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企業向けサービス価格指数(2005年基準)のFAQ

2011年5月

目次

利用上の注意事項

FAQの構成

物価指数のFAQの構成は、以下の通りとなっています。このページには、「3. 企業向けサービス価格指数のFAQ」の質問一覧および回答一覧を掲載しています。

  1. 物価指数全般のFAQ
  2. 企業物価指数のFAQ
  3. 企業向けサービス価格指数のFAQ
  4. 製造業部門別投入・産出物価指数のFAQ

なお、物価指数全般のFAQのページでは、全てのFAQの質問一覧をご覧いただけます。

企業向けサービス価格指数(2005年基準)に関するその他の解説

企業向けサービス価格指数(2005年基準)に関しては、FAQのほかに、以下の解説があります。

質問一覧(企業向けサービス価格指数(2005年基準))

こちらには、「企業向けサービス価格指数(2005年基準)のFAQ」の質問を掲載しています。質問をクリックすると、質問に対する回答が表示されます。

回答一覧(企業向けサービス価格指数(2005年基準))

3-1. 企業向けサービス価格指数とはどんな物価指数ですか。

わが国経済のサービス化が進む中で、企業間における物価の動きを正しく把握するためには、企業物価指数が対象としている財(モノ)の価格だけでなく、サービスの価格についてもあわせてみていくことが不可欠です。企業向けサービス価格指数は、こうした問題意識の下で、日本銀行が開発し、1991年1月から公表(データ始期は1985<昭和60>年1月)している、企業間で取引される「サービス」の価格に焦点を当てた物価指数です。そのウエイト算定に際しては、企業部門における需要額に相当する総務省『産業連関表』の「中間需要部門+国内総固定資本形成+家計外消費支出」を基礎データとして用いています。 なお、従来は『産業連関表』の「中間需要部門+国内総固定資本形成」を範囲としていましたが、2005年基準より、「中間需要部門+国内総固定資本形成+家計外消費支出」に拡大しました。

サービス分野における物価統計の作成は、財の分野よりも困難であり、開発に時間がかかります。しかし、世界経済に占めるサービス活動の比重が高まってきている状況の中、他の先進諸国においても、サービス分野における物価統計の整備に力を入れてきています。特に、米国、英国、ニュージーランドなどでは、カバレッジの広いサービス統計が作成されるようになっています。日本銀行としても、内外の学者や統計専門家と意見交換を行いつつ、統計精度のより一層の向上のために今後とも努力を続けていきたいと考えています。

3-2. 企業向けサービス価格指数はどのような目的に利用されていますか。

企業間で取引されるサービス(国内取引+輸入取引)の価格動向を集約した企業向けサービス価格指数の総平均は、サービスの需給動向をみるためのマクロの経済指標の一つとして利用されています。また、個別品目など下位分類の指数については、内閣府経済社会総合研究所が作成している『国民経済計算(GDP統計など)』や、経済産業省が作成している『第3次産業活動指数』などにおいて金額ベースで表される値を実質化し、数量ベースに変換する際の基礎データとして広く利用されています。さらに、個別取引の値決めをする際の参考指標としても利用されています。

3-3. 2000年基準企業向けサービス価格指数と2005年基準企業向けサービス価格指数では、どのような点が異なりますか。

2009年10月(2009年9月速報指数)公表時より、毎月の公表は2000年基準企業向けサービス価格指数から2005年基準企業向けサービス価格指数に切り替わりました。今回の改定では、指数の基準年およびウエイト算定年次の更新や、5年ごとに行われる調査対象品目の見直しなど通常の基準改定作業に加えて、統計精度の向上のための新たな手法の導入・拡充、指数体系の変更、公表方式の変更などを実施しました。採用品目数は137品目と、2000年基準より27品目の増加と過去最大の増加数となっているほか、採用カバレッジ(採用サービスの取引額/企業向けサービスの総取引額)は49.7%となっています。また、調査価格数は3463、このうち新規採用価格数は1808となり、取引実態に即した物価指数を作成するべく、約半数の価格を入れ替えました。以下、主な変更点です(詳細は「企業向けサービス価格指数・2005年基準改定結果 − 基準改定結果の概要と2005年基準指数の動向 −」をご覧ください)。

(1)新規品目の積極的な採用と既存品目における調査対象サービスの見直し

  • IT化の進展、アウトソーシング拡大の動きなどを捉えるべく、「ATM委託手数料」「インターネット附随サービス」「社員研修サービス」、GDP統計を作成する際のデフレーター・ニーズに応えるべく、「プラントエンジニアリング」「ホテル宿泊サービス」など合計で15品目を新たに採用しました。
  • 「機械修理」「労働者派遣サービス」「駐車場賃貸」などの品目で、調査価格を大幅に積み増しつつ、品目内のサービス構成を実態に近づけるよう変更しました。
  • 「清掃」「設備管理」などの品目で、官庁入札価格を新たに取り込みました。

(2)価格調査方法・品質調整方法の工夫

  • 近年、価格設定の多様化・オーダーメード化が進んでいるサービスの価格を、実態に即した形で的確に捉えるべく、数多くの品目で価格調査方法・品質調整方法を工夫しました。

(3)報告者負担の軽減とユーザー・サービスの向上

  • 報告者負担の軽減を目指し、外部データを積極的に採用しました。調査価格数の増加+377のうち、外部データ採用分は+140となりました。
  • 高いユーザー・ニーズに応えるべく、「総平均(除く国際運輸)」などの参考系列・参考指数を、新たに公表しています。
  • 従来大まかな分類にとどまっていた接続指数の作成対象を、より細かな品目指数までに拡充(2000年基準指数30系列→2005年基準指数186系列)しました。

