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製造業部門別投入・産出物価指数の基準改定方針(1995年基準への移行)

2000年 3月
日本銀行調査統計局


 日本銀行では、目下、製造業部門別投入・産出物価指数の基準改定(1995年基準への移行)作業を進めておりますが、今般、その大枠が固まりましたので、予め公表いたします。


1.基本方針

(1) 指数の作成方法を以下の通り見直し、報告者負担を含めた統計作成コストの軽減および事務の効率化を図る。
(A) 本指数作成のための独自の価格調査を取り止め、卸売物価指数の品目指数を転用した全面加工統計に移行する。
(B) ユーザーニーズの低いネット・ウエイトベース指数の作成を中止するなど、指数体系自体も簡素化する。
  ―― 経済構造の変化に対応した正確な統計に対するニーズが高まる一方、報告者負担の軽減や統計作成事務の効率化(スクラップ&ビルド)の視点も益々重要度を増してきている。日本銀行では、こうした観点から、本統計について、統計精度面等で必ずしもコストに見合うだけの効果が得られているとは言い難い部分を見直し、これら資源を卸売物価指数、企業向けサービス価格指数の精度向上に振り向けることで、作成統計全体としての費用対効果を向上させたいと考えている。

(2) 新指数(全面加工統計化後)ベースでの統計の連続性にできる限り配慮するとともに、ユーザーによる自由な加工・分析が可能となるよう、その作成方法を全面開示することで、利便性、透明性の向上を図る。


2.具体的な内容

(1) 全面加工統計化
(A) 最も細かい分類を「内訳小分類」とし、その内訳指数およびウエイトは卸売物価指数の品目レベルから転用する。
  ―― 内訳小分類以上のウエイトは、従来通り、投入物価指数においては、産業連関表の購入者価格ベースの中間投入額を、産出物価指数では、生産者価格ベースの国内生産額を使用する。
(B) 本指数の作成を目的とした独自の価格調査(約1,890)1 は取り止める。
  ―― これにより対象外となる内訳小分類は、投入で29、産出で23(表1)。
  ―― なお、このうち卸売物価指数の価格データとして有用と判断されるものについては、2002年中に予定している同指数の次回基準改定(企業物価指数<2000年基準>への移行)において、同指数に取り入れることを検討する。

1 品目ベースでは、投入で約360、産出で約660。

(2) 指数体系の簡素化
(A) 事務的な作成コストの割に、利用度が低いネット・ウエイトベース指数の作成・公表を中止する。
(B) グロス・ウエイトベース指数のうち「部門」指数も、同様の理由で作成・公表を中止する。
  ―― 新指数の分類編成は、産業連関表を参考に、「製造業総合部門」(同表の「製造業」に相当)―「大部門」(同「統合大分類」)、「内訳大分類」(同「統合大分類」)―「内訳中分類」(同「統合中分類」)―「内訳小分類」(同「基本分類」)で構成する。
  ―― 大部門(14)の構成は現行通り(内訳分類数などの変化については、表2参照)。

(3) 新ベース指数における連続性への配慮
今回の見直しに伴い、過去の指数との連続性が途切れるため、利用者ニーズに配慮し、見直し後と同様の方法で新1990年基準指数を作成(新1990年基準指数の内訳分類については、表2参照)。「大部門」以上について、これと1995年基準指数との接続指数を作成し、1990年まで遡って時系列(過去10年分)を整備する。
  ―― 現行1990年基準指数では、接続指数を1980年(「製造業総合部門」は1975年)まで作成。

(4) 作成方法の全面開示
作成・公表を中止する「ネット・ウエイトベース」指数、「部門」指数をはじめ、ユーザーによる再加工が可能となるよう、卸売物価指数との対応関係やウエイト情報、指数の具体的な計算手順等を全て開示する。

(5) 交易条件指数の積極的公表
現状は、毎月の記者発表資料に掲載(単月)する一方、物価指数月報やホームページには非掲載という変則的な扱いとなっているが、今後は本指数の時系列(大部門以上)についても、各種媒体を通じて幅広く公表する。
  ―― 従来の交易条件指数は、「製造業部門別投入・産出物価指数」(1次統計)を用いて計算した「加工系列」との位置付けに止まっており、時系列データの形での提供は行ってこなかった経緯。

