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支店長会議総裁開会挨拶要旨(2010年4月)

2010年4月15日
日本銀行

(1)世界経済は、緩やかな回復を続けている。国際金融資本市場では、一部でソブリンリスクを懸念する動きもみられるが、全体として改善の動きが続いている。

(2)わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、海外経済の改善や各種対策の効果などから、持ち直しを続けている。新興国経済の力強い成長などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。企業の業況感は、引き続き改善しており、その裾野が拡がっている。企業収益が回復してきているもとで、設備投資は下げ止まっている。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続いているものの、各種対策の効果などから耐久消費財を中心に持ち直している。住宅投資は下げ止まりつつある。この間、公共投資は減少している。

(3)先行きについては、当面、わが国経済の持ち直しのペースは緩やかなものとなる可能性が高いが、一頃市場等で懸念されたような景気が再び大きく落ち込む惧れは、かなり後退したとみられる。その後は、輸出を起点とする企業部門の好転が家計部門に波及してくるとみられるため、わが国の成長率も徐々に高まってくるとみられる。

(4)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和状態にあるもとで下落しているが、その幅は縮小傾向を続けている。先行きは、中長期的な予想物価上昇率が安定的に推移すると見込まれるなかで、マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、前年比下落幅は、高校授業料の実質無償化等の一時的要因を取り除いた基調的な動きでみれば、縮小していくと考えられる。

(5)わが国の金融環境は、厳しさを残しつつも、緩和方向の動きが強まっている。企業の資金調達コストは、低下傾向が続いている。CP・社債市場では、良好な発行環境が続いており、低格付社債の発行環境にも改善の動きがみられている。さらに、企業の資金繰りは、中小企業ではなお厳しいとする先が多いものの、これらも含め、全体として緩和方向の動きが続いている。
 わが国金融システムについては、内外金融資本市場の改善や景気の持ち直しが続く中で、全体として安定性を維持している。ただし、景気持ち直しのペースが緩やかなもとで、金融機関収益は回復力に乏しい展開が続くとみられる。このため、信用リスクや金利リスクなどの状況を含め、金融システムの動向を引き続き注意してみていく必要がある。

(6)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題であると認識している。そのために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。金融政策運営に当たっては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。

以上