3-4. 2005年基準企業向けサービス価格指数から新しく調査対象となったサービスは何ですか。

2005年基準への基準改定に当たって、経済・産業構造の変化の影響が大きい類別を中心に、企業向けサービス価格指数に採用する品目の大幅な見直しを行いました。具体的には、新しいサービスの台頭に対応して、新規品目を採用したほか、既存品目の細分化(分割)、品目の対象範囲の拡充、品目の廃止ないし統合などを積極的に行い、近年のサービスの変化に対応した採用品目に衣替えしました。具体的には以下のような変更を行いました(詳しくは、「企業向けサービス価格指数・2005年基準改定結果 − 基準改定結果の概要と2005年基準指数の動向 −」をご覧ください)。

1. 大類別「金融・保険」

<新規>
ATM委託手数料
<分割>
保証業務手数料 → 信用保証料、カード加盟店手数料

2. 大類別「運輸」

<新規>
内航旅客輸送
<分割>
国際航空旅客輸送 → 国際航空旅客輸送(北米方面)、国際航空旅客輸送(欧州方面)、国際航空旅客輸送(アジア・オセアニア方面)
貨物船 → RORO船、貨物船(除RORO船)
その他郵便 → 特殊取扱郵便、国際郵便

3. 大類別「情報通信」

<新規>
インターネット附随サービス、新聞、書籍、月刊誌、週刊誌
<分割>
固定データ伝送 → インターネット接続サービス、WANサービス
放送 → 公共放送、民間放送、有線放送
<統合>
携帯電話、PHS → 携帯電話・PHS
<拡充>
市場調査 → 市場調査・世論調査

4. 大類別「広告」

<新規>
フリーペーパー・フリーマガジン広告

5. 大類別「リース・レンタル」

<新規>
オフィス・イベント用品レンタル
<分割>
土木・建設機械レンタル → 建設機械レンタル、仮設資材レンタル

6. 大類別「諸サービス」

<新規>
一般廃棄物処理、土木設計、社員研修サービス、プラントエンジニアリング、テレマーケティング、ホテル宿泊サービス
<分割>
自動車修理 → 車検・定期点検・一般整備、自動車整備(事故整備)
機械修理 → 電気機械器具修理、機械修理(除電気機械器具)
労働者派遣サービス → 事務職派遣、労働者派遣サービス(除事務職)
警備 → 警備(除機械警備)、機械警備

この変更により、品目の新規採用(+15品目)、分割(+13品目)、統合等(−1品目)の結果、全体の採用品目数としては、110(2000年基準)から137(2005年基準)へと増加(+27品目)しました。

  • 企業向けサービス価格指数の2000年基準への改定に伴う品目数増減

3-5. 日本標準産業分類が2007年に改定されましたが、2005年基準企業向けサービス価格指数には、新しい標準産業分類が反映されているのですか。

企業向けサービス価格指数では、分類編成の設定・ウエイトの算出の際に、総務省『産業連関表』を基礎データとして用いています。指数の基準年およびウエイト算定年次を2000年から2005年へ更新する際には、2005年産業連関表を用いました。この2005年産業連関表は2002年改定版日本標準産業分類をベースに作成されていますので、2005年基準企業向けサービス価格指数の基本的な分類編成は、2002年改定版日本標準産業分類をもとに作成されています。従来の大類別「通信・放送」、「情報サービス」を統合し、「情報通信」としていますが、これは2002年改定版日本標準産業分類の変更に対応したものです。このように、2005年基準企業向けサービス価格指数には、基本的に2007年に改定された日本標準産業分類は反映されていません。

ただし、従来、類別「通信」に含まれていた「郵便」を類別として独立させ、大類別「運輸」の下に位置付けています。これは、いち早く第12回『日本標準産業分類』(2007年11月)の趣旨を取り込んだことによるものです。

3-6. 企業向けサービス価格指数ではどのような指数が公表されていますか。

2005年基準企業向けサービス価格指数では、基本分類指数として国内取引と輸入取引を対象とした指数を作成しています。なお、企業間で取引されるサービスについては、輸出入を含めた取引全体のうち、国内取引が大半を占めているため(注)、企業物価指数(国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数)のような取引別の独立した指数は作成していません。また、輸出取引については、上記のとおり取引額が小さいうえ、国内でのサービスの需給と直接関連をもたないこと、本邦企業のコスト変動要因とならないことなどもあり、基本分類指数の対象外としています。しかし、一部の輸出サービスについては、参考指数として別途調査・公表しています。

公表している指数の概要は以下のとおりです。詳細は、「2005年基準企業向けサービス価格指数(CSPI)の解説」、2005年基準企業向けサービス価格指数の関連資料「2005年基準企業向けサービス価格指数(CSPI)指数体系・統計始期」をご覧ください。

基本分類指数

企業間で取引される(国内取引と輸入取引)サービスの価格に焦点を当てた物価指数です。契約通貨が外貨建て取引の場合は円ベースに換算して集計しています。

企業向けサービス価格指数の基本分類は、「総平均」、「大類別」、「類別」、「小類別」、「品目」の5段階で構成しています。

分類編成は、『産業連関表』の枠組みを参考に、独自に設定しています。大類別は、『産業連関表』の統合大分類を参考に、「金融・保険」、「不動産」、「運輸」、「情報通信」、「広告」、「リース・レンタル」、および何れの大類別にも属さない品目を分類した「諸サービス」の7大類別から構成しています。類別は、『産業連関表』の統合中分類や統合小分類等を参考に、20類別を設定しています。小類別は、『産業連関表』の基本分類を参考に、49小類別を設定しています。品目は、『産業連関表』の部門別品目別国内生産額表や他の公的統計、業界統計等を参考に、137品目を設定しています。

また、基本分類指数における参考系列として、「契約通貨ベース」、「総平均(除く国際運輸)」を作成しています。「契約通貨ベース」の指数は、契約通貨が外貨建ての取引価格を調査している品目、および、その品目の属する小類別、類別、大類別のみを対象に、指数を作成しています(詳細は項目3-22参照)。また、国際運輸の影響を除いた指数として「総平均(除く国際運輸)」、「運輸(除く国際運輸)」のほか、「国際運輸」の指数を作成しています。

