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総裁記者会見要旨( 9月28日)

平成11年 9月28日・IMF/世銀総会終了後の記者会見要旨

1999年 9月30日
日本銀行


―― 於・ワシントン         
平成11年 9月28日(火)     
午後 5時30分から30分(現地時間)

・冒頭、総会における総務演説の模様を紹介したあと、質疑応答。その概要は以下の通り。

(問) G7後のステートメントの解釈(追加的な緩和をシグナルするものか、政策変更はしないというメッセージなのか)を巡って、市場には却って混乱が生じたように思う。改めて聞くが、今回のステートメントは、21日の公表文の繰返しなのか、それとも、追加的政策余地を示唆するものなのか。

(総裁) 金融政策運営は、常に、情勢の変化に応じて適切に対応すべきものである。私どもとしては、現在、ゼロ金利政策のもとで豊富な資金供給を弾力的に行いつつ、為替変動の影響も含め、金融経済情勢に応じて、適時・適切に対応する、という方針をとっている。私どもの基本的な考え方を今一度申し上げれば、次の4点である。

(1)日本銀行は、ゼロ金利政策のもとで潤沢な資金供給を行っている。

(2)日本銀行としても、最近の急激な円高の進行が、企業収益等を通じて景気や物価に与える悪影響を懸念しており、この見方は、政府とも共有されている。

(3)金融政策運営については、引続き、現在のゼロ金利政策のもとで、豊富で弾力的な資金供給を行い、為替変動の影響も含め、金融経済情勢に応じて、適時・適切に対応していく方針である。

(4)ゼロ金利政策の効果浸透をより確実なものとする観点から、調節手段の拡充についても検討していく。




(問) 21日以降、政策運営に当り、為替の変動をより強調するようになったのか。

(総裁) 繰り返しになるが、私どもは、「ゼロ金利政策のもとで豊富な資金供給を弾力的に行いつつ、為替変動の影響も含め、金融経済情勢に応じて、適時・適切に対応する」こととしている。

     こうした方針のもとで、具体的な金融政策運営については、情勢を総合的に点検し、適切に対処してまいりたい。

     言ってみれば、ドアをオープンにして新しい情勢に対応していく、ということである。




(問) 今「新しい情勢」と言われたが、それは具体的にはどういうことか。

(総裁) どういう情勢の変化が起こるかは予見できない。例えば、期末を越えたらどうなるかわからないが、その情勢に応じ、弾力的に、適時・適切に政策を打出したい、ということを申し上げたかったのである。




(問) 日本経済の成長にとって現在主要な脅威となっているのは何か。

(総裁) 民間需要に自律的な回復の動きが見られていない。消費は少しずつ増加していきそうだが、設備投資がどうなるか。新しい産業(IT、バイオ産業等)が成長してくれば、雇用吸収につながるものと期待している。




(問) 資金が豊富に供給されている現在の金融市場を考えると、量的緩和の議論は意味がないと考えるか。

(総裁) ゼロ金利のもとで、これまでかなり潤沢に資金を供給してきた。こうした資金が適切な所に回っていくかを、見ていかなければならない。市場の発達に伴い、オペ手段を充実させていくことが中央銀行の使命だと考えている。最近ではオペの札割れが見られているが、こうした状況を踏まえ、ゼロ金利のもとで豊富で弾力的な資金供給を確実に行っていくために、オペ手段の充実が重要である。




(問) 小渕総理が「日本銀行は独立していても、独立独歩になってはならない」と言ったが、これに対する総裁の感想如何。また、金融政策の解釈を巡る、市場の混乱についてコメントを頂きたい。

(総裁) 小渕総理が何をおっしゃったのか確認していないが、私どもは、新日銀法のもとで、独立性とアカウンタビリティを心にとめている。政策決定会合で政策が決められ、決定したことについても、約1ヶ月後に討議の内容を発表している。

     市場の混乱というお話だが、私は市場に混乱が起きているとは思わない。株価等は順調に推移しているのではないかと思う。




(問) Greenspan・FRB議長は昨日の講演の中で、「日本の金融システムは多様性が欠けており、それゆえ流動性が不足している」と述べている。総裁は、金融緩和と金融システムの多様化は、同時に達成可能と考えておられるか、それとも順番があるとお考えか。

(総裁) 日本の金融システムは、長い間、銀行中心の間接金融であったが、これからは、債券・株式市場を通じた(投資家と企業が直接市場で取引する)直接金融が望ましい。Greenspan議長がどう言われたかは承知していない。今回の一連の会議では、各国がお互いに、いろいろなテーマについて、率直に意見交換をおこなった。そうした意見交換を通じて、相互に理解が深まったものと信じている。

以  上

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