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卸売物価指数の見直し方針

次回基準改定に向けて、ご意見のお願い

2001年 5月21日
日本銀行調査統計局

日本銀行から)

 以下には、全文の冒頭部分(はじめに)を掲載しています。全文(本文、図表)は、こちら (ron0105b.pdf 110KB) から入手できます。なお、本稿は日本銀行調査月報6月号に掲載する予定です。

はじめに

 日本銀行では、2002年末に予定している、卸売物価指数(以下WPI)の次回基準改定(現行の1995年基準から2000年基準への移行)に向けて、目下、同指数の見直しを進めております。そのうちの一部については、既に1999年中に見直し案を公表し、多数のユーザーの皆様から賛同のご意見を頂きました1

 —— 1999年中に公表した見直し案の骨子は、以下の2点です。

(1) 次回基準改定に併せて、「需給動向を敏感に反映する取引段階の価格を調査する」という指数の大原則に反しない範囲内で、商品の出荷額を実質化するデフレータとしての機能向上を図る。具体的には、国内WPIについて、生産者段階での価格調査の比率を引上げる2

(2) 国内WPIにおいて、既に生産者段階の価格の割合がウエイトベースで7割に達している一方で、「卸売物価指数」は「卸売段階の価格を調査した指数」であるとの誤解が少なからずみられる3。また、上記(1)の見直しにより今後生産者段階の価格の割合が上昇し、「卸売物価指数」という名称と実態との乖離がさらに拡大すると予想される。こうした状況を踏まえ、基準改定を機に、指数の名称を「企業間取引における価格を集約している」という指数の性格をより端的に示すと思われる「企業物価指数」に変更する。

 その後、私どもでは、同案の実現に向けた準備を進めるとともに、上記以外の点についても、見直しの余地がないか、指数全般にわたり検討して参りました。その結果、今般、見直しの方向性が固まってきたことから、その内容を追加的に公表し、広く皆様のご意見をお伺いすることとしました。

 つきましては、以下の見直し案をご一読のうえ、ご意見・ご提案がありましたら、本年8月10日(金)までに、下記までお寄せ頂きたいと存じます。私どもでは、頂いたご意見・ご提案を踏まえて、WPIの最終的な基準改定方針を作成し、本年秋頃を目処に再度公表したいと考えています。なお、最終方針を公表する際には、本見直し案に対して、皆様から頂戴したご意見等についても、併せてご紹介させて頂く予定ですので、匿名をご希望の方は、ご意見等をお寄せ頂く際に、その旨をお書き添え下さい。

  1.  見直し案の詳細については、「卸売物価指数の現状と見直し案について」(日本銀行調査月報1999年4月号)を、それに対して寄せられたご意見等の概要とそれを踏まえた対応方針については、「卸売物価指数の見直しに関する日本銀行の今後の取り組み方針」(同1999年11月号)をご覧下さい。
  2.  現行の国内WPIでは、(1)1次卸が自らの在庫を持ち積極的に需給調整機能を果たしている場合は、1次卸段階の価格を、(2)生産者から小売店ないしユーザーへの直売形態が一般的である(ないし卸売業者の価格決定への影響力が低い)場合は、生産者段階の価格を、(3)1次卸と生産者のいずれの段階でも需給を反映した価格が調査可能と思われる場合には、1次卸段階の価格を調査することとしていますが、2000年基準指数からは、デフレータとしてのニーズに配慮し、(3)の場合について、生産者段階の価格を調査することとします。
  3.  「卸売物価指数」という名称は、指数が発足した1897年当時、価格調査先の大半が卸売企業であったことに由来していますが、その後、わが国の産業構造の変化に伴い、生産者段階の価格を調査するケースが増加し、卸売段階で価格調査を行っている品目の割合は既に3割にまで低下しています。

本件に関する照会先

日本銀行 調査統計局 物価統計課 物価統計企画グループ

  1. (1)郵送:〒103−8660 東京都中央区日本橋本石町2−1−1
  2. (2)FAX:03−5203−7436
  3. (3)電子メール:post.rsd3@boj.or.jp

以上