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資金循環統計の見直しについて

1997年 3月18日
日本銀行調査統計局


(ご利用上の注意)

本稿は、日本銀行月報 3月号掲載文の転載であり、本文中の「図表」および「別表」は省略しています。図表等を含む全文は、こちらから入手できます (ron9703a.lzh 122KB[MS-Word, MS-Excel])。



(はじめに)

 資金循環統計は、日本銀行が1958年に作成を開始(データの始期は1954年)して以来、国民経済計算・資本調達勘定の基礎資料として、また、わが国の金融構造の全体像を鳥瞰し得る唯一の統計として、各方面で幅広く用いられてきた。もっとも、現行資金循環統計には、改善すべき点が少なくない。すなわち、その枠組みは、基本的に国民経済計算体系(1968年作成、System of National Accounts、以下68SNA)に準拠しているものの、基礎データがなお不十分なこともあって、不突合の面も少なくなく、実体経済面と金融面を併せて捉える上で制約が多い。また、68SNA自体、作成以来長期間を経て、近年の経済・金融構造の変化を十分に反映しきれていないのが実情である。この間、世界的にみても、経済・金融環境の変化に対応すべく、1993年、国連統計委員会において、SNAの改訂案が採択された(以下93SNA)。金融統計の分野については、国際的に標準化への気運が高まっている中で、IMFが同委員会の付託により、93SNAを補完するものとしてマニュアル(Manual on Monetary and Financial Statistics、以下IMFマニュアル)作りを進めている。これを受けて資金循環統計の見直しに着手した国も少なくない。

 言うまでもなく、金融の全体像について信頼度の高い統計が存在することは、金融構造の変化と各経済セクターの位置付けの把握、およびその実体経済へのインプリケーションを考える上での不可欠の前提であるほか、金融諸制度を検討する際にも有用である。この場合、そうした統計が国際的な基準に沿ったものであれば、国際比較を行うことも容易となろう。日本銀行では、このような観点に立ち、資金循環統計の見直し作業を進めているが、その際にできるだけユーザー等の意見を反映させることが、本統計の有用性を高めることに資すると考え、見直しの基本的な考え方、概要について公表することとした。本稿では、見直しの具体的内容(部門分類、取引項目の拡充・変更等)を簡潔に整理するとともに、新ベースの統計によって、どのような点が明らかになるかを示すこととする(IMFマニュアルの提言内容や、見直し案の背景となる考え方の詳細については、付論「資金循環統計見直しに係る論点」参照)。なお、統計を整備する上では、利用上の利便性と報告者負担とがトレードオフの関係にあることが多く、資金循環統計についても、完全性を高めようとすると、現存する基礎統計を最大限利用した上でも、一部に新たな負担増が生じ得る。本稿は、そうしたコストやベネフィットを考える上での一助とすることをも狙いとしたものである。


(ご意見・ご提案のお願い)

 本稿で示している具体的な部門分類・取引項目の変更点(2.「見直しの具体的内容」に記述)等に対するご意見、ご提案の送付先、送付期限は下記のとおりです。頂いたご意見、ご提案は、日本銀行において十分に検討の上、新資金循環統計に極力反映させたいと考えておりますが、主なご意見、ご提案については、日本銀行のコメントを付記した上で、後日まとめて公表する予定です。

(送付先)
1.郵送:郵便番号 103 東京都中央区日本橋本石町2−1−1
     日本銀行調査統計局経済統計課 資金循環統計見直し班
2.FAX:03−5203−7436
3.インターネット・Eメールアドレス:webmaster@info.boj.or.jp
(送付期限)
 97年 5月末


(目次)

はじめに
ご意見・ご提案のお願い

1.見直しの背景
 (1)資金循環統計の意義
 (2)現行統計の問題点
 (3)基礎データの制約

2.見直しの具体的内容
 (1)部門分類の変更
   イ.経済機能に基づいた分類方法
   ロ.金融仲介機関の内訳
   ハ.非金融部門の分類
 (2)新金融商品の取り込み
 (3)時価評価への対応

3.新ベース統計作成により明らかになる点
 (1)既存統計の利用範囲拡大、組み替え等による新たな
    切り口の提示
 (2)新たな金融データの入手によって明らかになる点

4.基礎データ入手に係る課題(むすびに代えて)

[BOX 1] ネット金融ポジションについて
[BOX 2] 年金に係る資金の流れ

(付論) 資金循環統計見直しに係る論点


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