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資金循環統計の改定値の公表について

2018年6月27日
日本銀行調査統計局

改定の概要

資金循環統計では、新たに入手した基礎資料や制度変更等を反映するため、遡及改定を年に1回実施し、あわせて推計方法の見直しも行っています。本年は6月に実施し、2005年以降の計数を改定しました。遡及改定値については、時系列統計データ検索サイトをご覧下さい。主な変更点と残高(2017年3月末時点)への影響は、以下のとおりです。

(1)投資信託受益証券

  • これまで、投資信託の保有者別内訳は、投資信託の発行残高から、財務諸表等を基に保有部門が推定できる分を控除した上で、残差(個別に特定できた各部門の資産合計と負債合計の差額)を民間非金融法人企業部門の保有分と仮定して計上していました。今回の見直しでは、金融機関の財務諸表データ、REIT(公募・私募)およびETFの残高に関する新たな基礎資料等を採用することにより、部門別の残高を精緻化した上で、残差を金融機関部門に幅広く帰属させるよう変更しました。この結果、主に中小企業金融機関等では上方に、家計部門や民間非金融法人企業部門では下方に改定されました。

(2)預金

  • 預金取扱機関が保有する預金(資産)の内訳(流動性・定期性・外貨)について、これまでは、「預金者別預金」等から得られる預金種別比率を用いて、財務諸表から得られる預金総額を按分することで算出していました。今回の見直しでは、按分の対象とすべき預金の範囲を精緻化し、按分方法を見直しました。この結果、中小企業金融機関等の流動性預金が下方に、定期性預金が上方に、それぞれ改定されました。このほか、新たな基礎資料の利用により、証券会社、家計、地方公共団体についても、項目別分類を精緻化しました。これらの見直しにより、残差部門である民間非金融法人企業では、定期性預金が下方に改定されました。

(3)対外直接投資

  • これまでは、投資主体別の対外直接投資のうち、金融機関分は、基礎資料の制約から、「対外直接投資残高(地域別・業種別)」から入手できる「金融・保険業」向けの直接投資総額から推計し、保険部門の投資額を控除した上で、財務諸表の外国証券の保有率により按分して内訳部門の残高を推計していました。今回の見直しでは、業態別の対外直接投資比率に関する基礎資料を新たに採用することで、内訳部門を含む金融機関の対外直接投資の計数を精緻化しました。この結果、主に農林水産金融機関や中小企業金融機関等では下方に、ファイナンス会社や金融持株会社では上方に改定されました。

照会先

調査統計局経済統計課金融統計グループ

Tel : 03-3279-1111(内線 3951)