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政策委員会議長記者会見要旨 (2月12日)

1999年 2月15日
日本銀行

—— 平成11年 2月12日(金)
午後 7時30分から約50分間

I.冒頭説明

—— 政策委員会議長(速水総裁)が「金融市場調節方針の変更について」を読上げ。

II.質疑応答

【問】

短期市場については逼迫感が和らいできているにも関らず、この時期に短期市場金利を低め誘導する理由は何か。

【答】

さらに一層潤沢な資金を出して、コールレートの誘導目標を引下げることによって、金融緩和が一層進むというふうに考えている。そのことは、必ずや企業等の必要な資金を満たしていくことになっていくと考えている。

【問】

短期市場金利を低め誘導することが、長期金利の上昇を防ぐことに繋がると考えているのか。

【答】

それは、必ずそうなるとは言えない。そこまでの確信はない。ただ、短期金融が緩んでいるということは、ご承知のようにターム物などの金利は直ちに影響を受けると思うし、長期の金利についても間接的ではあるが少し引下げる方向に影響が及ぶことを期待している。

【問】

今回の一連の議論の中で、公定歩合の引下げという選択肢はなかったのか。

【答】

公定歩合というものは、ご承知のとおり、96年以来あまり実態的な意味を持っていないものだと思う。先般「臨時貸出制度」──市中銀行の貸し渋り対策のひとつとして、貸出が増えた先に対してその50%を日本銀行からその金融機関に貸すという制度──を作ったことはご承知のとおりであるが、その金利は今までは0.5%であったが、それを0.25%に引下げた。これは公定歩合ではないが、臨時の貸出制度に対してこれを実効あるものにするためには、市場金利が下がる訳であるから、こちらの方も0.5%から0.25%に引下げることを決定した。

【問】

昨今、国債買い切りオペの増額、量的金融緩和を推進するべきであるとの議論が出ているが、本日の決定との関係はあるのか。また、どのような議論が本日の金融政策決定会合の中で行われたのか。

【答】

いろんな議論が出た。まず、問題になっている国債の買い切りオペを増やすということについては、全員が「従来通りのやり方で良い」ということであった。それから、「それではこれからどういう金融調節をしていくのか」ということについては、私どもは、これまで翌日物の無担保コールの金利をどういうふうにリードしていくか、調節していくかということを政策委員会から金融市場局に指示として出していた訳である。それを今まで0.25%前後と言っていたのを、できることならば引下げていくという方向で、一遍に引下げると市場に混乱が起こる可能性もあり、──初めての経験であるから、どういうことが起こるかちょっと分からない面もあるので──取り敢えずは0.15%前後を目指し、その情勢をみてさらに引下げるのであれば、徐々に一層の低下をさせていくと、その辺のやり方についてかなり議論はあった。

それから、今の量的な拡大を図ったらどうかという意見もあった。それから、これだけ下げると国民にご迷惑をかけるというような意見もあった。そういうものに対して、それぞれ議論もしたが、今私どもがやるべきことは、一層の潤沢な資金供給をやって、政府も色々景気対策を作って、あるいは税制改革もやって、これからは民間の──企業と家計と両方あると思うが──コンフィデンスを回復することが、これからの景気を上向きにしていくか、底這いでいくのか、その辺の分かれ目であるというふうに、私どもは考え、──政府もそういう判断を持っていると思うが──、そういうもののひとつとして今何が良いか、私どもにできるのは何か、ということを議論をした結果、今できる最大限の金融面でのサポートはこれだ、ということで短期金利をここまで下げるということに決めた訳である。

【問】

賛成多数ということであるが、何対何だったのか。また、反対の意見というのは、預金金利への悪影響ということだけだったのか。あるいはそれ以外にも反対の意見として何かあったのか。

【答】

何票であったかというようなことはいずれ(議事)要旨が発表になると思うので、今日はここではお答えは出来ないので、ご勘弁頂きたいと思う。

今回のことをやることによる副作用として預金金利がまた下がるかもしれないと、そういうことに対して本当に国民の方々にはここまで下がっているのをさらに下げていくというのは、特に金利収入に依存しておられる家計の方々には厳しいことは私も十分承知しているつもりである。