参考指数

(1)基本分類構成項目

小類別「リース」に属する9品目のうち、リース料金を調査している品目「輸送用機器リース」を除いた8品目については、リース料率を調査しています。基本分類指数では、リース料率にインフレーターを乗じて指数を作成しているため、ユーザー・ニーズを踏まえ、参考指数として、各調査価格のリース料率を指数化し、それを加重平均した指数も作成しています。

(2)輸出サービス価格指数

分析上の有用性が高いと思われる一部の輸出サービス(「外航貨物輸送」、「国際航空貨物輸送」)について作成しています。本指数は、各種の分析に用いられるほか、国民経済計算(SNA)のデフレーターの基礎データとして利用されています。

(3)消費税を除く企業向けサービス価格指数

基本分類指数(契約通貨ベースの指数を除く)について、消費税を除くべースで作成した指数を作成しています。詳しくは項目3-21をご覧ください。

  • 総務省『産業連関表』によれば、2005(平成17)年中におけるサービスの輸出取引額は17.4兆円、同輸入取引額は10.8兆円と、同国内生産額(568.9兆円)の各々3.1%、1.9%の規模にとどまっています。なお、その内訳としては、商業、運輸等が中心となっています。

3-7. 企業向けサービス価格指数を利用する際に、どんな点に気をつければよいですか。

サービスには、その取引の慣行上、契約期間が半期あるいは通年単位となっているものが少なくなく、企業向けサービス価格指数には、そうした契約の更改が集中する4、10月に価格が大きく変動する(逆に他の月の変動は比較的小さい)品目が少なからず含まれています。また、帰省・行楽シーズンなどによってサービス料金が異なる「鉄道旅客輸送」、「国際航空旅客輸送」、「国内航空旅客輸送」、「宿泊サービス」、夏・冬のボーナス商戦などをはさんで価格が上下する「店舗賃貸」など、季節性をもつサービスも幾つか存在しています(詳細は項目3-23参照)。さらに、企業向けサービス価格指数の中には、平均価格による調査を行っているために、月次単位での価格の振れが大きなもの(「土木建築サービス」など)もあります(詳細は項目3-12参照)。

したがって、企業向けサービス価格指数の動向をみるには、ある程度の期間を均して傾向を把握する(例えば、前年同月比やその四半期平均の動きでみていく)ことが有用と考えられます。

3-8. 企業向けサービス価格指数で採用している品目やウエイトはどのように決めているのですか。

企業向けサービス価格指数では、企業物価指数と異なって、品目選定のための客観的基準はありません。これは、企業物価指数における経済産業省『工業統計表』などのような、品目選定に利用可能な(内訳が細かい)統一的な金額統計が存在しないことによるものです。そこで、企業向けサービス価格指数では、ウエイト算定の基礎資料として利用している総務省『産業連関表』のデータを元に、品目より1段階上のカテゴリーである「小類別」をまず選定し、そのうえで、小類別を構成する個別サービスのうち、業界統計などのより細かいウエイトデータが入手可能で、かつ適切な価格データの継続的収集が可能なものを品目として採用するという2段階の選定手順を採っています。

具体的な品目の選定基準は以下のとおりです。

  1. (a)『産業連関表』の基本分類で、基準年(2005年)における企業部門の需要額(中間需要部門+国内総固定資本形成+家計外消費支出)が5,000億円(2005年基準の企業向けサービス価格指数のウエイト対象取引額の0.4%程度)以上のサービスを小類別として採用する。
  2. (b)そのうえで、各小類別を構成する個別サービスにつき、ウエイトデータが入手可能で、かつ適切な価格データの継続的な収集が可能なものを採用品目として選定する。

ただし、上記はあくまでも原則であり、(a)の原則に満たないサービスであっても、先行き成長が見込まれる場合や、分類編成上のバランスから重要と思われるもの(注)については、小類別として弾力的に採用し、その下に品目を設定しています。

なお、「金融」のうち「金融仲介サービス」に当たる部分(金融機関の預金・貸出金利鞘<金融帰属利子>に相当する部分)や「商業サービス」(卸小売業の仲介マージンに相当する部分)は、信頼性のある価格情報を継続的に入手することが困難であるため、対象外としています(詳細は項目3-15参照)。また、「医療・保険・社会保障」なども同様の理由から調査対象から除外しています。

  • 例えば、小類別として採用している「国際航空貨物輸送」、「国内航空貨物輸送」は、ともに基準年における企業部門の需要額が5,000億円未満ですが、両者を非採用とすると、大類別「運輸」に「陸上貨物輸送」と「海上貨物輸送」が含まれますが、もう一つの輸送手段である「航空貨物輸送」が含まれないことになります。このため、企業向けサービス価格指数では、バランスをとるために、基準額に満たない小類別「国際航空貨物輸送」、「国内航空貨物輸送」についても採用し、その上に類別「航空貨物輸送」を設定しています。
    また、小類別「海上旅客輸送」(品目「内航旅客輸送」)についても、基準年における企業部門の需要額が5,000億円未満ですが、類別「旅客輸送」でのバランスをとるために、2005年基準から新規に採用することにしました。

3-9. 企業向けサービス価格指数の調査対象サービスはどのように決めているのですか。

価格調査に協力していただいている企業の方々のご負担を考えますと、調査価格の数をむやみに増やすことはできません。こうした中で、精度の高い物価指数を作成するためには、企業物価指数と同様(項目2-19参照)、各品目の「調査対象サービス」を決める際に、当該品目全体の価格の動きを代表するようなサービスを選ぶこと(=代表性の確保)に細心の注意を払っています。

具体的には、「取引金額でみたシェアが高いサービス」を調査することを原則とし、調査対象企業と相談したうえで、当該品目全体の動きを代表するような調査価格を、できるだけ細かく指定しています。さらに、同一品目において、向け先等の区分によって価格動向が大きく異なる可能性がある場合には、調査対象サービスが一部に偏ることがないよう配慮しています。

