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「最近の金融経済情勢と金融政策運営」

静岡県金融経済懇談会における植田審議委員 基調説明要旨

2004年 9月16日
日本銀行

 図表は、こちら(ko0409b.pdf 85KB)から入手できます。

目次

1、予想を上回った景気回復

 先週発表された本年第2四半期のGDP2次速報値は大方の予想を下回ったとみられるが、それでも1年前と比べて実質で4.2%の成長となった。昨年初めには、ほとんどの人がこんなに高い率の経済成長は予想していなかったはずである。実際、図表1に日銀政策委員の見通し1と民間の調査機関の見通し平均値が示されているが、2002年後半から2003年前半にかけての2003年度見通しは大きく実績を下回っている。

  1. 日銀政策委員のそれは、大勢見通しの上限値と下限値の平均。

2、難しい経済予測

 図表1およびコア消費者物価指数の上昇率見通しを示した図表2を用いて最近の経済予測のパーフォーマンスをチェックしておこう。実質成長率見通しは景気の転換点をうまく当てていないことがわかる。2001年度は実績では−1.2%だったが、2001年4月時点の見通しはまだプラスの成長となっている。世界的なITバブル崩壊の影響の深刻さを十分認識できていなかったということになろう。逆に、2002年度は1.1%のプラス成長に復帰しているが、2002年4月時点でもマイナス成長を予想している。IT 関連財の在庫調整が予想以上に早く進み、在庫復元の動きが出たこと、米国の拡張的な金融財政政策の効果が予想以上に大きかったことなどが背景である。こうした大きな転換点をはずしている点は、日銀見通しも民間見通しも大差ない。ごくわずかに日銀見通しのほうが誤差が小さいといえようか。

 インフレ率見通しにも程度はかなり小さいが、似た傾向がうかがえる。2001年度のデフレ進行を2001年4月には十分見通せていない。2002年度は4月時点ではデフレを過大に予測している。2003年度も4月時点までデフレを過大に予測している。こちらは、誤差が相対的に小さいこともあり、日銀と民間の見通しの精度に大差はない。

 いずれにせよ、経済予測は難しい2

  1. 2今回の景気回復局面についてFedの米国経済見通しを振り返ると、2003年7月時点での2002年第4四半期から2003年第4四半期までの実質成長率の大勢見通しが、2.5%~2.75%となっているのに対し、現実値は4.3%とやはり大きく景気回復を過小評価している。

3、好調な中国・米国経済に支えられた景気回復

 今回の景気回復の当初の見通しを上回る力強さの主因についてはどのようなことが言えようか。2002年第1四半期から今年の第2四半期までの2年強に、日本経済は約8%成長した。この成長に対する寄与率は輸出が46%3、設備投資が41%、消費が31%となっている。明らかに輸出と設備投資主導の回復である。輸出の増大に大きく寄与したのは東アジア向けであり、なかでも中国向けである4。ただし、東アジア向け輸出のかなりの部分は同地域で加工されて対米向けに再輸出されることを考えれば、日本の輸出増の主因は米国経済と中国経済の好調にあったといえよう。

 設備投資も好調に推移してきたわけだが、その中身がどのようなものだったかはやや不透明である。例えば、9月に入って発表された財務省の法人企業統計季報によると、ここ1年前後の設備投資をリードしてきたのは非製造業の中堅中小企業である。しかし、これは一般的なイメージとやや合わない5。実際、9月10日に発表されたGDPの第2次速報での設備投資の上方修正幅は予想より小さいものだった。今回の法人季報に合わせて実施された年1回のサンプル替えで、設備投資額が大きめの中小企業が拾われたことによるバイアスがかなり含まれていると見られる。6月の日銀短観によれば、2002年度から2003年度にかけての設備投資増額のうちの92%を製造業が、60%を製造業大企業が占める。2004年度計画の2003年度実績に対する増分についてもほぼ同様である。製造業の中でも電気機械、輸送機械、精密機械といった輸出関連産業の設備投資のウエートが高い。日銀短観に現れた姿が正しいとすると、設備投資の堅調さは輸出関連企業がリードしてきたものと言えよう。

