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全国信用組合大会における武藤副総裁挨拶要旨

2005年10月21日
日本銀行

はじめに

 本日は、全国信用組合大会が盛大に開催されましたことを、心よりお慶び申し上げます。

 信用組合の皆様におかれましては、地域や顧客に密着した金融機関として、その発展に貢献してこられました。また、皆様には日頃から、日本銀行の政策や業務の運営に多大なるご協力を頂いております。本席をお借りして、あつく御礼を申し上げます。

経済金融情勢と金融政策運営

 わが国の景気は、昨年後半以降続いていた景気の「踊り場」を脱して、回復を続けています。輸出は緩やかな増加を続けており、生産も振れを伴いつつ増加傾向にあります。企業収益が高水準で推移し、設備投資は増加を続けています。この点は、今月初に公表された9月短観でも、確認されています。雇用者所得も、雇用と賃金の改善を反映して、緩やかな増加を続けており、そのもとで個人消費は底堅く推移しています。

 先行きについてみますと、輸出は、海外経済の拡大を背景に、増加を続けていくと考えられます。国内民間需要も、企業の過剰設備や過剰債務などの構造的な調整圧力が概ね払拭されたもとで、高水準の企業収益や雇用者所得の緩やかな増加を背景に、引き続き増加していく可能性が高いとみられます。このように、景気は、緩やかながらも息の長い回復を続けていくとみられます。

 こうした経済情勢にとって、大きなリスク要因は、原油価格の高騰とその世界経済への影響です。これまでのところ、世界経済は、インフレ心理が総じて落ち着いているもとで、緩和的な金融環境が維持されていることもあり、順調な拡大を続けています。もっとも、今後原油価格の高止まりが続いた場合、こうした状況に変化が生じ、インフレ懸念の台頭や世界経済の減速などにつながることはないか、注意深く点検していく必要があると考えています。

 この間、国内の物価面についてみますと、国内企業物価は、原油価格高騰の影響などから上昇しており、先行きも上昇傾向をたどるとみられます。消費者物価(全国、除く生鮮食品)の前年比は、現状、小幅のマイナスとなっていますが、先行きは、需給環境の緩やかな改善が続く中、米価格のマイナス寄与が縮小していくことや、電気・電話料金引き下げの影響が弱まることなどから、年末頃にかけてゼロ%ないし若干のプラスに転じていくと予想されます。

 こうした経済物価情勢のもと、日本銀行は、量的緩和政策について、消費者物価指数の前年比が安定的にゼロ%以上となるまで続けるという「約束」に沿って継続し、物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現に向けて、金融面から努めていく所存です。

金融システム面の課題

 次に、金融システム面の最近の動向についてお話しします。

 わが国金融システムは、全体として、10年以上にわたって取り組んできた不良債権問題の解決にようやく目処をつけ、新しい局面に入っています。

 今後は、信用組合を含む預金取扱金融機関、証券会社、保険会社、ノンバンクなど、様々な金融サービス業の担い手が、顧客ニーズに一層的確に対応していくことを主眼に置きつつ、それぞれの持ち味を活かして、相互に切磋琢磨していくことが予想されるところです。

 こうした中で、金融サービスを提供する側が、顧客に信認され、選ばれるためには、経営基盤をさらに強化していくことが、以前にも増して重要になってくると思われます。また、多様化する顧客ニーズへの対応の過程では、新たな業務に取り組む機会が増えていくため、業務内容の変化に応じて、リスク管理態勢を再構築していくことも重要な視点となります。

 信用組合の皆様方は、これまでも、個人や中小零細企業向け金融などを通じて、地域経済の発展のために重要な役割を果たしてこられました。今後も、将来を見据えた経営基盤の更なる強化や業務内容に応じたリスク管理態勢面の整備を進めつつ、顧客ニーズに的確に応えていくことにより、わが国経済の発展にさらに貢献されることを期待しています。

おわりに

 以上、いろいろと申し上げてまいりましたが、最後に皆さま信用組合業界の今後の一層のご発展を祈念いたしまして、私の挨拶といたします。

以上