ただし、日本のサービス統計の整備はまだ途上にあり、企業向けサービス価格指数のウエイトデータである総務省『産業連関表』の品目分類は、経済産業省『工業統計表』の品目分類と比較すると粗く、企業向けサービス価格指数の1品目当たりの取引金額も企業物価指数のそれと比べて大きくなっています。このため、企業向けサービス価格指数の指数精度を高めるには、品目内におけるサービスの構成比率を把握し、その構成比率に合致するように調査価格の構成を見直すことが不可欠です。しかしながら、サービス構成比率を算定するために必要な詳細な官庁統計や業界統計の整備は十分ではないのが実情です。

そこで、2005 年基準指数では、入手可能な様々な統計を一定の前提を置いて加工し、サービス種類別の売上高の構成比率を推計しました。具体的には、(1)包括的な統計が存在しない品目(「機械修理」、「店舗賃貸」、「駐車場賃貸」など)については、複数の公的統計や業界統計を組み合わせることで推計を行ったほか、(2)サービス種類別の売上高統計が存在しない品目(「労働者派遣サービス」、「産業廃棄物処理」など)については、サービスの数量データ(人数、トンなど)に価格データを乗ずるなどの方法で売上高を推計しました。こうして得られたサービス構成比率の推計結果に基づき、調査価格の構成を設定しています。同時に、サービスの構成が多様化している品目では必要に応じて調査価格の積み増しも行いました。

また、調査先のプライバシー保護にも重点を置いています。具体的には、特定の調査対象企業の価格の変化がストレートに品目指数に反映されることのないよう、各品目について複数調査先から3調査価格以上を調査し、それらを合算する形で指数を作成することとしています(詳細は項目1-33-30を参照)。

なお、詳しい調査対象サービスについては、「2005年基準企業向けサービス価格指数 (CSPI) 調査対象サービス一覧」をご覧ください。

3-10. 多様化するサービスの価格設定への対応として、モデル価格はどのように設定されていますか。

近年、サービス供給者による料金差別化の動きが一段と広がっています。例えば、携帯電話では、基本使用料、1分当たり通話料、無料通話分に様々な組み合わせプランが存在するなど料金体系が複雑となっており、企業向けサービスでは、契約回線数や利用額に応じた割引も出現しています。

このような価格設定が多様化しているサービスに対しては、「複数の需要者を想定したモデル価格」の導入が有力な解決策です。「モデル価格」とは、仮想的な取引を人為的に設定した価格調査方法です。サービス内容や料金設定が多様な取引について、実態を損なわない範囲で単純化し、効率的に調査を行うことに狙いがあります。2005 年基準指数では、「携帯電話・PHS」「有料道路」「国際航空旅客輸送」「国内航空旅客輸送」などに対して、以下のような、利用条件や需要量が異なる「複数の需要者を想定したモデル価格」を適用しています。

  1. (1)価格変動のばらつきが大きい属性に着目して複数の需要者を設定
    全ての料金プランに対応する需要者を設定して、その需要者が直面する価格を適切なウエイトで集計すれば、精度の高い指数が作成できます。しかし、調査対象企業のご負担や物価統計作成部署の作業負担を考慮すると、そうした対応は現実的ではありません。このため、モデル価格では、価格変動のばらつきが大きい属性(利用条件、需要量など)に着目し、当該属性が異なる需要者を複数設定する一方で、ばらつきが小さい属性は捨象することで、調査コストを抑えつつ、効率的に指数を作成することとしました。
    例えば、「国際航空旅客輸送」では、1)往路と復路で異なる航空会社を利用可能か、2)航空券をいつ購入するか(当月か1ヶ月前か)、3)予約変更は可能か、が運賃を左右する重要な利用条件です。これらの組み合わせで需要者は8タイプ(2の3乗)となります。路線、航空会社、座席クラスごとにこの8タイプの需要者を設定しました。
  2. (2)需要者が複数の価格に直面する場合には、最も安い価格を選択すると仮定
    属性で特定された需要者にとって、複数のサービス料金が利用可能となっている場合には、「複数の価格のうちで最も安い価格を選択する」との想定で指数を作成します。すなわち、割安な新料金プランや割引運賃が発売されると迅速に利用がシフトすると仮定しています。もっとも、スイッチングコストが大きい携帯電話については、料金プラン変更に一定の時間を要するケースも想定しました。
  3. (3)モデル価格で捉えにくい複雑な割引は「平均割引率」を用いて取り込む
    ボリューム・ディスカウントなど複雑な割引部分は、法人向けの「平均割引率」を調査対象企業から聴取し、(1)・(2)で作成された価格に乗じて指数を作成し、割引分を反映しています。

3-11. 割引の多様化が進むサービスの価格調査方法を教えてください。

取引相手先ごとに様々な値引きを行っているサービスに対しては、対象サービスはできるだけ一つに特定しつつ、取引相手先や取引条件が異なるものをグルーピングして集計し、その売上高を販売数量で割り込んで算出する「平均価格」を用いることが有効です。これは、(1)少数の平均価格で多数の取引を取り込めるため、サンプルバイアスを抑えつつ実勢価格を調査できるほか、(2)スポット取引が多いなど同一の取引相手先との取引が継続しない場合でも継続的な価格調査が可能なためです。

2000 年基準指数では、大類別「不動産」「リース・レンタル」各品目ならびに「証券事務委託手数料」「貸切バス」「鉄道貨物輸送」「航空貨物輸送」「テレビ広告」「労働者派遣サービス」などで平均価格を採用し、価格の多様化が進むサービス価格の実勢の動きを捉えてきました。