 まとめれば、ここまでの景気回復は中国経済を中心とする東アジア経済、米国経済の好調さが主因であったといえよう。

  1. 3純輸出では25%。
  2. 42002年、2003年の実質輸出の増加分に対する中国向け輸出の寄与度は60%近くに達する。
  3. 5また、2003年下期の非製造業中小企業の設備投資増加分には規制強化前のトラックの買い替え需要分が含まれていると見られる。

4、構造調整の進展も寄与

 設備投資のリード役が輸出関連の製造業であることを指摘したが、投資財の価格下落を考慮した実質ベースではかなり様相は異なる。先ほどの短観のデータを2004年第1四半期の設備投資デフレータの対前年比下落率4.3%で実質化してみると、2002年度から2003年度にかけての実質設備投資増額に占める製造業のシェアは47%に低下する。すなわち、設備投資の裾野は格段に広くなる。あるいは、名目額で見ても法人企業統計の情報にもう少しウエートを置けば同様の結論となる。ここにはバブル崩壊以後10年以上続いてきた企業部門の様々なリストラ努力の成果を見て取ることが出来るように思う。過剰債務問題は製造業では峠を越えたし、非製造業でもある程度の進展が見られる(図表3)。過剰設備の償却、業界再編の動きが製造業ではかなり進んでいる。これらを反映して、企業収益も上場企業ベースでは史上最高益を更新中であるし、法人企業統計ベースで見ても、かなりの改善傾向が見てとれる(図表4)。こうした循環的な動きを超えた企業収益の好調さが、設備投資の伸びの背後にあるといえよう。ただし、収益、キャッシュ・フローの好調さに設備投資が追いついていないことも事実である。

 この結果、資産を時価ベースで見た企業の利益率、例えばPERの逆数は、ここ4~5年でようやく調整が進み(PERが下落し)、他国と肩を並べるところにまで上昇してきている(図表5)。分母の資産価格面で言えば、バブル期に上がり過ぎた分の調整が、株価、そしておそらく首都圏の地価についてはようやく峠を越し、この面から来るデフレ圧力が後退しつつある。これは資金の借り手、貸し手双方のバランスシートを改善し、不良債権問題克服の可能性を高めつつある。また、資産デフレ終焉の期待は、コンフィデンスの改善を通じて企業・家計の支出行動にプラスの影響を与えてきたと思われる。企業部門の調整が進み、賃金ベースではまだでも、雇用の面では改善の傾向が見られ始めていることは、家計の将来所得不安を抑え、2003年後半以降の消費の堅調さの一因でもあると見られる。

 要するに、輸出の堅調さに加えて、国内の構造調整の進展が内需を力強いものにしているといえよう。

5、巡航速度を模索する中国、米国経済

 ここにきて好調だった米国・中国経済に減速の兆しが見える。

 2003年第2四半期から2004年第1四半期まで年率4%以上の成長率を記録していた米国経済は、本年第2四半期には年率2.8%成長へと減速した。3~4%台の成長率で推移した消費が、第2四半期には1%台へと減速したことが主因である。その背景については、原油高の影響に加えて、2年以上続いた金融財政政策両面からの刺激効果が出尽くしつつあることも大きいと思われる。そのほかにもISM指数、消費者コンフィデンス指数の頭打ち傾向、期待されていたほど雇用が伸びないこと等、景気の減速を懸念させる指標は多い。

 しかしながら、戦後最大規模ともいわれる拡張的な財政政策、1%までFFレートを引き下げた金融政策、およびその経済に対する刺激効果が永続すると考えるのも無理である。他方、第3四半期に関する経済指標が少しずつ出てきているが、減速傾向が強まっているわけではない。8月の雇用統計等、持ち直しの動きも見られる。物価動向も落ち着いている。市場における平均的な見方どおり、米国経済は巡航速度へ収束しつつある過程と見ておくのが良いかと思われる。

