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期間構造や予測力からみたインフレ予想指標の有用性

2024年5月2日

企画局 長田充弘、中澤崇

要旨

本稿では、様々なインフレ予想の指標について、期間構造や予測力の観点からみた特徴を整理する。第一に、インフレ予想指標を年限別にみると、短期のインフレ予想については、経済主体別で比較的似た動きをしている一方、中長期のインフレ予想はその見方の異質性が大きい。第二に、先行きの物価上昇率に対する予測力という観点では、長い年限のインフレ予想指標ほど大きな水準バイアスがみられるものの、そのバイアスを取り除けば多くの指標が予測力を有する。また、期間構造や予測力を踏まえた集計指標を作成すると、中長期的な予想物価上昇率が、このところ緩やかに上昇していることが確認された。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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