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銀行融資中心の金融システムと企業統治−金融自由化によって銀行の機能は脆弱化したか− 2006年 3月 要旨第二次大戦後の日本の金融システム、とりわけその企業金融の側面は、銀行融資を中心に機能してきた。広く専門家たちの間で流布している通説は、銀行が融資取引を基盤として取引先企業の経営に深い影響を及ぼし、経営に規律を与え、急速な経済発展を支える役割を担ったと論じてきた。しかし1980年代末のいわゆる「バブル」を契機に、銀行融資に基盤をおく日本の企業統治の深刻な欠陥が露呈した。通説は、この失敗の原因を80年代初頭から推進された金融自由化、とくに社債市場の自由化が、融資取引関係を弱体化させたことに求める。この論文は、銀行中心の企業統治メカニズムに関するこれらの定説を批判的に展望し、その批判を支持する実証分析を示すことを目的としている。まず論文の前半は通説に対する批判的な議論を整理する。そこでは80年代以降の金融自由化が銀行と企業の融資取引関係に及ぼした影響を巡る議論に焦点を合わせ、金融自由化が企業統治における銀行の機能を弱体化させたとする通説の問題点を指摘する。論文の後半は多数の製造業に属する上場企業(店頭登録企業を含む)を標本として、80年代以降の企業の社債発行が、企業統治における融資取引関係に及ぼした影響を実証的に分析する。実証分析の結果によれば、金融自由化の結果、80年代から90年代にかけて企業統治における銀行の機能が低下したという仮説は棄却される。むしろこの論文の実証分析は、1970年代にも、80年代以降と同様に、銀行との融資取引関係の有無が企業統治の有効性に影響を及ぼすことはなかったという仮説を支持している。
<日本銀行から> 日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。 |
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