 2003年から過熱気味の経済成長が続いていた中国は、昨年後半からの引き締め政策への転換もあって、本年第2四半期にかけて貸出、固定資産投資の伸び率等がはっきりと減速した。GDPの伸び率も幾分減速した。しかし、その後の経済指標はまちまちであり、減速傾向の持続を示すものとともに、経済の力強さを反映していると見られるものも散見される。例えば、減速後7月に前年比31.1%まで高まった本年の累積固定資産投資は8月には、26.3%へと低下した。M2の成長率も8月には13.6%と本年最低になっている。他方、7月に対前年比15.5%まで低下した生産の伸びは8月には再び15.9%まで高まり、CPIの上昇率は8月も7月と同様の5.3%、生産者物価上昇率は8年ぶりの高さの6.8%となった。要するに、中国経済に失速の気配は見えない。

 原油価格の上昇傾向も懸念される点だが、サプライサイドの要因もあるが、基本的には世界経済の拡大を映じたものであり、スピードや幅の問題はあるにせよ、原油価格の上昇から予想されるマイナスの効果のみをとりあげて論じるのは木を見て森を見ない議論である。実際、足元の日本の企業業績は原油価格上昇を吸収して好調が続いている。

6、世界的なハイテク景気の行方

 日本の内外需好調の一つの背景に、2002年から上昇に転じた世界的なハイテク景気の好調さがある。しかし、ここにきてそれに若干のかげりが見られる。例えば、世界半導体出荷は7月には第2四半期対比減少した。米国の情報関連財受注の伸びが鈍っている。日本の東アジア向け情報関連財輸出も第2四半期には前期比減少に転じた。

 財別に見ても、北米では薄型テレビの在庫調整が第2四半期に発生したようである。デジタルカメラの売れ行きが内外で頭打ちとなってきている。PC、携帯電話も期待されたほどの伸びになっていない。半導体製造装置の動きも鈍ってきている。

 こうした傾向を捉えて、いわゆるシリコン・サイクルがそろそろピークに差し掛かっているとの議論も聞かれるようになっている。これについては、今後の動きを注意深く見ていくということだろうが、2000年から2001年のITバブル崩壊時の記憶が新しく、当時ほどの過大在庫・設備は抱え込んでいないだろうということ、また関連企業の株価水準も格段に低いところにあり、調整が進んだとしてもマイナスの波及効果は小さいと見ておくべきだろう。

7、日本経済も巡航速度の模索へ

 以上のような米中経済、ハイテク景気の動向をも反映して、足許日本経済については若干弱めのデータが散見される。7月の実質輸出が前期比マイナスとなったこと、6月のマイナスに続いて7月の生産も前月比横ばいとなったこと、7月の機械受注の伸びも大きくマイナスとなったことなどである。

 これらは海外経済の第2四半期の減速、世界的なハイテク分野の荷動きの鈍化等を反映したものである可能性が高い。後者については、電気機械類生産財の分野が軽微の在庫調整に入ったと見られる(図表6)。機械受注については、こうしたハイテク分野の動きに関連する部分と単月の振れの両方の要素が混在していると見られる。

 ただ、世界経済が深刻な調整局面に入る可能性は高くないと見られること、電子部品の在庫調整は早期に始まった分、軽微なもので終了する可能性が高いこと、ハイテクを除いた製造業は在庫も少なく(図表6)、収益も好調であることなどから全体としては大幅な調整は避けられると見られる。

 巡航速度を探りつつある海外経済、ハイテク分野の若干の調整等の動きを受けて、日本経済も巡航速度を模索する動きに入りつつあると言えよう。需要項目別の動きに置き換えて表現すれば、輸出につれて、設備投資の伸びが多少低下したとしても、それぞれ大きな調整は避けられそうであること、特に後者は、リストラ効果も反映した強い企業収益の基調が下支えとして働くこと、またこうした中で消費が堅調を維持することによって全体はそこそこの成長が続くと考えられる。