2005 年基準指数では、割引の多様化が進む新規品目「ホテル宿泊サービス」「フリーペーパー・フリーマガジン広告」「オフィス・イベント用品レンタル」のほか、シンジケートローン向け手数料サービスを新たに取り込む「預貸業務手数料」において、平均価格を採用しました。また「新聞広告」「雑誌広告」では、既に半数の調査価格が平均価格でしたが、料金表価格ベースの取引が一段と減少していることを受けて、2005 年基準指数では、残り半数の「料金表価格」調査を取りやめ、平均価格に統一しました。「仮設資材レンタル」でも同様の対応を行いました。

3-12. オーダーメード・サービスに対して、どのような調査方法が適用されていますか。

オーダーメード・サービスとは、需要者のニーズに応じてサービスの内容が異なるサービスで、一度提供されたサービスは繰り返し提供されることはありません。企業向けサービスではオーダーメード・サービスがかなりのシェアを占めています。以上のような特性から、オーダーメード・サービスに対して、通常の価格調査方法である「銘柄指定調査」——サービスの内容、取引相手先、取引条件などを詳細に設定し、毎月継続して実際の取引価格を調査する方法——を適用するのは困難です。そのため、2005 年基準指数では、3つの代替的な価格調査方法——サービスを想定したモデル価格、平均価格、人月単価(労働時間当たり単価)——を積極的に採用しています。

  1. (1)サービスを想定したモデル価格
    モデル価格とは、仮想的な取引を人為的に設定した価格調査方法です。実際に取引されているオーダーメード・サービスを参考に「仮想的なサービス」を選定し、当該サービスの内容のほか、取引相手先、取引条件を想定して、その条件でサービスを提供する場合の見積もり価格を調査対象企業から聴取します。
  2. (2)平均価格
    オーダーメード・サービスに対しても、平均価格の適用が価格調査において有効な解決策です。類似の品質を持つ複数のサービスをグルーピングした売上高を販売数量で割り込んで平均価格を算出します。平均価格を用いることでカバーできる取引件数が増加し、継続的に実勢価格を得ることができます。
  3. (3)人月単価(労働時間当たり単価)
    人月単価(労働時間当たり単価)とは、「サービスの取引金額をそのサービス提供に要する労働投入量で割ったもの」として定義されます。サービスの品質が労働投入量に比例しているとみなせる場合には、人月単価(労働時間当たり単価)を用いると異質なサービスを比較することができます。

上記の3つの価格調査方法のうち、オーダーメード性が強いサービスでは、モデル価格や人月単価(労働時間当たり単価)を、オーダーメード性がさほど強くないサービスでは平均価格を各々用いています。2005 年基準指数では、新規品目「プラントエンジニアリング」「土木設計」などの大類別「諸サービス」各品目で、サービスを想定したモデル価格を採用しているほか、「受託開発ソフトウェア」や「公認会計士サービス」などの「諸サービス」各品目に対して、人月単価(労働時間当たり単価)を適用しています。さらに「建築設計」に対しては、オーダーメード性の強さに応じて、サービスを想定したモデル価格、平均価格、人月単価(労働時間当たり単価)を使い分けています。

3-13. テレビ広告や事務所賃貸など、品質が時間とともに変化するサービスに対する品質調整方法を教えてください。

継続的に取引されるサービスのうち、その品質が時間とともに変化するサービスが存在します。「テレビ広告」「事務所賃貸」などが代表的な事例です。物価指数を作成するには、品質一定のサービスを継続的に調査することが不可欠ですから、このようなサービスについては、品質一定となるように補正を行うことが必要です。2005年基準指数では、サービスの品質変化に関する時系列情報が利用可能な場合には、その時系列情報を用いた品質調整を行い、品質バイアスを補正しました。

具体的には、広告の品質は「広告をみる人数」に比例するとの考え方に基づき、「テレビ広告」(うちスポットCM)について品質変化分を補正しました。すなわち、スポットCMの「延べ視聴率(GRP)」を利用して、調査価格を「延べ視聴率(GRP)当たりのCM単価=広告をみる人数当たりのCM単価」へ変更しました。

ちなみに、2005 年基準指数では、大類別「広告」の各品目のうち、「広告をみる人数当たりの単価」を調査価格としている品目は、「テレビ広告」(うちスポットCM)のほか、「折込広告」「ダイレクトメール広告」「インターネット広告」「フリーペーパー・フリーマガジン広告」となっています。

また、「事務所賃貸」について、築年数経過に伴う品質劣化分の品質調整を、2010年1月指数(2月公表分)から導入しています。具体的には、「事務所賃貸」各品目を構成する調査価格(調査対象オフィスビル)に対して、当該オフィスビルの築年数に応じた品質劣化率を用いて、品質劣化分を補正しています(詳細は、「企業向けサービス価格指数「事務所賃貸」経年劣化に対する品質調整の導入」をご覧ください)。

3-14. 郵便や電話のように企業と個人の両方が利用するサービスはどのように扱われていますか。

個人が利用するサービスであっても、企業が同様に利用している場合(郵便、電話など)は企業向けサービス価格指数の調査対象としています。その際、企業向けと個人向けの価格が異なる場合には企業向けの価格を調査しています。なお、ウエイトの算出に際しては、原則として企業部門の需要額に相当する総務省『産業連関表』の「中間需要部門+国内総固定資本形成+家計外消費支出」を基礎データとして使用することで個人向けのサービスを除いています。

3-15. 商業サービスや金融仲介サービスが調査対象に含まれていないのは何故ですか。

他のサービスと同様の方法で価格を継続的に調査することが困難だからです。商業サービスと金融仲介サービスは総務省『産業連関表』の企業部門のサービス需要額(中間需要部門+国内総固定資本形成+家計外消費支出)の中で比較的大きなシェアを有しています(商業サービス<商業マージン>が21%、金融仲介サービス<金融帰属利子>が9%、いずれも2005年中)。

