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学生向けコンテスト「日銀グランプリ~キャンパスからの提言2006~」の決勝における総裁挨拶要旨

(岩田副総裁代読)

2006年 3月10日
日本銀行

 皆さん、本日はようこそお越し下さいました。「日銀グランプリ~キャンパスからの提言2006~」の決勝を開催するに当たり、主催者を代表して一言ご挨拶申し上げます。

 この「日銀グランプリ」は、今回が初めての開催となります。学生の皆さんに、金融というものにもっと関心を持って頂き、わが国の金融・経済の現状と将来について自分達の問題として考えてもらうきっかけになれば、との思いを込めて、「突破口を探せ!私たちが考える日本の"金融力"向上作戦」というテーマを設定しました。また、一人一人が思索を深めるだけでなく、是非仲間同士で議論を闘わせ、一緒になってこの問題を考えてみてほしい、そうした気持ちから、個人ではなく三人一組という形で応募して頂くこととしました。

 昨年9月の募集開始以来、本年1月の締め切りまでに、日本全国、そして一部は海外からも、計49篇もの応募を頂きました。応募作品はいずれも若さ溢れる力作揃いであり、主催者として、わが国の将来を背負って立つ皆さんの問題意識の高さと感性の鋭さに、改めて大きな期待と希望を感じたところです。

 実際、若い皆さんの柔軟かつ独創的な提言の数々は、わが国の金融の将来ヴィジョンを考える上で、多くの示唆を含んでいると感じました。私どもが、ともすれば見過ごしてしまっている重要なポイントを捉えている可能性があるのではないか、そうであればこそ、単なる「小論文コンテスト」にとどめず、文字通り「キャンパスからの提言」としてこれらに真摯に耳を傾け、重要なテーマについては私どももいっしょになって考え、取り組んでいくことが有意義ではないか、との気持ちを強く持った次第です。

 本日は、いよいよ書類審査を勝ち抜いた五チームの皆さんによる決勝です。東京都内はもとより、はるばる京都、そして四国は香川県からもお集まり頂きました。テーマも、「郵貯銀行による産業ファンド」、「電子ペーパー・マネー」、「金融教育」、「補完通貨の導入」、そして「持続的経済成長に向けた政策運営」と、わくわくするような多彩な顔振れが並んでいます。

 私ども主催者の側では、五名の審査員が、若い皆さんに負けないよう全力投球で審査に当たります。各チームとも、本日の決勝に向けて様々な準備をしてこられたことと思います。是非、思い切って、元気良く、皆さんのメッセージを審査員、そしてご来場の観客の皆さんにぶつけてみて下さい。

 「日銀グランプリ」は今後も毎年開催して参ります。本日は会場に決勝進出チームの応援団の皆さんを始め、学生の方々や大学関係者の皆さんも多数お越しになっています。決勝進出チームに盛大なご声援を頂きますとともに、本日の観戦をきっかけに、次回はご自身が挑戦する積りで是非ファイトを燃やされてはいかがでしょうか。本日ご来場の皆さんを含めた多くの方々の間で、「日銀グランプリ」の「輪」がどんどん広がり、これを梃子に金融に関心を持つ方々の層がさらに厚みを増すことになれば、主催者としてこれに優る喜びはありません。

 なお、本日、ご来場の皆さんには、後ほど日本銀行内の見学ツアーにご参加頂くことも予定しています。是非この機会に、日本銀行についてもご理解とご関心を深めて頂ければと存じます。

 これからのひと時が、第1回日銀グランプリの決勝にふさわしい有意義な時間となりますことを確信して、私からのご挨拶とさせて頂きます。皆様のご健闘をお祈り致します。

以上