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短期金融市場の機能の更なる向上に向けて

短期金融市場フォーラム・フォローアップ会合における福井総裁挨拶要旨

2007年7月24日
日本銀行

 日本銀行の福井でございます。本日は、マーケットの第一線でご活躍の皆様に多数のご参加を頂きまして、誠にありがとうございます。

 日本銀行は、本年2月から、約半年間のプロジェクトとして「短期金融市場の機能向上への取組み」を進めて参りました。後ほど述べますように、この間、ここにおられる皆さんの多大なるご協力を頂いて、大変有意義な取組みとすることができたと考えています。本日は、プロジェクトの締め括りとして、日本銀行の方から、これまでに実現してきたこと、残された課題や今後の日本銀行の対応についてご説明をいたします。本日このような形で取り纏めのご報告ができることを、私自身、大変嬉しく感じています。

 詳しくは、後ほど、中曽金融市場局長から本日公表の最終報告書に基づいてご説明致します。私からは、この「取組み」を通じて感じたことを、2点だけお話しておきたいと思います。

 第1は、市場参加者による実務的検討というアプローチが非常に有効だということです。

 今回の「取組み」の推進にあたって、私どもが特に心がけたのは、市場参加者とともに考え、前進していく、そして課題に対してはなるべく実務的に対処していく、ということです。

 取組みのキック・オフとして、3月1日に開催した短期金融市場フォーラムでは、私自身も参加させて頂いて、市場参加者の皆さんと直接の意見交換を行いました。多様な業態、お立場の方々からお話を伺って、取引ニーズに立脚した、きわめて具体的な問題意識をお持ちであることを改めて実感しました。4月に行った意見募集でも、「なるほど」と感じられる具体的なご提案を数多く頂いて、まさに「知恵は市場にある」と心強く感じたことを記憶しています。

 また、具体策の取りまとめに当たっては、市場参加者の皆さんに参画して頂いたことが大きな推進力になりました。例えば、今回の取組みの成果の1つであるレポの指標レートは、市場実務に精通した方々との共同作業の中から実現したものです。

 課題を克服していくことは、様々な困難を伴うものです。これを乗り越えていくためには、実務に関する専門的な見識と的確なビジネス・ジャッジメントの双方が必要です。だからこそ、「実務家が知恵を出し合うことによる価値創造のプロセス」が有効なのだと思います。これまでも、市場慣行の策定などは、まさに市場参加者のイニシアチブで進められてきた訳ですが、イノベーションの進展など変化の著しいこの時代においては、新たな課題に対して関係する市場参加者が実務的に、かつ、素早く答えを見出していく、というアプローチが重要性を増しているように思われます。

 第2は、東京の短期金融市場がスピード感をもって動き始めているということです。

 今回の取組みを通じて見えてきた課題は多岐に亘りますが、取引の効率性、執行コストの低さ、市場の透明性といった、市場の普遍的価値を追求するものであるという点は共通しています。今日、短期金融市場は内外の金融機関が活動する場として、国際的な広がりを増しています。金融取引のグローバル化に伴って、より高いスタンダードが求められるようになっていて、その達成に向けた強い具体的なニーズが出てきているということだと思います。

 実際、短期金融市場では、この半年の間にも多くの進展がみられ始めています。市場参加者間の共同作業という面では、先ほど述べましたレポ指標レートや有担保コールの担保取扱いの見直し、コール市場のデータ整備が挙げられます。これらはいずれも市場参加者による短期精力的な検討の結果実現されたものです。個社レベルの取組みとしても、新たな取引への参入やレート呈示の充実、取引の電子化・効率化に向けたシステム対応など、新しい動きが広がっています。

 「取組み」は本日をもって一区切りとなりますが、今後も短期金融市場に対する日本銀行のコミットメントは全く変わりません。短期金融市場は、わが国の中核的市場です。これが新たな時代の要請を満たす市場として発展を遂げていくことは、内外の多くの市場参加者に効率的な取引の場を提供するという点で、金融センターとしての東京市場の基盤を強化するものです。もちろん、私どもにとっても、金融政策を実践する場の機能度を上げるという点で大きな意義を有しています。日本銀行は、市場の前向きのモメンタムを後押ししていくため、参加者の皆さんとの意見交換を継続していく方針です。また、短期金融市場の発展については、今後もしっかりフォローアップして、皆さんと認識を共有していきたいと考えています。市場全体として意義のある情報を発信していきたいと思いますので、是非ご協力をお願いします。

 以上をもちまして、ご挨拶に代えさせて頂きます。本日は、有難うございました。

以上