照ください。

2-34. 2005年基準企業物価指数で新しく調査対象となった品目、調査対象でなくなった品目は何ですか。

2005年基準では、国内28品目・輸出15品目・輸入20品目を新しく調査対象(新規品目)とし、国内30品目・輸出18品目・輸入20品目の調査を取り止め(廃止品目)ました。
主なものは、次のとおりです。
(新)は新規品目、(廃)は廃止品目、Dは国内企業物価指数、Eは輸出物価指数、Iは輸入物価指数を示しています。

(a)IT化・デジタル化の進展

(新)フラットパネルディスプレイ製造装置<DE>、偏光板<DE>、フォトマスク<D>、クッキングヒーター<D>、空気清浄機<D>、電気マッサージ器具<D

(廃)レンズ付フィルム<D>、カメラ<DEI>、スキャナ・光学式読取装置<DI

(b)生活習慣等の変化(健康志向、ストレス社会などを背景とする市場の拡大)

(新)サプリメント<D>、豆乳飲料<D>、催眠鎮静・抗不安剤<D

(廃)家庭用ミシン<DI>、魔法瓶<D>、額縁<D

(c)内外での自動車産業のプレゼンス拡大、自動車の電装化・環境規制への対応

(新)ワイヤーハーネス<DI>、特殊車輌用タイヤ<E>、ロジウム<I

(d)中国の高成長持続(工業化の進展)と国際商品市況の上昇

(新)鉛地金<D>、軽油<E>、C重油<E>、古紙<E

(e)国際分業の更なる進展(=輸入代替と関連産業の国内生産の縮小)

(新)電気照明器具<I>、紙製容器<I>、プラスチック製履物<I>、文具<I>、金属製台所・生活用品<I

(廃)コート<D>、つるまきばね<D>、ハロゲン電球<D>、生糸<I

(f)その他(「平均価格」の拡充による新規品目の取り込みなど)

(新)金型<D>、鉄道車両<D>、鉄道車両部品<D>、フラットパネルディスプレイ製造装置<DE

(廃)航空機<I>、小類別「生鮮食品」の各品目<I

詳しくは、「2005年基準・企業物価指数の指数体系および品目分類編成について」、「2005年基準企業物価指数の改定結果」をご参照ください。

2-35. 2005年基準企業物価指数では、輸入物価指数の「生鮮食品を含む総平均」は公表されないのですか。

2000年基準・輸入物価指数の参考指数として公表していた「生鮮食品」の各品目については、2005年基準から廃止しました。これに伴い、「生鮮食品を含む総平均」、「生鮮食品を含む食料品・飼料」、「生鮮食品」のほか、商品群「野菜類」、「果実類」、「魚介類」(いずれも円ベース、契約通貨ベース)についても作成・公表を取り止めました。
これは、「生鮮食品」の各品目は、品質を一定とした価格調査が困難であり物価指数としての精度を維持できないことから、2005年基準改定を機に調査を取り止め、逆に統計作成部署の限られた資源を、より効果的な分野に振り分けることとしたものです。

2-36. 2005年基準企業物価指数では、「国内・輸出・輸入の平均指数」は公表されないのですか。

2000年基準の参考指数として公表していた「国内・輸出・輸入の平均指数」 については、2005年基準から作成・公表を取り止めました。これまで、明治以来の伝統を有する卸売物価指数との継続性に配慮し、1980年から95年基準までは「総合卸売物価指数」として、2000年基準では基本分類指数から参考指数に変更した上で、「国内・輸出・輸入の平均指数」として、作成・公表してきました。2005年基準改定においては、「国内・輸出・輸入の平均指数」について、作成当初の国内品・輸出品・輸入品を包括した「貨幣の購買力の尺度」として、現代的な意義付けがかなり薄いにもかかわらず、参考指数として作成・公表し続けていることで、あたかも現代的な意義があるとの誤解を招きかねず、積極的に作成・公表を取り止めてはどうか、というご意見を頂戴したことを踏まえ、検討の結果、取り止めることとしました。
なお、「国内・輸出・輸入の平均指数」については、ウエイトと品目指数から、比較的容易に再現することが可能なほか、「国内・輸出・輸入の平均指数」の総平均指数や幾つかの類別指数は、参考指数である「戦前基準指数」(項目2-15参照)で代用することも可能です。

