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財務省・「国債市場関係者との意見交換会」における総裁挨拶

2006年4月3日
日本銀行

 昭和40年度以降、国債市場において大きな役割を担ってこられました、いわゆるシ団(国債募集引受団)が、この3月末をもって廃止されました。只今、財務大臣より、シ団がこれまで果たしてこられた役割に対して感謝の意が伝えられましたが、この場をお借りして、私からも一言ご挨拶申し上げたいと思います。

 わが国の国債市場は、政府に安定的な資金調達の場を提供するというだけでなく、金融資本市場全体の基準となるリスク・フリーの金利を形成することを通じて、幅広い金融資産の価格形成の基礎を提供し、民間部門の円滑な経済活動、ひいてはわが国経済の自律的な成長の実現にも大きな役割を果たしています。日本銀行にとっても、国債市場は金融調節を円滑に実行する場として、また、先行きの経済・金融情勢に関する市場参加者の様々な判断を読み取る場として、非常に重要な市場であることはいうまでもありません。

 わが国では、戦前、戦中の日本銀行引受けによる歯止めのない国債発行とその後のインフレという過去の苦い経験を踏まえ、昭和40年度の国債発行再開時以降、国債の市中消化の原則が堅持されてきており、シ団はこの原則を確立する上で、極めて重要な役割を果たしてこられました。今般、国債市場特別参加者制度の下で、国債のプライマリー市場がマーケット・メカニズムを一層活用する方向に踏み出したことは、わが国の金融資本市場の発展にとって望ましいことであり、私共としても大変心強く感じています。

 これまで、国債市場特別参加者制度の導入以外にも、より効率的で流動性が高い国債市場を目指し、国債の商品性、税制、決済システムや取引慣行など、様々な面での見直しが進められてきました。国債市場を巡る金融経済環境は、これからも絶え間なく変化を続けていくでしょうし、変化のスピードが従来以上に速まっていくことも予想されます。こうした下で、シ団が廃止された後も、市場参加者・発行当局が一丸となって、一段と流動性の高い効率的な市場の整備に向けた取り組みを、これまで以上のスピード感を持って進めていって頂きたいと願っております。

 日本銀行としては、金融経済情勢を的確に見極めながら、適切な金融政策運営を行うことにより、物価の安定の下での持続的な経済成長の実現を目指して参る所存であり、こうしたことがわが国の国債市場の健全な発展にとっても極めて重要であると考えております。また、この場にご出席の方々をはじめとする市場参加者の声に耳を傾けながら、国債の決済インフラの整備等を通じて、中央銀行の立場から、国債市場の効率性や流動性の一層の向上にも寄与して参りたいと考えております。

以上