しかし、最近の経済情勢をみると、雇用、所得環境が一段と悪化しているし、このことは景気の悪化が総体としての家計部門にもマイナスの影響を及ぼしているということを意味していると思う。そういうことを考えると、現在は日本経済を出来るだけ早く回復軌道に乗せるということが重要であるという判断をした訳である。

今回の措置で短期の市場金利がどの程度下がっていくかということはまだ分からないが、預金金利がそうした市場金利の動向等を踏まえて、これを各金融機関がどのようにお決めになるかにかかっているというふうに思う。

【問】

国債の買いオペを増やすことについて、全員が従来通りで良いという意見になったということであるが、何故これで良いという議論になったのか。政府から色々な声が出ていたことについては、何らかの議論が出たのか。

【答】

特に政府がこう言っているからとか、政府がこういう意見を出しているということは議論にはなっていない。それから、国債の買い切りオペの増額というのは、——日銀の引き受けということと、どんどん買い切りオペをやるということとは、私は効果は同じだと思うので、むしろ私ども中央銀行——どこの国でもそうであるが——は国債を中央銀行が引き受けるとか、あるいはどんどん買うというのは、そのこと自体財政の節度を失うことになるし、国債の価値もむしろそのことによって価格が下がる可能性もあるし、金利が上がる可能性も十分あると思う。このことは、単に日本銀行の信認だけでなくて、日本の信認にかかわってくるということを私どもは懸念をし、心配をしている訳である。そういう意味からも、買い切りオペの頻度と金額については、従来同様月2回2千億円ずつというのを続けて参りたいと思っている。銀行券の今後の動きがどういうふうになっていくか分からないが、ここ数年長期的にみて銀行券に見合う長期国債の買い切りオペを続けてきた、そのやり方を今後も続けていくということで、ここへきてそれ以上に買うということはしない方が良いというのが皆の一致した意見である。

【問】

既に金利はこれまでに0.25%まで低下し、日によってはもっと低い時もあった訳だが、デフレの悪化を回避するうえで、具体的にどういうチャネルを経由して今次措置が効くのか。資金需要はそんなにないようであるし、金融システムの方も和らいでいるようであるし、この引下げがどういうふうにして効いていって、最終的にはその目的であるデフレ悪化の回避を果たせるのか説明して頂きたい。また、場合によってはオーバーナイト金利をさらに引下げていった結果、ほとんど0%も容認するということなのか。

【答】

古今東西、これだけの低金利というのは他になかったと思うし、私どもとしても経験したことのない低い金利水準で市場を形成していくということである。しかし、それをやることによって金融緩和が進み、潤沢な資金が流れていくということであるので、ここは思い切って0.25%をさらに下げていくということを決めた訳である。下げる方法が色々あることは申すまでもないが、ただ一遍に下げて市場が混乱するようなことが起こるといけないので、その辺は当面は0.25%を0.15%位のところまで下げて、それで市場の反応が——市場機能が混乱を起こさないということが確認されれば、またさらに下げていく。次回の金融政策決定会合において、その後の情勢を良く聞いたうえで今後のことは決めていくけれども、方向としては0.15%に止めることなく、さらに一段の引下げをやっていくという方針、方向を本日決めた訳である。

【問】

長期金利との関係であるが、先程下がる方向に動くことを期待したい旨おっしゃったが、どうして下がる方向に動くのか。

【答】

金融が緩んでいけば、短期の金融市場も長期の金融市場も資金は同じ資金が流れる訳であるから、──それは必ずそうなると確信を持って申し上げる訳にはいかないが──、そういうふうに長期金利について引下げの方向に影響を与えていくことを期待しているというところである。

【問】

その期待には何か根拠があるのか。今まで日銀はそういうことは出来ないと言っていたのではないか。

【答】

直接長期金利を動かすことは出来ない。だけれども市場が緩んでいけば、先程申し上げたようにターム物などは下がっていくであろう。それから先は長期金利にいってもおかしくないのではないかというふうに思っている訳である。