 日経平均株価も、こうした見方を反映してか、弱めのデータ発表にも底堅く推移している。ハイテク関連の指標であるナスダック指数も今年1月後半から調整を続けた後、8月中旬からはむしろ持ち直しの動きとなっている。

8、リスク要因

 以上の見方にリスクが無いわけではない。地政学的リスクが高まる可能性、ハイテク関連の調整が予想以上に深刻なものとなる可能性以外に、米中経済はそれぞれ問題を抱えている。

 米国については、巡航速度へ移行する過程で循環的な調整局面に入るリスクは消えていないし、財政赤字、経常収支赤字のいわゆる「双子の赤字」を巡って、金融資本市場に波乱が発生するリスクも残っている。また、経済動向次第ではバランス・シートを拡大した家計部門の調整が深刻化する可能性もある。

 中国については、GDPの40%強を固定資産投資が占めるという中長期的には維持不可能ともみられる状態の調整が、どのような形で発生するかという問題がある。強めの経済指標が続いた場合、より強力な引き締め政策の発動という形で、近い将来にこうした調整圧力が顕現化するリスクがある。引き締め政策が発動されない場合には、原油を含む商品市況の一段の上昇、それによる中国を含む世界経済の減速という市場メカニズムによる調整となる可能性もある6。特に、中国経済が大きく減速した場合は、足許絶好調の日本の素材産業の業況には重大な影響が及ぶと考えられる。

 国内に目を転じると、賃金が完全には下げ止まっていないことが、消費の先行きを考える上でのリスク要因である。この背景として、人材派遣に関する規制緩和によってパート・派遣労働者・請負労働者等の非正規雇用が拡大していることがある7。この影響もあって、本年夏のボーナスは対前年比ではっきり下げ止まるには至らなかったと見られる。非正規雇用比率の上昇がどこで頭打ちになるかははっきりしないが、しばらくはこの比率の上昇が、平均賃金の足を引っ張る力として働きそうである。ただ、逆に企業部門の体力はその分高まっているわけであり、経済の減速があった場合の抵抗力が高まっているという見方も可能であろう。

  1. 6経済のグローバル化、その中での特に生産拠点の中国へのシフトは、生産資材を中国へ、製品を中国から海外へというメカニズムで国際輸送サービスに対する需要を強める、エネルギー効率の低い地域へ生産拠点が移動する等、複数の理由でエネルギー需要を高める効果をもつ。逆に言えば、こうした動きはしばらく前までの原油価格等の低位安定の動きに支えられていた側面がある。
  2. 7毎月勤労統計の常用雇用は対前年比増加傾向がはっきりしてきているが、増加しているのはパート・タイマー部分である。

9、生産性上昇と非正規雇用の拡大で抑えられるCPI

 最後に物価の動きを点検してみよう。よく知られているように、内外の商品市況、それを反映した国内企業物価は上昇傾向にあるが、消費者物価指数(CPI)はなかなか重い動きである。図表7にあるように、コアCPIから診療代、たばこ、コメ、電気、さらに石油製品等の一時的ないし制度的要因を除去した指数の動きを見ると、ここ1年ほど−0.5%程度の変化率でほとんど動いていない。この1年は4%強の実質GDPの成長があったわけであり、通常では考えられないほどCPIの実体経済に対する反応が弱くなっている。

 この背景の解明が十分出来ているわけではないが、一つには、製造業中心の回復の中で、図表8にあるように労働生産性が4%前後というきわめて高い率で伸びており、なかなか雇用の増大につながっていないことがある。これに加えて、雇用はここ数ヶ月ようやく増加基調に転じているものの、非正規雇用比率の上昇によって平均賃金が抑えられていることがあげられる。

