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「マネタリーベースと日本銀行の取引」の公表開始について

2000年 6月 8日
日本銀行企画室

はじめに

 日本銀行では、金融政策運営に関する情報開示の充実に努めてきておりますが、今般、「日本銀行が供給する通貨」を示すものと位置付けているマネタリーベースと日本銀行の行う各種取引との対応関係を示す、「マネタリーベースと日本銀行の取引」という統計を、毎月公表することとしましたので、お知らせいたします。

 本統計の基本的考え方、仕組み等の概略は以下のとおりです。なお、詳しくは、本日、同時に公表しているペーパー「『マネタリーベースと日本銀行の取引』統計について」をご参照ください。

1.「マネタリーベースと日本銀行の取引」の基本的考え方

 中央銀行の供給する資金の捉え方には様々なものがあり、定まった定義というものはありませんが、日本銀行が「中央銀行が供給する通貨」を示すものと位置付けているのがマネタリーベースです。日本銀行が公表しているマネタリーベースは、「日本銀行券、貨幣流通高、日銀当座預金の合計値」と定義され、その構成要素のうち日本銀行券と日銀当座預金は日本銀行のバランスシートの負債部分に計上されています。

 他方、日本銀行のバランスシートには、金融市場調節(オペレーション)や貸出のほか、政府や外国中央銀行との取引など、日本銀行が行っている様々な取引の結果が反映されています。

 したがって、日本銀行のバランスシートを組み替えることを基本にして、マネタリーベースと日本銀行の行う取引の対応関係を示す計表を作成することができます。これが、「マネタリーベースと日本銀行の取引」の基本的な考え方です。

─── 日本銀行のバランスシートや資金需給・金融調節に関する計表(日次ベースの「資金需給と調節」、月次ベースの「資金需給実績」(注)。これらを総称して、以下「資金需給表」という)では、日本銀行の行っている取引を具体的に把握することが難しい面がありました。

 例えば、日本銀行のバランスシートの拡大・縮小に応じて、金融の緩和・引き締めが行われているとみられることがあります。一方、資金需給表では、例えば、財政要因による資金余剰日(月)に日本銀行が売りオペレーションを多用することが資金吸収=引き締めを行っているとの見方を招くこともあります。こうした誤解を避けるためには、バランスシートの中味をマネタリーベースと対応させて取引毎に分解して分かりやすく示すことが有用と考えられます。

  • これらは、金融市場局が別途発表するとおり、7月より名称が変更される予定です。

2.「マネタリーベースと日本銀行の取引」の仕組み

 上述したとおり、「マネタリーベースと日本銀行の取引」は、日本銀行券と日銀当座預金を中心に構成されるマネタリーベースを、日本銀行の他の資産・負債項目で説明するため、日本銀行のバランスシートを組み替えることにより作成されます。

 具体的には、(a)日本銀行のバランスシートから、「発行銀行券」と「当座預金」を抽出し、それに貨幣流通高を加えて、マネタリーベースを算出する(注)、(b)他の資産・負債項目および資本項目ならびに貨幣流通高を、その合計が(a)のマネタリーベースに一致するよう並べ替える、さらに(c)各バランスシート項目を、日本銀行の行う各種取引の類型で分解する、という方法で作成します(別紙参照)。

 このように、「マネタリーベースと日本銀行の取引」はバランスシートを組み替えて作成することから、ストック計数を示す計表(「ストック表」)が基本となりますが、併せて、ストック計数の増減額(フロー計数)を示す計表(「フロー表」)を作成・公表することとしています。

  • これまで日本銀行が公表しているマネタリーベースは平残計数であるのに対し、「マネタリーベースと日本銀行の取引」におけるマネタリーベースは末残計数であり、両者のベースは異なります。

3.「マネタリーベースと日本銀行の取引」の特徴

 「マネタリーベースと日本銀行の取引」は、バランスシートや資金需給表と比較して、次のような特徴があります。

(1)バランスシートとの比較

 バランスシートは、日本銀行の資産、負債および資本の状況を会計ルールに従って整理したものですが、それだけでは、日本銀行の行っている様々な取引の全体像を把握することはできません。
 「マネタリーベースと日本銀行の取引」では、例えば、国債について、日本銀行がどのような取引を通じて取得しているかの内訳を示すことで、日本銀行の国債を用いた取引とマネタリーベースとの対応関係を分かりやすく表示しています。

(2)資金需給表との比較

 資金需給表は、銀行券の発行・還収(銀行券要因)、国庫金の受け払い等(財政等要因)、および日本銀行の金融調節によって、当座預金残高が決定される状況を一覧できるように作成しているものです。ただ、資金需給表は、日々の金融調節の理解を容易にするという目的上、日銀当座預金の動きに焦点を当てています。
 一方、「マネタリーベースと日本銀行の取引」は、例えば、銀行券発行や国庫金の受け払いも、それらがマネタリーベースの増減にどのように対応するかという観点から作成されています。

4.公表方法等

 「マネタリーベースと日本銀行の取引」は、毎月の計数を、翌月初第6営業日の8時50分に、書面およびホームページへの掲載により公表いたします。なお、準備が整い次第、金融経済統計月報にも掲載する予定です。

以上

本件に関する照会先

日本銀行企画室企画第1課

清水(3277-2812)、渡辺(3277-1553)

(別紙)

「マネタリーベースと日本銀行の取引」と日本銀行のバランスシートとの対応関係