【問】

結局、国債では突っ張った訳であるが、見様によってはアメリカや永田町の金融緩和圧力に屈した形にも見える。その辺、反論があれば伺いたい。またこのところそうした圧力が外部から続いたことの感想も伺いたい。

【答】

私どもは、特に国債について色々意見が分かれるのは自然のことだと思うが、中央銀行の立場で国債を引き受けるとか、長期国債をどんどん買うというのようなことは、常識を逸したご意見ではないか——他の国の中央銀行でもそういう気持ちではないか——というのは間違いのないところである。

昭和7年に高橋是清蔵相が満州事変の時に長期国債を日銀が引き受けることを決めて、その後軍国主義になり、戦争に負けて終戦処理になり、その都度日本銀行がお札を刷って、国庫の要求に応じて資金を出していった——そういうことが戦後のハイパーインフレとなった。

私は昭和22年に日本銀行に入行したから、あの時の辛さを十分知っている。こういうことをしてはいけないということもこの頃痛いほど分かった。それがドッジラインで漸く財政が健全化して、日本の戦後の経済復興が進み始めた訳である。深井英五総裁が「回顧70年」という本を書いておられ、その中にも、海外の中央銀行の総裁方に会って、「日本銀行で国債を引き受けている」と言ったら、非常にびっくりしたような顔をして、「そうか」と言って、「ご成功を祈ります」と小さい声で言われたということが書かれているのを読んだ記憶がある。

また、1914年、ドイツで当時の中央銀行が国債の引き受けを行うことが決められたことによって、第一次大戦後の物凄いハイパーインフレを味わって、それで欧州諸国が国債の引き受けは決してやるべきことではないということを身をもって知ったのだろうと思う。

そういうことがあるし、これは期限を切る、あるいは金額を限定するといっても、出始めるとなかなか2年、3年で止められるものではないと私は思っている。そういうことからも、このことはやるべきことではないということは、国会でも言ってきたし、あらゆる機会を捉えて中央銀行の立場を申してきたつもりである。

【問】

先程の質問にあった「今回の新たな金融緩和がデフレ回避に働いていくメカニズム」という部分については、抽象的な説明しかなかったと思ったが、具体的に説明して頂きたい。

【答】

一段の金融緩和をすることによって、おそらく市中銀行は安い(金利の)資金を調達して、あるいは不足しているところはその資金で埋め合わせをして、貸出に回していくことになると思うし、そのことが民間企業の設備投資とか、あるいは新しいベンチャービジネスを始めるとか(に繋がり)——これから日本経済を興していくのは、そういう民間の企業と家計の消費の動向だと思う。

住宅などはかなり金利も下がって、今増えてきたということを聞いているし、そういう経済、特に民間経済(において)——政府の方はかなり思い切った税制の改革もやり、減税もやり、公共投資も大きなものを組んでいる——金融が民間の企業や家計を動かしていく——コンフィデンスを持たしていく——ということが、経済がデフレを回避して、景気が上向いていくかどうかを決める要因になるというふうに考えている。金融面からのサポートをしたというふうに考えて頂いて結構だと思う。

【問】

発表文でも触れているが、「マネーサプライの拡大を促す」という量的拡大を政策として前面に出していくということか。

【答】

マネーサプライも増えていけば良いと思う。

【問】

何らかのターゲットはあるのか。

【答】

それは持っていない。

【問】

確認の意味で伺うが、今回の金融緩和は国債の買い切りオペ増額という政治からの圧力をかわすための方策ではないのか。

【答】

それとは全く関係ない。

【問】

そうだとすると、昨年11月の金融政策決定会合では、0.15%への引下げ提案が否決されているが、その時と現状との違いは長期金利以外に何かあるのか。

【答】

景気がデフレ・スパイラルになるかもしれないし、11月から12月、1月と2か月経って、下がっていく方のブレーキはかなりかかってきたようには思うが、まだ下がりつつあることは間違いないし、仮に底をついたとして、それが底を這っていくのか、上に上がっていくのかというのは、正にこれからの民間の企業家および家計の動き方、コンフィデンスにかかっていると思うため、今金利を下げて、資金を豊かに出して、そういう方々の経営——新しい設備投資なり新規の事業を始めること——への踏み切りをつけてもらう、あるいは家計でもこの辺で今まで買い控えていた耐久消費財を買ってもらうというようなことは出来るのではないかと思う。

