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旅行サービスの計上方法の変更について

2006年7月4日
財務省
日本銀行

財務省・日本銀行は、我が国の国際収支統計について、サービス収支の内訳項目である「旅行サービス」の基礎データおよび推計方法の見直しを行い、本年7月13日に公表する2006年1〜3月確報(速報ベースでは5月分)から、現行のコンポーネント・アプローチから消費額アプローチに計上方法を変更することとしました。その概要は以下のとおりです。

1.現行の計上方法(コンポーネント・アプローチ)

従来、我が国の「旅行サービス」1 の推計は、旅行者が財貨・サービスの支払のために利用した決済手段に着目して行なってきました。具体的には、外国との間の受払金額(パッケージツアー代金等大口の受払)、外国との間のクレジットカードによる決済額、現地で使用された外貨・円貨(円貨と外貨との両替金額、訪日外国人が訪日前に取得した円貨や本邦のCD・ATMで引出した円貨の金額等から推計)についてのデータを収集し、これらを組み合わせて、旅行者が取得したと想定される財貨・サービスの金額を推計するという複雑なものとなっています2

他方、近年、支払手段の多様化等に伴い、これらの決済手段が「旅行サービス」以外に計上されるべき取引の決済に用いられる機会が増えたほか3 、留学生の支出は基礎データにおいて補足され難い4 といった点で改善の余地を残していました。

  1. IMF国際収支マニュアル(第5版)に基づき、旅行者がある経済圏(外国人の場合は日本、日本人の場合は海外)における1年未満の訪問期間中に訪問先から取得した財貨・サービスの金額を計上しています。
  2. 現行の計上方法については、財務省ホームページの「国際収支統計における旅行収支の算出方法の見直しに関するお知らせ(外部サイトへのリンク)」および本ホームページ「国際収支統計における旅行収支の計上方法の見直しについて」をご参照下さい。
  3. 例えば、外国との間のクレジットカードによる決済額には、近年、日本にいながら外国から財貨を購入するインターネットショッピングの決済代金が含まれるようになってきています(このようにして取得された財貨は、「輸入」に計上され、「旅行サービス」に計上されるべきではありません)。また、両替金額には、居住者による投資目的の両替額(居住者間取引であり国際収支統計の計上対象外)等が混入していました。
  4. 留学生の授業料や生活費に充てるための送金は、報告下限金額(3,000万円)超であれば、外為法令に基づいて日本銀行に提出される「支払又は支払の受領に関する報告書」により把握されますが、通常はより小額であるため、多くが捕捉漏れとなっている可能性がありました。

2.新しい計上方法(消費額アプローチ)

日本銀行は、2005年度に成田国際空港、関西国際空港において、訪日外国人旅行者および出国日本人旅行者に対して、旅行に関する消費額等についての調査(以下、旅行者アンケート調査)を行いました5

今般の「旅行サービス」の計上方法の変更は、当該結果を活用して行なうものです。具体的には、旅行者アンケート調査によって得られた訪日外国人旅行者、出国日本人旅行者一人当り消費額に、訪日外国人旅行者数、出国日本人旅行者数(国際観光振興機構「訪日外客数」、「出国日本人数」等により推計)を乗じることにより、旅行者が取得した財貨・サービスの消費額そのものを捉えることになります。

加えて、旅行者アンケート調査では十分に把握することが難しいと考えられる消費額については、その他の基礎データを用いて「旅行サービス」に計上します。例えば、滞在期間が1年以上となる長期留学生による消費額6 については、空港での旅行者アンケート調査では十分な精度を伴った回答を期待できないため、官庁等から公表されている長期留学生数や留学生一人当り消費額(授業料や生活費等)を用いて推計します。また、企業が顧客を訪日・海外旅行に無料招待する場合の宿泊費、本邦・海外での治療費等のうち、高額なものについては、引続き「支払又は支払の受領に関する報告書」により捕捉します。これらの消費額を旅行者アンケートに基づく消費額に加算することで全体の「旅行サービス」を推計します。

新しい計上方法の適用により、次のような点で統計精度の向上が図られます。

  1. 「旅行サービス」以外の取引に伴う金額が排除されます。
    例えば、外国との間のクレジットカードによる決済額に含まれていたインターネットショッピングの決済代金、両替金額に含まれていた居住者による投資目的の両替額等が排除されることとなります。
  2. 留学生による消費額がより適切に把握されます。
    短期留学生の消費額は、旅行者アンケートで把握し、1年以上滞在する留学生の消費額は、官庁等のデータにより推計します。
  1. 5旅行者アンケート調査の概要については、本ホームページ「訪日・海外旅行における消費額等の調査結果について」をご参照下さい。
  2. 6留学生及び医療患者が取得した財貨・サービスについては、滞在期間にかかわらず、旅行サービスに含まれます。

(参考) 新しい計上方法による2005年中の試算値

比較のために、2005年中の「旅行サービス」を、新しい計上方法を用いて試算した結果は次のとおりです。

  • 表

以上