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質問チェンマイ・イニシアティブ(CMI/CMIM)とは何ですか?

教えて!にちぎん

回答

2000年(平成12年)5月のASEAN+3の合意に基づき、2003年(平成15年)までに、日中韓およびASEAN5か国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の間で、2国間の通貨スワップ取極が多数締結され、アジア域内を広くカバーする通貨スワップ取引ネットワークが構築されました。これは、ASEAN+3の会議が開催されたタイの地名を取って、チェンマイ・イニシアティブ(CMI、Chiang Mai Initiative)と呼ばれています。

チェンマイ・イニシアティブは、域内のある国が対外支払いに支障をきたすような流動性の困難に直面した際に、他国が通貨交換(スワップ)の形式により、外貨資金の短期的な融通を行うものです。集団的な金融支援体制として、為替相場の急激な変動を抑制し、為替・金融市場の安定を確保することを目的としています。

日本銀行は、財務省と協力しつつ、実務を担う立場からこうした取り組みに積極的に関与しています。

チェンマイ・イニシアティブのマルチ化

2009年(平成21年)には、より発展した枠組みとして、「チェンマイ・イニシアティブのマルチ化(CMIM、Chiang Mai Initiative Multilateralisation)」も合意され、翌年に発効しました。多数のメンバー国が単一の通貨スワップ取極に合意することで、通貨スワップ発動に必要な手続きが共通化され、メンバー国が保有する外貨準備を危機時に多国間で迅速・円滑に融通し合うことが可能になりました。また、従来のチェンマイ・イニシアティブの通貨スワップ取引ネットワークに参加していなかったブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの5か国も新たに加わり、ASEAN+3の全13か国が参加するネットワークとなりました。

2014年(平成26年)の改訂を受けて、引出可能総額が倍増されるとともに、IMFデリンク割合(引出可能上限額に対して、IMFプログラムなしで発動可能な割合)が従来の20%から30%に引き上げられたほか、新たに危機予防機能も導入されました。

2020年(令和2年)には、(1)IMFデリンク割合の30%から40%への引き上げ、(2)融通する通貨としての現地通貨の活用、(3)参照金利となるLIBOR廃止ほかその他技術的論点への対応といった事項に関して、合意がなされました。

関連ページ

チェンマイ・イニシアティブに関する日本銀行の公表資料については、海外中銀との協力ページの中の「財務大臣代理人として締結した通貨スワップ取極等(チェンマイ・イニシアティブ等)」をご覧ください。