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質問補完当座預金制度とは何ですか? 日本銀行当座預金にマイナス金利を適用することが金融市場に与える影響を教えてください。

教えて!にちぎん

回答

補完当座預金制度は、日本銀行が受け入れる当座預金等のうち、いわゆる「超過準備」に利息を付す制度です。2008年(平成20年)の制度導入以降、長らくプラスの金利が適用されていました。その後、2016年(平成28年)1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が導入されたことにより、「超過準備」部分を含め、日本銀行当座預金は3階層に分割され、それぞれの階層ごとにプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利が適用されることになりました。

こうした3層構造は、短期金融市場においてマイナス金利による取引を生み出す原動力となります。例えば、マイナス金利が適用される「政策金利残高」を有する金融機関は、その適用金利を上回っていれば、たとえマイナスのレートであっても、金融市場において他の金融機関に資金を貸し出すインセンティブを持つことになります。余剰資金をそのまま当座預金として保有するよりも収益が改善するからです。

もし、「政策金利残高」が全体として増加すれば、その分、マイナス金利で運用し得る余剰資金が増加し、短期金融市場の金利に低下圧力がかかります。逆に、「政策金利残高」が全体として減少すれば、その分、金利に上昇圧力がかかります。

基準比率

国債の買入れオペ等によって日本銀行当座預金の残高が全体として増加した場合、通常、マイナス金利が適用される「政策金利残高」も増加しますが、これを放置すれば、短期市場金利が大幅に低下したり、金融機関の収益を過度に圧迫する惧れがあります。

このため、日本銀行では、当座預金残高のマクロ的な増減に応じて、ゼロ金利が適用される「マクロ加算残高」を増減させ、結果的に、「政策金利残高」の規模が大きく変動しないようにしています(プラス金利が適用される残高については、ほぼ一定の値に固定される仕組みとなっています)。

具体的には、日本銀行において全ての金融機関に一律に適用される「基準比率」を決定したうえで、これを各先の2015年の当座預金残高(平均残高)に乗じ、その金額をそれぞれの「マクロ加算残高」に加えることとしています。この「基準比率」については、短期金融市場における取引の動向を踏まえ、資金過不足の季節的な変動も勘案しながら、原則として3か月に1回、見直しを行うこととしています。

対象先

補完当座預金制度の対象先は、銀行、証券会社、短資会社など、日本銀行当座預金取引先である金融機関です。ただし、日本銀行に当座預金口座を保有していても、清算機関や政府系金融機関など、例外的に補完当座預金制度の対象外とされている先もあります。投資信託、保険会社などは当座預金口座を保有していないため、本制度の対象ではありません。

関連ページ

3階層の残高については、「業態別の日銀当座預金残高」をご覧ください。基準比率や補完当座預金制度の改正については、「補完当座預金制度」をご覧ください。