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総裁談話・徳陽シティ銀行について

平成 9年11月26日
日本銀行

1.本日、徳陽シティ銀行及び仙台銀行より以下の連絡を受けた。

  1. (1)徳陽シティ銀行は、これまで資産内容の悪化、業績不振に対処すべく、経営再建のための自主的な努力を続けてきたが、最近では株価が下落するなかで、預金の流出等が生じ、資金繰りが行き詰まる状況となった。
  2. (2)今後、徳陽シティ銀行につき、預金保険機構に対し不良債権の買取りを含む資金援助を要請するとともに、七十七銀行をはじめとする宮城県内及び県外の金融機関へ一部の資産・預金等の譲渡を行う前提で、仙台銀行へ営業譲渡を行うことについて基本的な合意が得られた。
  3. (3)このような事態を招いた経営責任を明確にするため、徳陽シティ銀行の早坂会長、新井田社長は辞任する。
  4. (4)営業を譲り受ける仙台銀行は、既に劣後ローンの取り入れを行ってきているが、更にその額を積み増すことにより、経営基盤の強化を図る方針である。

2.今回、新たに金融機関の経営破綻が発生したことは誠に残念であるが、破綻に伴う地域経済への影響を最小限に抑えるとの観点から、仙台銀行、七十七銀行をはじめとする宮城県内及び県外の金融機関の協調の下、今般の処理方策が合意されたことは、預金者保護及び金融システム安定化の観点から望ましいものと評価している。

 日本銀行としても、わが国金融システムへの信頼を確保するため、今後、早急に処理策の具体化が図られるよう関係者と協議を行い、その円滑な実施に協力していく所存である。

3.徳陽シティ銀行の預金は譲渡先の各金融機関に引き継がれることとなり、全ての預金が保護されることとなるので、預金者におかれては心配されることなく、良識ある行動をとられることを強く希望する。

4.なお、営業譲渡までの間、徳陽シティ銀行においては通常どおりの営業を継続することとしており、この間必要な場合には、日本銀行は日本銀行法第25条に基づく貸出を行い、所要資金の確保に万全を期す考えである。

以上