これまで「タンス預金」で、銀行券が出る割には貸出が増えていないといったようなことがもう少し前向きに変わっていけば良い——そういう兆候は既に出始めているように思う。

【問】

今のご説明では昨年の11月下旬よりも今の方がデフレ・スパイラルに陥る危険性が高まっているという理解で良いか。

【答】

あれから良くなった面も少しはあるが、全体としてはまだ下りカーブである。

【問】

内外の圧力に屈したとみられるようなタイミングで金融緩和を行ったことで、逆に日銀のコンフィデンスが下がって、長期金利が上がってしまうとか、ターム物短期金利もコントロールが効かなくなるといった懸念についての議論はなかったのか。また、総裁はどのように判断しているのか。

【答】

そういう議論は出なかったし、私どもはここで一層潤沢な資金供給を行うことによって、これから民間経済を中心に上向いていくことを期待し、願いながら、こういう措置を決めた訳で、皆さんの議論の結果、その方向に賛成をされて、こういう決定が行われた。私は、年度末を控え、今のタイミングにこれ位のことをするのは、でき得る最大のことを行ったと思っている。外から圧力を加えられたことは全くない。

【問】

今回の措置の具体的な要因としては、長期金利と為替相場が書いているが、これは去年の12月から出ていた話で、それを理由に今こういう緩和を決定されるということは、逆に言えば、長期金利に対する危機感が足りなかったとも思えるが、その辺はどういう認識であったのか。

【答】

長期金利に対する危機感が足りなかったというのは、私もよく分からないが、経済のその後の推移を2か月経ったところでみて、思ったように底をついて上がってくるというところまでいっていない訳であるので、この時期に何を行うべきかということを議論した結果、一段の金融緩和をして、かなり潤沢な資金供給を行うことが日本銀行の今やるべき政策ではないかという決断をした訳である。

【問】

最近の円高気味の展開ということも景気の先行きに対してマイナスという認識で良いのか。

【答】

輸出業者にとっては、円高になれば、売上げも減るし、儲けが減ることも確かである。急激な円高が困るということは言えるのではないか。

【問】

このところの為替相場は110円台で、そう大きな振れはないと思うが、先月の金融政策決定会合では、そうした結論を出さずに、今回こうした結論を出したのは何故なのか。また、今の113~114円の水準は、円高気味であるという判断を日銀はしているのか。

【答】

これは(昨年)9月以降の動きとして、円高の傾向があったことは確かである。為替だけで今回の措置を決めた訳ではないので、おっしゃる質問は的を得ていないのではないかと思う。

【問】

先程から話を聞いていると、利下げという金利の要素と潤沢な資金という量の部分が混在しているように見受けられるが、目標は金利を下げることなのか、あるいは潤沢な資金を供給して、その結果金利が動くという意味合いなのか。

【答】

資金を供給することが狙いなのであって、そのために低い金利を目標にして資金を出していくということであるから、金利を目標にしているか、資金・量を目標にしているかということはどちらがどうということではない。コールの無担保オーバーナイト物を基準にして、資金を出していくということである。

【問】

0.15%で止まっていればこれまでの日銀の金融政策の延長線上にあると思うが、その後の市場の状況を踏まえながら徐々に一層の低下を促すというのは、非常に抽象的で、いつどれだけの水準にしていくのかということが曖昧である。こういう状況で、今後金融市場は日銀の金融政策をみていかなければいけない訳であるが、マーケットがなかなか落ち着かないのではないか。

