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支店長会議総裁開会挨拶要旨(2009年7月)

2009年7月6日
日本銀行

  1. (1)昨年秋以降、米欧の金融システムや国際金融資本市場の動揺が深刻化する中、世界経済は同時かつ急速に悪化したが、最近では、金融・実体経済の両面で悪化テンポの鈍化あるいは下げ止まりの動きがみられる。
  2. (2)わが国の景気については、大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある。企業収益が大幅に悪化するもとで、設備投資は大幅に減少している。また、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、個人消費は弱まっており、住宅投資も減少している。一方、輸出や生産は、大幅に落ち込んだあと、持ち直しに転じつつある。この間、公共投資は増加している。
  3. (3)先行きについては、国内民間需要は、厳しい収益環境が続き、雇用・所得環境も厳しさを増すもとで、引き続き弱まっていく可能性が高い。一方、輸出や生産は、内外の在庫調整の進捗を主因に、持ち直しを続けるとみられる。この間、公共投資も増加を続けると見込まれる。このため、わが国の景気は、当面は下げ止まりの動きが次第に明確になっていく可能性が高い。
  4. (4)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して足もと低下しており、今後は、需給バランスの悪化も加わって、マイナス幅を拡大していくとみられる。
  5. (5)この間、わが国の金融環境をみると、CP・社債市場の発行環境が一段と改善してきているほか、銀行貸出は、大企業向けを中心に高めの伸びを続けている。資金繰りや金融機関の貸出態度については、悪化に歯止めがかかる動きがみられるものの、なお厳しいとする先が多い。
     わが国金融システムについては、内外金融資本市場における緊張感が和らいでいることなどを背景に、全体としては落ち着きを取り戻しつつある。ただし、金融機関の2008年度決算は全体として最終赤字となり、金融機関の間の経営体力のばらつきが拡大しているなど、金融機関経営の動向については、引き続き注意が必要な状況にある。
  6. (6)日本銀行では、昨年秋以降、金融政策面からわが国経済を支えるため、政策金利の引き下げ、金融市場の安定確保、企業金融円滑化の支援という3つの柱を中心に、様々な措置を実施してきた。また、金融システムの安定を図るため、金融機関保有株式の買入れを再開したほか、金融機関向け劣後特約付貸付の供与を実施している。日本銀行としては、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路へ復帰していくため、中央銀行として引き続き最大限の貢献を行っていく方針である。

以上