10、景気・物価情勢と金融政策

 以上のような分析から予想される今後のCPIインフレ率と金融政策の姿はどのようなものになろうか。まず、足許の原油価格の若干の落ち着きの気配、予想される9月からの米価の下落等を考慮すると、今後数ヶ月というような近い将来にインフレ率が基調的にプラスに転じる可能性はかなり低い。

 もう少し先を展望するとどうだろうか。景気が巡航速度を探りつつも大きな調整なしにそこそこの回復基調を続けるケースがメインのシナリオである。この場合、常識的にはどこかで賃金の下落傾向は止まり、CPIの持続的な上昇が始まると考えられる。ただ、製造業の生産性上昇や非正規雇用へのシフトの傾向が続き、賃金のはっきりした上昇開始のタイミングが遅れたり、これまで目立たなかった非製造業の生産性上昇の動きが発生し、物価上昇圧力がなかなか顕在化しないというケースも念頭に置く必要がある。

 海外経済情勢次第では景気に調整圧力がかかる可能性も無視は出来ない。ただし、こうした場合でも既に述べたような理由から調整は軽微なもので済む可能性が高い。景気調整期間中はインフレ率の上昇は考えにくいが、強いデフレ基調への転換の可能性も低そうである。金融機関、借り手の非金融企業の体力は1990年代後半と比べると、格段に改善している。生産、雇用の調整も非正規雇用の調整が中心となり、賃金・物価への下押し圧力は小さくて済むかもしれない。

 このように先行きについて様々な可能性を念頭におきながら、足許の金融政策スタンスを決めていくわけである。その際、図表1等で見たように景気予測がなかなか容易ではないこと、また物価の景気に対する反応度合いにも不確定性が高まっている点について中央銀行としてはどのように配慮したらよいだろうか。日本銀行、そしてほとんどのインフレーション・ターゲティングを採用している中央銀行がそうであるように、インフレ率の予測値に基づいて足許の金融政策を決めるというのが基本である。これは政策効果の発現にラグがあるからである。

 しかし、予測が難しい場合には、将来のある時点のインフレ率の予測の平均値のみに基づいての政策決定は最適でない可能性が高い。予測が外れた場合にどのような事態が発生するかが十分考えられていないからである。小さな確率でしか予想されないが、もしも現実化すれば経済にとってコストはきわめて高いというような事態も考えうる。あるいは予測が上にはずれた場合と下に外れた場合とでコストが非対称的だということもあるだろう。通常の予測の視野(おそらく1~2年)よりも長い先についてのインフレ予測が重要ということもあろう8

 日本経済のおかれた現状では、当面インフレ率予想が下に外れるコストのほうが上に外れるコストより大きいと見られる9。その上で、私の考えでは、以上のようなこと、すなわちインフレ率予想の平均値のみでなく、それがどの程度上下、特に下に外れるリスクがあるか、それによるコストはどの程度のものか、さらに発表される見通しより先の期間についてはどのような見方が可能か、等の点について注意深い配慮が必要だと思う10

 こうした点を念頭におきつつ、今後の経済動向予測、金融政策決定にあたりたい。

  1. 8こうした点を重視する金融政策の考え方を述べた例に、グリースパン議長の講演("Risk and Uncertainty in Monetary Policy," Remarks at the Meetings of the American Economic Association, January 3, 2004)がある。また、イングランド銀行は直近のインフレーション・レポートから2年先だけでなく、3年先のインフレ率予想のファン・チャートを示すようになった。
  2. 9もちろん、インフレ率がどこかできわめて強い上昇基調に転じるというリスクを無視しているわけではないし、こちらのコストの方に相対的に大きなウエートをおくという局面に転じる可能性もある。
  3. 10 以上のような点についても、定量化した条件を示すべきだという考え方もありえよう。しかし、こうした点の判断は、事前には見通しにくい金融経済情勢の変化によって大きく変動しうるものであることを考えると、総合判断的な部分が残らざるを得ないように思われる。

以上