【答】

非常に落ち着かなくなって、市場が小さくなっていくようなことがあれば、0.15%にしてみて、そこでもう一度考えてみてもよい。その情勢をみたうえで、ここにも書いてある通り、その後市場の状況を踏まえながら、徐々に一層の低下を促すということである。この0.15%とか0.1%を割ったような金利が出てきたときにどういうことが起ってくるのかということは、実際問題として私どもも読み切れないところがある。コール市場というのは、日々の活発な市場であるので、その辺のところは一挙にどかんと下がって、麻痺してしまうようなことが起こっても困るので、一応0.15%を目標にして下げてもらって、その辺で市場の動向をみながら、今後のことを決めていくしかない。しかし、方向としては、さらに下げていくのが望ましいということである。

【問】

緩和方向での金融政策はこれで打ち止めということで考えて良いのか。あるいはなお緩和方向で余地はあるのか。

【答】

これはここまでやってみてなお緩和する必要があるということであれば、別のことを考えなければならないと思うが、私どもはずっと無担保オーバーナイトコールレートを金融調節のメルクマールに使ってきた訳なので、それをもう少し下げて資金の供給を増やしていくということを決めた訳である。

【問】

今回0.25%前後から0.15%にターゲットを引き下げた訳だが、前回0.25%に引き下げた時に「必要があれば流動性をどんどん供給し、その時は金利のターゲットにはこだわらない」といった一文があったかと思う。一方、最近の日々の調節をみると、0.25%をあまり下回らないようにするというような調節も見受けられる時もあり、そこからいくと今回ターゲットを引下げなければならないほどの危機感といったものを日々の調節からはあまり感じられない。逆に言うと、これだけ流動性を供給しなければいけない状況であると言っても、これまでの金融政策の中でも流動性の供給はできたのではないか。

【答:黒田理事】

只今お話にあったのは、9月の段階でのディレクティブの「なお書き」のことだろうと思うが、あそこで想定していたのは、金融市場──当時海外の金融市場も大変不安定な状況で、国内の金融市場もそれとの関連もあって不安定な状況にあった──が例えば、突然非常に混乱した状況になったような場合にこの「なお書き」部分を発動しようと、そういう備えで書いてあった訳である。今までその「なお書き」は発動されずにきている。これに対して、今回の措置は、何かあった時のための備えということではなくて、金融調節スタンスということで決められたものと理解している。

【問】

この緩和の方針の提案者は、総裁ご自身だったのか。

【答】

これは、議長提案であった。

【問】

ゼロ金利やマイナス金利というのは、視野に入っているのか。

【答】

0.15%前後までもっていって、そこからまだ下げられるということであれば、まだまだ下げていくと思う。それがゼロまでいけるかどうか──ゼロということは、私どもでは想像できない状態であるので、そこへいくかどうかというのは、この時点では申しかねる。

【問】

さらに下げた場合でも、ある段階までいったら特定の目標レートというのは設定するのか。

【答】

当初は0.15%前後を目指し、その後市場の状況を踏まえながら、一層の低下を促すということを指示しているので、その後の市場の状況がさらに下げられるようであれば、下げていくことになると思う。

【問】

国債の買い切りオペだが、日銀券の伸びに沿ったということだと、今回の金融緩和によって、伸びた場合は当然増額していくという理解で良いか。

【答】

ここ数年の数字をご覧になったら分かると思うが、だいたい5、6年でみて、銀行券の増加額と買い切りオペの金額とは、だいたい見合っているはずだと思う。そういう方向で今いくら銀行券が増えたから、いくら買うと言うのではなくて、──今のところ毎月2回の買い切りオペで、1回は2千億円ずつということで進んできているので──、銀行券の動きが非常に長期にわたって変ってくるようなら、金額が変っていくと思う。

【問】

銀行券の伸びが、今足元では減っているが、減った場合は国債買い切りオペを減らすという理解で良いか。

【答】

それはかなり長期でみていくつもりでいるので、当分は今の頻度と金額は変わらないと思っている──変えないつもりでいる。

以上