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広義流動性の定例の見直しについて

2014年6月10日
日本銀行調査統計局

マネーストック統計のうち「広義流動性」について、定例の見直しを実施しましたのでお知らせいたします。

「広義流動性」は、金融経済構造が変化する中、統計精度の改善余地が大きいことが判明した場合にその都度見直しを行うことに加えて、原則として3年に1回を目処に、定例的に改定の要否につき精査し必要に応じ改定を実施することとしています。

なお、「対外資産負債残高統計」(2013年12月末)の公表等に伴う広義流動性の遡及改定を併せて実施しています。

これに伴い、2003年4月〜2014年4月までの計数を改定しています。改定後の計数については、以下をご覧ください。

  • 時系列統計データ検索サイト

今回の見直し内容

国債

  • 「国債」のうち、大部分を占める振決国債の推計方法を見直します。すなわち、通貨保有主体が保有する振決国債は、これまで、振決制度参加者に寄託されている振決国債の実際の保有者に関する調査(四半期末)および振決国債の業態別保有残高等に関する集計表(それ以外の月)を主要な基礎資料として推計を行ってきました。その際、一般法人や地方公共団体・地方公営企業の保有分については、一部の金融機関等を含む基礎資料のみ入手可能なため、これらの金融機関等の保有する国債を別途推計し控除することで、通貨保有主体の保有分を推計してきました。
  • この方法は、月次の基礎資料を利用するため速報性に優れる一方、金融機関等の国債保有額が通貨保有主体のそれを大きく上回る現状では、前者にかかる推計誤差が、後者の推計値に大きなインパクトを与え得るという問題点がありました。そこで、今回の見直しでは、一般法人等の保有分について、利用可能な範囲でバランスシート・データを用いて直接推計し、それが難しい場合のみ、振決制度参加者からの調査等を用いることとしました。
  • なお、見直し後の計数は、資金循環統計の部門を、広義流動性における「通貨保有主体」概念になるべく近づくよう組み合わせたもの(家計、民間非金融法人企業、公的非金融法人企業、地方公共団体、対家計民間非営利団体、非仲介型金融機関、ファイナンス会社の各部門)と、同じ基礎資料を用いて推計することとなります。広義流動性と資金循環統計のストック計数は、公表のタイミングや定義、作成方法などに差異がありますが(注)、こうした差異によるものを除けば、今回の見直しにより、両者の「国債」の計数の動きは整合的なものとなることが見込まれます。
  • 計数は、マネーストック統計の始期(2003年4月)まで遡って改定しています。
  • (注)広義流動性は、毎月の速報計数を翌月初に公表している一方、資金循環統計は、毎四半期の速報計数を、翌四半期の最後の月の中〜下旬に公表しています。また、広義流動性における国債保有残高は平残で額面ベースである一方、資金循環統計における国債保有残高は末残で時価ベースとなります。このほか、資金循環統計では国債保有額として計上される信託勘定の運用資産の一部については、広義流動性では「金銭の信託」に計上されています。なお、ここでの「国債」は、資金循環統計の取引項目としては、「国債・財融債」と「国庫短期証券」を合わせたものとなります。

投資信託

  • 通貨保有主体が保有する投資信託については、「国内銀行の資産・負債(信託勘定)」の基礎資料と「不動産投資信託の状況」により発行総額を算出したうえで、非通貨保有主体である金融機関等の保有分を控除することにより、計数を算出しています。この際、金融機関等の保有分については、「国内銀行の資産・負債等(銀行勘定)」の基礎資料、金融機関のバランスシート等を用いて算出しています。
  • このうち、金融機関等の保有分について、これまで控除していなかった中央銀行と短資会社の保有分も控除する方法に変更しました。この変更により、「投資信託」の推計精度の向上が図れます。
  • 計数は、マネーストック統計の始期(2003年4月)まで遡って改定しています。

照会先

調査統計局経済統計課金融統計グループ

Tel : 03-3279-1111(内線 3812)