2-37. 2005年基準企業物価指数では、「消費税を除く国内需要財指数」は公表されないのですか。

「消費税を除く国内需要財指数」については、「需要段階別・用途別指数」を、消費税を除くベースへ一本化することで「需要段階別・用途別指数」に統合することとしました。この背景をやや詳しくみると、「需要段階別・用途別指数」の「国内需要財」は、「国内品」と「輸入品」で構成されています。このうち、「輸入品」は消費税を含まないベースで公表しています。一方、「国内品」は、従来は消費税込みの指数を使用していましたが、2000年基準より消費税を除くベースの公表が開始されたことから、これを受けて、2000年基準では、(a)消費税込みの「国内品」と「輸入品」から成る「国内需要財」と、(b)消費税抜きの「国内品」と「輸入品」から構成される「国内需要財」の2系列を作成・公表していました。ここで、消費税率変更が実施された場合を考えると、(a)においては、各需要段階や用途における「国内品」と「輸入品」の比率の差によって、各需要段階や用途への波及効果に多少差異がもたらされることになります。
今回の基準改定では、「需要段階別・用途別指数」のユーザーの主たる関心が、川上段階での価格変動が川下にかけて、どのように波及・浸透していくかにあるとすれば、消費税率の変更の影響は等しく各需要段階や用途に及ぶことが望ましいと考え、(b)のみの提供に絞ることとしたものです。

2-38. 参考系列の「電気・電子機器」とは何ですか。

参考系列の「電気・電子機器」は、2000年基準の国内企業物価指数の類別「電気機器」の指数に相当する指数です。
2005年基準改定においては、2002年3月に実施された第11回『日本標準産業分類』改定に倣って、旧「電気機器」を新「電気機器」「情報通信機器」「電子部品・デバイス」に分割しました。ただし、統計の連続性やユーザーの利便性を考慮し、2005年基準へ切り替えた後も、3分割前の旧「電気機器」の指数について、名称を「電気・電子機器」と変更した上で、参考系列として作成・公表を続けるようにしたものです。
なお、輸出物価指数、輸入物価指数については、「電気・電子機器」を類別名称として使用しています。

2-39. 参考指数の「新聞・雑誌・書籍」とは何ですか。

2005年基準で作成・公表を開始した参考指数「新聞・雑誌・書籍」は、2000年基準の国内企業物価指数の類別「その他の工業製品」商品群「新聞・雑誌・書籍」に属する6品目(「日刊新聞」「非日刊新聞」「週刊誌」「月刊誌」「一般書籍」「教科書」)の指数について作成・公表するものです。これは、項目2-38と同様に、2002年3月に実施された第11回『日本標準産業分類』改定において、「新聞業」および「出版業」が、大分類「製造業」から同「情報通信業」に移行されたことに伴う対応で、企業向けサービス価格指数の2005年基準改定の際、これらを企業向けサービス価格指数へ移行させるまでの間、参考指数として継続して作成・公表するようにしたものです。
なお、企業物価指数のウエイトが依拠する『工業統計表』が『日本標準産業分類』における製造業に属する事業所のみを調査対象とすることから、これら6品目については、『工業統計表』をベースとしたウエイトの算出ができません。このため、品目指数のみの作成・公表となり、上位の分類(商品群「新聞・雑誌・書籍」)の指数は作成・公表していません。

2-40. 企業物価指数の2005年基準改定に関してまとめた資料はありますか。

2005年基準改定に関する資料としては、次のようなものがあります。