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卸売物価指数の現状と見直し案について─ご意見・ご提案のお願い

1999年 3月26日
日本銀行調査統計局

日本銀行から

 以下には、全文の冒頭部分(はじめに)を掲載しています。全文(本文、図表、BOX)は、こちら (ron9903b.pdf 143KB) から入手できます。なお、本稿は日本銀行調査月報4月号に掲載する予定です。

はじめに

 日本銀行が作成・公表している卸売物価指数は、小売段階における商品・サービスの価格動向を捉える消費者物価指数とは異なり、企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数です。その歴史は古く、統計作成が開始された1887(明治20)年から数えると既に 110年が経過し、わが国の経済統計の中でも最も長い歴史を持つものの1つといえます。日本銀行が自ら物価指数の作成を始めた狙いは、主要商品の需給動向を敏感に反映する取引価格を当時の卸商から収集し、景気分析さらには政策判断の重要な材料として活用することにありました。

 その後、わが国の経済の構造変化や統計作成手法の発展を背景に、価格の調査方法や指数の作成方法には改良が加えられていますが、「需給を反映する価格の調査」という卸売物価指数の本旨は今日に至るまで何ら変わるところはありません。

 ところで日本銀行では、作成している統計全般について、統計ユーザーの利便性を高めるためにその作成方法などを開示するとともに、統計の大幅な見直しについては、パブリック・コメントを求めた上で実施することにしています。本稿は、その一環として、(1)卸売物価指数の歴史を簡単に紹介し、(2)現行指数の具体的な作成方法や利用上の留意点などを解説するとともに、(3)今後の見直しの方向性などについての日本銀行の考え方を披露し、広く読者の皆様よりご意見をお聞かせ頂くことを目的としています。

  • 本ペーパーでは物価指数に関する専門的な知識をお持ちでない読者の方々にもご理解いただけるよう、極力技術的な表現を避けて卸売物価指数の歴史や現状を解説しています。ウエイト計算の方法など、本ペーパーで触れていない点については、日本銀行調査統計局で別途作成・配布している「卸売物価指数の解説」をご覧下さい。また、本ホームページでは、卸売物価指数に関するFAQ (Frequently Asked Questions)も掲載しています。