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支店長会議総裁開会挨拶要旨(2010年1月)

2010年1月18日
日本銀行

(1)世界経済は、昨年春頃から持ち直しに向かい、このところ緩やかに回復している。国際金融資本市場では、改善の動きが続いている。

(2)わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している。内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。設備投資は下げ止まりつつある。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続いているものの、各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直している。この間、公共投資は頭打ちとなりつつあり、住宅投資は減少している。

(3)先行きについては、輸出や生産は、増加ペースが次第に緩やかになっていくとみられるが、海外経済の改善が続くもとで、増加基調を続けるとみられる。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続く中にあっても、各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直しの動きが続く可能性が高い。一方、設備投資は、収益がなお低水準で、設備過剰感も強いもとで、当面は横這い圏内に止まる可能性が高い。この間、公共投資は、次第に減少していくとみられる。このため、わが国の景気は、持ち直しを続けるが、当面そのペースは緩やかなものに止まると考えられる。

(4)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落している。先行きは、石油製品価格などの影響が薄れていくため、下落幅は縮小していくと考えられる。

(5)わが国の金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが続いている。企業の資金繰りは、中小企業を中心になお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている。
 わが国金融システムについては、内外金融資本市場が改善傾向を示し、景気も持ち直す中で、総じて安定性を維持している。ただし、国内の厳しい企業業績や雇用・所得環境のもとで、金融機関収益は回復力に乏しい展開が続くとみられる。こうしたことを踏まえ、金融システムの動向を引き続き注意深くみていく必要がある。

(6)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題であると認識している。そのために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。

以上