しかし、ある商品やサービスを物価指数の品目として採用するためには、そのサービスがウエイト面で重要なだけでなく、品質一定を前提とした信頼性のある価格が継続的に調査できることが不可欠の条件です(さもなければ、物価指数全体の精度が維持できなくなります)。この点、商業サービスと金融仲介サービスの価格調査は、次のような難しい点を抱えているため、企業向けサービス価格指数では調査対象外としています。

  1. (a)商業サービス(金融仲介サービス)の「価格」に相当する「値鞘」(「利鞘」)は、仕入価格(預金金利)と販売価格(貸出金利)の差から計算されるものであり、通常の価格のように単一の数字(明示的な取引価格)として観察することができません。
  2. (b)調査対象企業に代表的な仕入取引(預金の受入)と代表的な販売取引(貸出)を特定してもらい、両者の価格差を調査する方法も考えられますが、こうした方法は調査対象企業にかなりの報告者負担を強いる(取引対象が多岐にわたるだけに、信頼性のある「価格」を得るには膨大なデータの収集が不可欠)ことになるため、実務的に困難です。また、仮に特定の取引を選定しても、(1)商業サービスにおいて仕入取引と販売取引の間のタイミング差の影響(在庫評価方法の影響)などをどう調整するか、(2)金融サービスにおいて貸倒れ損失の影響などをどう調整するか、などの問題があり、精度の高い調査を行うことは極めて難しくなっています。

3-16. 建物サービスにおいて、2000年基準指数と2005年基準指数の動きが大きく異なっているのは何故ですか。

企業向けサービス価格指数は、「民間企業向け」取引に加えて「官公庁向け」取引も対象範囲に含めています。しかしながら、従来は「民間企業向け」取引に調査価格が偏る傾向がありました。国・地方自治体では、公共工事以外の公共調達についても一般競争入札による取引が一般化しており、一般競争入札の拡大に伴い、官公庁向け価格が大幅に下落しているケースがみられます。民間企業向け価格と価格動向が異なるために、指数に誤差が生じている可能性がありました。

2005年基準指数では、品目ごとに官公庁需要比率を推計し、その結果、官公庁需要が多いことが判明した7品目(「建築設計」「測量」「不動産鑑定評価」「土地家屋調査士サービス」「清掃」「設備管理」「警備(除機械警備)」)について、新たに官庁入札価格を取り込みました。このほか、新規品目「土木設計」では、国・地方自治体向け土木設計業務の入札価格を調査価格として取り込んでいます。

このうち、建物サービスの「清掃」「設備管理」では、官公庁比率は16%とさほど高くはありませんが、官庁入札価格の下落率が大きいことから、品目指数は下方に改定されています(調査方法の詳細は2005年基準企業向けサービス価格指数の関連資料「2005年基準企業向けサービス価格指数(CSPI)調査対象サービス一覧」をご覧ください)。

3-17. 「事務所賃貸」の指数の動きは、民間調査機関による事務所の新規募集賃料の動きと異なる場合があるのは何故ですか。

企業向けサービス価格指数の「事務所賃貸」は、調査対象ビルを特定した平均賃料(賃料収入合計を実稼動床面積で除した単位面積当たりの平均単価)または、調査対象ビルとテナントを特定した実際の取引価格(継続賃料)を調査しています。個別契約ごとの事務所賃貸料は、毎月変動するのでなく、長期(2~5年)にわたって、継続した価格で契約されることが多くなっています。継続価格を含む多数の契約価格を調査した集計値を公表している企業向けサービス価格指数の「事務所賃貸」の指数は、こうした価格改定の動きが順次反映されてくるため、民間調査機関から公表されている事務所の新規募集賃料と比べて、遅行した動きがみられます。

3-18. 企業向けサービス価格指数における契約通貨別の構成比はどのようになっていますか。

価格調査において、契約通貨が外貨建てのもの(具体的には、品目「定期船」、「不定期船」、「外航タンカー」、「外航貨物用船料」、「国際航空貨物輸送」と、参考指数・輸出サービス価格指数の「外航貨物輸送」に含まれています)については、外貨建て価格を調査し、円ベースの指数で公表しています。

2009年12月時点の総平均指数では、円建てが96.6%、外貨建てが3.4%(うち米ドル建てが3.1%、ユーロ建てが0.1%)となっています。

3-19. 調査対象サービスを変更する際に、新旧サービスに質的な差がある場合、両者の価格差を、企業向けサービス価格指数ではどのように処理しているのですか。また、そうした処理を行うに際して何か課題はありますか。

企業向けサービス価格指数では、新旧サービスの品質が異なっている場合、新旧サービスの価格差を「品質差に見合う価格変化」部分と「品質差の影響を除いた純粋な価格変化」部分に分解し、後者のみを指数に反映させています。

具体的な品質の調整方法は、企業物価指数と同様です(詳細は項目1-4参照)。もっとも、サービスは、(a)商品(モノ)に比べて品質を明確に定義することが難しいこと、(b)品質変化部分をコスト面から把握することが難しい場合が少なくないこと等から、こうした調整も商品(モノ)に比べると、より難しい面があることは否定できません。こうした状況は諸外国においても同様であり、近年、より精度の高い品質調整に向けた議論が国際的にも高まってきています。日本銀行としては、今後もこうした議論に積極的に参画しながら、サービスの品質調整方法の研究に取り組んでいきたいと考えています。

なお、最近の調査価格の変更実績と、変更の際の品質調整の適用状況については、企業物価指数を含め、関連資料「価格調査における調査価格変更と品質調整の現状 — 2008年におけるCGPIとCSPIの実績を踏まえて —」(2009年10月)で公表しています。さらに、企業向けサービス価格指数において、こうした品質調整を行った結果として指数がどの程度変化したのかを試算し、企業向けサービス価格指数の関連資料「品質調整効果(試算値)」で公表しています。