(6) その他の見直し等
(A) 「見合い除外」2 、「向け先ウエイト」3については、作業コストに比べ、その効果が限定的なものに止まっているため、今次改定から廃止する。
(B) 従来は、内訳小分類について金額面での採用基準(これに達しないものは、産業連関表の基本分類採用項目でも不採用となる)を設けていたが、実質的な意味合いが薄い(同基準の有無による差は僅か4)ため、今回から廃止する。
  ―― 従来は、(a)当該「部門」のウエイト対象総額の千分の一以上の金額、または(b)「製造業総合部門」のウエイト対象総額の十万分の一以上の金額のいずれか小さい金額、という採用基準を設定。
(C) 利用者による独自の組み替え・分析が容易となるよう、産業連関表の分類をそのまま利用することとし、従来行っていた独自の分類(産業連関表の分類の分割・統合)は取り止める。
(D) 卸売物価指数(および現行1990年基準指数)では、2000年1月分指数から、外貨建調査価格を円換算する際には、契約の有無に関わらず、一律に当該調査月の為替相場を適用しており、卸売物価指数の品目指数を価格データとして使用する1995年基準指数も同様の扱いとなる。
  ―― 2000年1月分指数については、新旧両ベースの指数を作成・公表する(これも、現行基準指数での対応と同様)。
(E) 遡及訂正は、卸売物価指数と同じタイミングで実施する。
  ―― 本件については、実施方法の詳細が固まった段階で、卸売物価指数等と併せ、開始時期やそのルールを予め公表する。

2 見合い除外とは、ある産出物(または投入物)を指数の対象外とする場合に、投入と産出の整合性を維持するため、その生産のために用いられた投入物(それにより生産された産出物)もセットで対象から除外すること。

3 投入物価指数では、データの制約(産業連関表では、投入内訳を表す分類の最小単位が内訳小分類に対応する基本分類となっている)から、内訳小分類の構成ウエイト(品目ウエイト)が得られないため、産出物価指数における構成ウエイト(産業連関表の部門別品目別国内生産額表などにより算出)をそのまま使用しているが、業界統計等が入手できる一部の内訳小分類については、投入先毎に独自のウエイト(向け先ウエイト)を計算・設定している(従来は、358の投入内訳小分類のうち49で実施)。

4 投入物価指数(現行1990年基準ベース)で0.7兆円、指数の対象となる物的投入総額(ウエイト対象総額)の0.4%。産出物価指数(同)では、同基準の有無による差はない。


3.今後のスケジュール

1995年基準への切り替えは2000年6月分指数からとし、翌7月中に公表する予定。

  ―― 基準改定のタイミングは、従来より約半年前倒し。
  ―― (A)1995年1月〜2000年6月分の新基準指数、(B)1995年基準と同様の方法で作成した新1990年基準指数(1990年1月〜1995年12月)、(C)1995年基準指数ベースで遡った接続指数(1990年1月〜1994年12月、大部門以上)も、あわせて公表する。
  ―― 解説書のほか、より具体的な指数の作成方法についても、完成し次第、順次ホームページを通じて公表する予定。

本件に関する照会先
調査統計局 物価統計課 物価統計企画グループ
TEL 03(3279)1111 内線3824


以  上



(別添)


     (表1)独自調査などの中止により対象外となる内訳小分類と各々の取引額
         (現行<1990年>基準指数での比較)

       投入:29(現行の内訳小分類数は、358)

表


       産出:23(現行の内訳小分類数は、333)

表



   (表2)内訳分類数等の変化

表




(参考)


今回の見直しによるカバレッジの変化


[新1990年基準指数]



表
表

5 (B)から、価格調査が困難である等の理由から対象外としたものを除去した投入物価指数の対象となる物的投入総額。

6 主な内訳小分類は、「自動車用内燃機関・同部分品」、「自動車車体」等。

7 主な内訳小分類は、「航空機」等。

8 主な内訳小分類は、「その他の食料品」の一部(学校給食用)、「鋼船」、「金型」、「塩・干・くん製品」へ投入される内訳小分類。

9 現行指数では、IO表の分類を分割・統合する際に、価格が存在しないという理由で自家消費部分等を推計のうえ除外していたが、今後は、IO表の分類に従って、これらを含む形でウエイトを計算。これにより、「銑鉄」、「コークス」の自家消費部分が増加。

10 現行指数では、IO表の「製造業部門」から「サービス的要素の強い品目」を別途除外していたが、今回からはこうした取り扱いを取止め、IO表のベースをそのまま使用。この結果、分母に新たに「染色整理」が加わったが、分子については、卸売物価指数に転用可能な品目が存在しないため、引き続き対象外となっている。

11 (D)から、価格調査が困難である等の理由から対象外としたものを除去した産出物価指数の対象となる物的産出総額。

12 主な内訳小分類は、「精米」、「建設用金属製品」、「自動車用内燃機関・同部分品」、「自動車車体」等。

13 内訳小分類は、「鋼船」、「その他の船舶」。

14 主な内訳小分類は、「牛肉(枝肉)」、「豚肉(枝肉)」、「塩・干・くん製品」等。

15 増加の要因は注9と同じ。「銑鉄」の自家消費部分、「その他の食料品」の学校給食用部分等が増加。

16 増加の要因は注10と同じ。分母に新たに、「染色整理」、「船舶修理」、「鉄道車両修理」等が加わったが、分子については、卸売物価指数に転用可能な品目が存在しないため、引き続き対象外となっている。


[1995年基準指数]



表


以  上



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