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全国労働金庫協会・連合会通常総会総裁挨拶

(小池理事代読)

2001年 6月28日
日本銀行

 本日は、全国労働金庫協会・連合会通常総会がかくも盛大に開催されましたことを、心よりお慶び申し上げます。

 労働金庫の皆様におかれましては、勤労者の福利共済活動を支える金融機関として、広く社会に貢献してこられました。また、日頃から、私ども日本銀行の政策や業務の運営に多大なご協力を頂いており、本席をお借りして厚く御礼申し上げます。

 さて、本日は、私どもの金融政策決定会合の開催日に当っておりますが、決定会合の前後はこのような席で金融政策に直接言及することを差し控えることとしておりますので、この場では金融システムを巡る問題について、私どもの考え方を申し述べたいと思います。

 労働金庫業界では、主に勤労者を対象とした住宅ローン等の貸出業務を展開されておられますが、かねてより信用リスク管理に努めてこられた結果、現状、不良債権問題の経営への影響は比較的軽微と伺っており、大変心強く感じております。

 ただ、残念ながら、わが国の金融システム全体としてみると、不良債権問題の解決に向けて、なお多大な努力を要する状況にあります。不良債権問題は企業等の過剰債務の問題と裏腹の関係にあり、その意味で不良債権問題の克服は、単に金融システム自体の健全化に止まらず、わが国経済の持続的な成長軌道への復帰を実現していくためにも、重要な課題と考えられます。

 先般、私も参加しております「経済財政諮問会議」が、聖域なき改革の目標として打出した「基本方針」も、こうした問題意識に基づくものであり、不良債権問題の抜本的な解決を経済再生の第一歩と位置づけています。

 実際、最近では、構造的な問題に直面している企業からの不良債権の新規発生が増加しており、これが金融セクター全体として不良債権残高が減少しない大きな要因ともなっています。皆様方に改めて申し上げるまでもありませんが、不良債権の新規発生を極力未然に防止するという意味でも、また、返済が危ぶまれる事態に至った場合に自らの財務面への影響を極力緩和するという意味でも、引続き早目早目の対応に努めることが必要であると思います。

 もとより、わが国経済が不良債権問題を克服するためには、わが国経済・産業面での広範な構造改革の進展が不可欠と考えられます。そういう意味では、今回の「基本方針」により、構造改革に対する国民や企業の理解が一層深まり、民間主導の形で改革が着実に実現していくことを強く期待したいと思います。

 この点、労働金庫業界では、強固な経営体制の構築に向け地域統合を意欲的に進められるなど、経営環境の変化に柔軟かつ前向きに対応しておられると伺っております。今後とも、労働金庫業界が経営体質の更なる強化に努められ、現下の厳しい金融経済情勢を乗り越えて、益々の発展を重ねられることを祈念し、ご挨拶に代えさせて頂きます。

 ご清聴有難うございました。

以上