3-20. 企業向けサービス価格指数において、ヘドニック法は使用していますか。

企業物価指数、企業向けサービス価格指数では、品質調整方法の一つとしてヘドニック法(詳細は項目1-4項目2-26参照)を用いています。具体的には、2005年基準企業向けサービス価格指数では、品目「電子計算機レンタル」のパーソナルコンピュータ、品目「オフィス・イベント用品レンタル」のデジタルビデオカメラにおいて、レンタルの対象としている機種が変更される際の品質調整に、企業物価指数で品質調整に用いるヘドニック回帰式を適用しています。

3-21. 消費税等の間接税は指数を作成する上でどのように扱われていますか。

2005年基準企業向けサービス価格指数は、消費税を含むベースで作成されています。国内企業物価指数(酒税、たばこ税等を含む。詳細は項目1-6参照)と同様に、消費税以外の間接税(産業廃棄物税)についても含まれています。

3-22. 調査価格の契約通貨が外貨建てとなっているものについては、企業向けサービス価格指数でどのように扱っているのですか。

企業向けサービス価格指数の作成にあたっては、調査価格の契約通貨が外貨建てであった場合には、当該調査価格を、契約通貨ごとの調査時点における銀行の対顧客電信直物相場(月中平均、仲値)によって、円価格に換算のうえで指数化しています。なお、契約通貨に外貨建ての調査価格を含む品目(定期船、不定期船、外航タンカー、外航貨物用船料、国際航空貨物輸送)およびその上位分類指数(小類別指数、類別指数および大類別指数)については、契約通貨建て価格(円建て契約のものは円建て価格)そのものを使用して指数化した、契約通貨ベースの指数を作成しています。

3-23. 企業向けサービス価格指数は季節調整されていますか。

企業向けサービス価格指数では、季節調整は行っていませんが、項目3-7でも触れたとおり、その内訳をみると、以下のとおり季節によって指数の動きが異なる品目、類別等が含まれています。

まず第1に、サービスについては、契約期間が半期あるいは通年単位となっているものが少なくないのですが、企業向けサービス価格指数の中にも契約の更改が集中する4、10月に大きく動く傾向がある品目が少なからず含まれています。これらの品目については、季節的に動くといっても、動く方向自体には規則性がなく、「○月に上がり易く、△月に下がり易い」といった通常の季節性とは異なる点に注意が必要です。

第2に、品目数からみれば僅かですが、「テレビ広告」、「店舗賃貸」などのように比較的はっきりした季節変動を示すものも含まれています。

このため、季節的な影響を均す意味で、前年比を利用することが有効であるほか、特に後者の様な品目やそれを含む類別について、毎月の内訳の変化をより詳しく分析したい等の場合には、季節調整を行うことも有用と考えられます。

3-24. 参考系列・参考指数について教えてください。

項目3-6でも述べましたように、2005年基準企業向けサービス価格指数では基本分類指数の参考系列として、基本分類指数の「契約通貨ベース指数」、「総平均(除く国際運輸)」を、また参考指数として「基本分類構成項目」、「輸出サービス価格指数」、「消費税を除く企業向けサービス価格指数」を公表しています。指数の概要は以下のようになっています。詳しくは、2005年基準企業向けサービス価格指数の関連資料「2005年基準企業向けサービス価格指数(CSPI)指数体系・統計始期」をご覧ください。

参考系列

基本分類指数の契約通貨ベース

外貨建て取引を含んでいる類別「海上貨物輸送」の品目「定期船」、「不定期船」、「外航タンカー」、「外航貨物用船料」、類別「航空貨物輸送」の品目「国際航空貨物輸送」および、その上位分類指数(小類別指数、類別指数および大類別指数)について、円ベースの価格に換算しないで指数化した契約通貨ベースの指数です。

総平均(除く国際運輸)

従来、日本銀行が『金融経済月報』で掲載していた「総平均(除く海外要因)」と同一計数を2005年基準指数において、「総平均(除く国際運輸)」として作成を開始しました。「国際運輸」は国境線を越えて提供される国際運輸サービスに該当する9品目(「国際航空旅客輸送(北米方面)」「同(欧州方面)」「同(アジア・オセアニア方面)」「定期船」「不定期船」「外航タンカー」「外航貨物用船料」「国際航空貨物輸送」「国際郵便」)の指数を加重平均して作成しています。

参考指数

基本分類構成項目

小類別「リース」に属する9品目のうち、リース料金を調査している品目「輸送用機器リース」を除いた8品目については、リース料率を調査しています。基本分類指数では、リース料率にインフレーターを乗じて指数を作成しています。リース料率には、長期金利の動向のほか、リース市場の競争環境を含めた需給要因など有用な情報が含まれているため、2005年基準指数では、参考指数として、各調査価格のリース料率を指数化し、それを加重平均した指数を作成することとしました。

輸出サービス価格指数

企業向けサービス価格指数では国内取引と輸入取引を調査の対象としていますが、「国際航空貨物輸送」、「外航貨物輸送」については輸出取引についても調査を行っています。なお、「国際航空貨物輸送」は円ベース指数を、外貨建て取引を含んでいる「外航貨物輸送」については円ベースと契約通貨ベースを公表しています。

消費税を除く企業向けサービス価格指数

基本分類指数について、消費税を除くベースで作成した指数を作成しています(項目3-21参照)。ただし、契約通貨ベースの指数については作成していません。

3-25. 企業向けサービス価格指数では連鎖指数を作成・公表しないのですか。

企業向けサービス価格指数では、連鎖指数(詳細は項目2-11参照)を作成・公表しておりません。これは、ウエイトデータの基礎としている総務省『産業連関表』が5年毎の公表となっていること、また、他に代替するような適切なデータが収集困難なことから、連鎖指数の作成に必要な、毎年のウエイトを計算できないためです。

3-26. 価格調査から指数公表までの事務の流れについて教えてください。

企業向けサービス価格指数は、「統計法」に基づき作成している統計調査の1つです。日本銀行は原則、書面を用いて、毎月調査を行っています。具体的には、毎月中旬に所定の「価格調査票」を価格調査対象企業に送付し、予め特定された商品(サービス)のその月における代表的な取引価格を記入して頂いたうえで、翌月央に回収しています。その際、価格調査対象企業に対しては、その月にサービスを提供した主要取引相手との取引価格をご報告頂くことを原則として依頼しています。回収された「価格調査票」(調査価格)は、調査統計局物価統計課の約20名の価格調査担当者によって精査されたうえで集計システムに入力され、企業向けサービス価格指数が作成されます。作成された指数は、速報は翌月の、確報は翌々月の第18営業日(ただし、月間の営業日数が短い場合などには公表日を若干繰り上げることがあります)の午前8時50分に公表することを原則としています。

3-27. 速報と確報について教えてください。

企業向けサービス価格指数では、翌月の公表日(原則として第18営業日)に当月指数の「速報値」を公表し、翌々月の公表日に速報値をリバイスして「確報値」を公表するという、「速報・確報」公表体制となっています。

速報時点ではその時点までに調査された価格については全て指数に反映させ、未回収の調査価格については前月の指数水準で横這いとして処理しています。その後、確報時点までに調査された価格について確報のタイミングで指数に反映しています。 ただし、速報段階で調査対象企業から回答が得られなかった調査価格のうち、その時系列の変動に明確な季節性がみられるものについては、その季節性を考慮した補完を実施しています。

3-28. 企業向けサービス価格指数は、時折、過去の計数が訂正されていますが、どういう場合に訂正を行っているのですか。何かルールはあるのですか。

企業向けサービス価格指数では、年2回、3・9月の2・8月速報指数(1・7月確報指数)公表時に、定期遡及訂正を実施しています(項目1-10参照)。遡及訂正の対象となるのは、以下のようなケースです(注)

  1. (a)計数に誤りが判明した場合
  2. (b)調査対象企業からの報告が遅れた場合
  3. (c)価格交渉が後ずれした場合
  4. (d)利用可能なデータが事後的に入手できた場合

ただし、(a)(b)のうち、「影響度が大きいもの」については、より迅速な対応が望ましいと思われるため、上記とは別に、要訂正の事実が判明した段階で「速やかに」訂正を実施する、即時遡及訂正を行っています。

訂正を行った場合には、「企業向けサービス価格指数の遡及訂正について」で公表しています。

なお、これ以外にも、5年に一度の基準改定の際には、全ての指数が過去に遡ってリバイスされますのでご注意ください。

  • 定期遡及訂正は、原則として、過去1年半分を対象としています。複数月に亘る契約期間の終了後に価格が確定する場合など、統計公表までに入手できない「欠測価格」は、定期遡及訂正時に確定価格に置き換えるため、大幅な指数の訂正が生じる場合があります(特に、「携帯電話・PHS」「受託開発ソフトウェア」「公認会計士サービス」「建築設計」の4品目)。各品目において定期的に発生する遡及訂正内容は、「2005年基準 企業向けサービス価格指数(CSPI)調査対象サービス一覧」をご参照ください。

3-29. 企業向けサービス価格指数は5年毎に基準改定されていますが、企業向けサービス価格指数の動きを長期的な時系列で眺めたい場合はどうすればよいですか。

企業向けサービス価格指数では、現行基準(2005年基準)指数のベースで、過去の基準指数を接続した指数(2005年基準接続指数)を作成しています。具体的には、「品目」以上の指数系列について1985年1月まで遡及して作成しています。ただし、同指数は、各基準の指数を長期にわたって繋いだものであるため、1年毎の基準改定によって、(a)採用品目やウエイトが見直されていること、(b)基準年の変更時に個々の指数レベルが一旦基準年=100.0に戻るため、品目指数の変化率が変らなくても、総平均等の上位分類指数へ及ぼす影響度が変わっていることから、厳密には、基準年が切り替わる時点で指数の性格が変化している点にご注意ください。また、接続年の前年比や接続月の前月比にも注意が必要です(詳しくは項目1-12を参照)。例えば、2000年1月~2004年12月の2005年基準接続指数の算出式は以下のとおりです。

  • 2005年基準接続指数

3-30. 公表されるのは基準年を100.0とする指数だけで、実際の価格が公表されないのは何故ですか。

企業向けサービス価格指数の価格調査は、企業物価指数と同様に、「統計法」に基づき作成している統計調査で、当該統計には守秘義務が厳密に課せられています(項目1-3参照)。このため、価格調査に当たっては、調査した価格を対外厳秘とすることが大前提となっており、調査対象企業も非公表扱いとしています。

さらに、調査対象企業のプライバシー保護の観点から、1品目ごとに複数の調査対象企業から3調査価格以上を調査することを原則としています。複数の調査対象企業から3調査価格以上を調査することができなかった場合でも、品目として指数動向が適切に把握できた場合は品目として採用し、その品目の指数を非公表扱いとすることを原則としています。なお、現時点<2010年12月>で、非公表の扱いとしている品目指数は、ありません。

また、日本銀行において指数作成を担当しております物価統計課では、物価統計課に属する担当者以外の作業エリアへの立入りを禁じていますほか、物価統計課に属する担当者であっても業務上の必要がある者以外は、当該情報にアクセスできない扱いにするなど、回収された価格調査票(調査価格)や対外公表前の集計値等の機密情報を厳格に管理しています。

3-31. 企業向けサービス価格指数のデータはどこから入手すればよいですか。

毎月の公表データは、日本銀行ウェブサイトの「企業向けサービス価格指数(2005年基準)」で、公表日時と同時に閲覧できます。なお、公表日程については同「公表予定」をご参照ください。詳しくは項目1-8をご覧ください。

3-32. 指数の内容についての照会はどこにすればよいですか。

日本銀行が作成している物価指数に関するお問い合わせは、下記のいずれかにお願いします。

調査統計局物価統計課

Tel : 03-3279-1111(内線 4073)

情報サービス局統計照会窓口

Tel : 03-3279-1111